家入一真
家入 一真(いえいり かずま、1978年〈昭和53年〉12月28日 - )は、日本の連続起業家(シリアル・アントレプレナー)、実業家、投資家。GMOペパボ、CAMPFIREの創業者、元代表取締役社長。軽井沢在住。親鸞に傾倒し、浄土真宗で得度している[1]。
いえいり かずま 家入 一真 | |
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2014年の家入 | |
生誕 |
1978年12月28日(46歳) 日本 福岡県 |
出身校 | 福岡県立玄界高等学校中退 |
職業 | 起業家・実業家 |
著名な実績 |
GMOペパボ創業者 CAMPFIRE創業者 |
配偶者 | 有 |
公式サイト | IEIRINET |
来歴
編集中学2年時にいじめを原因にひきこもりとなり、大学入学資格検定に合格し地元の美術大学にも合格するものの通わなかった[2]。芸大美大受験の予備校である美術研究所画塾卒業[3]。
デザイン会社に入社。在職中にウェブサイトのデザインに興味を持ち、ウェブデザインの技術的知識を身に付けようとコンピュータのシステム会社に転職し技術を習得する。その後、株式会社paperboy&co.を創業、29歳の時にジャスダック市場へ最年少で上場した[3]。
現在は、株式会社paperboy&co.を退任し、シリアルアントレプレナー(連続起業家)として、クラウドファンディングサイトを運営している「株式会社CAMPFIRE」代表取締役。株式会社ScareCrow(現株式会社playwith partners)代表取締役、株式会社イケニエ東京(現株式会社キメラ)代表取締役、株式会社アマゾナスヴィダ代表取締役、株式会社partyfactory代表取締役、株式会社onelife代表取締役、株式会社FIREX代表取締役、株式会社CAMPFIRE SOCIAL CAPITAL代表取締役、Founder Foundy株式会社(現NOW株式会社)代表取締役、株式会社エクソダス代表取締役、スマートEC運営「BASE株式会社」共同創業取締役[4]。カフェプロデュース・運営「partycompany Inc.」代表取締役。スタートアップベンチャー投資「NOW」代表取締役など、さまざまな業種のベンチャー企業に参画している。
「現代の若者たちの駆け込み寺」(シェアハウス)として「[[リバ邸]]」を全国に作るなど、リアルやネットを問わず、カフェやウェブサービスなど人の集まる場を創っている。
2014年に都知事選に出馬するも落選。政治団体「インターネッ党」を立ち上げ、政治活動を始めたが2016年7月29日現在活動を停止している。
略歴
編集- 2001年10月23日 - 合資会社マダメ企画を資本金30万円で設立
- 2003年1月10日 - 有限会社paperboy&co.を出資金300万円で設立し、合資会社マダメ企画の事業を継承
- 2004年3月2日 - GMO(現・GMOインターネット)を対象として第三者割当増資、同社の連結子会社へ。株式会社paperboy&co.(ペーパーボーイアンドコー、paperboy&co., Inc.)(現GMOペパボ)へ組織変更。
- 2007年9月11日 - 第5回Webクリエーション・アウォード Web人賞受賞
- 2008年12月19日 - 株式会社paperboy&co.がジャスダックに上場
- 2009年3月25日 - 株式会社paperboy&co.代表取締役社長を退任、同社代表取締役CCOに就任
- 2010年
- 2011年1月12日 - キャンプファイヤーを運営する株式会社ハイパーインターネッツ(現・CAMPFIRE)を設立し、代表取締役に就任(現職)。
- 2012年
- 1月 - 株式会社パーティファクトリーを設立し、代表取締役に就任。
- 5月 - Livertyを設立し、代表に就任。現代の駆け込み寺シェアハウス「リバ邸」をオープン。
- 8月 - creww株式会社を設立し、共同創業取締役に就任。
- 12月 - BASE株式会社を設立し、共同創業取締役に就任(現職)。
- 2014年
- 2015年
- 2016年
- 2018年
- 2019年
- 2020年
人物
編集前妻はエッセイストの紫原明子。一男一女がいる。紫原とはインターネットのコミュニティサイトで知り合いメールを通して交際を始めた。その後、彼女の高校卒業と同時に同棲を始め、家入が22歳、彼女が18歳の時に結婚し[8]、のちに離婚[9]。
2016年4月28日に元DJ・サオリリスとの間に子供を授かり、2016年5月23日に結婚。
個人的に「ブクログ」などのアプリの開発も行っており、これらが話題になることも多い(2009年10月8日よりpaperboy&co.の正式な運営サービスとなっている。)。
studygift
編集studygiftは、学生を支援するために、2012年5月に設立されたプロジェクト。理念は「従来の"どんな人にいくら渡るのか解りにくい寄付"では無く、"この人に共感するから支援"を実現すべくオープンした学費支援プラットフォーム」[10]。『Livertyプロジェクト』によるクラウドファンディング型学費支援プラットフォーム『studygift(スタディギフト)』を、ブロガーのヨシナガと共同で立ち上げた[11]。
問題となった事例
編集当時、Google+において、フォロワー数日本一の早大生として有名であった早稲田大学3年生の女子大学生[12]への支援を呼びかけたケースが問題となった。この女性から、家入は、「成績不振を理由に日本学生支援機構などからの奨学金を打ち切られ、大学に通えなくなっている。」という話を聞き、信じた [13]。「苦学生を救いたいという思い」から、彼女の「復学」への支援を呼びかけるため、2012年5月17日にサービスを開始した。サービス開始時、「学校に行きたくても学費が払えなくて学校に行けない」という文をサイトに掲載させていた[14]。
- 2012年5月19日、サービス開始から55時間で目標金額を達成した[15]。
- 2012年5月23日、studygiftと早稲田大学が直接話し合うことになった。ここで初めて、この女性が既に退学しているという事実が判明した。早稲田大学は、J-CASTニュースの取材に対し「退学した学生についてこちらからは回答しない」とコメントした。studygiftのサイト上に「彼女が退学済みであったこと」、「再入学が却下された場合は全額を支援者に返金する。」などの事実が公表される[14]。
- 2012年5月28日、studygiftサイト上で、集めた支援金の全額返金を発表した[16]。
- 2012年6月6日、studygift運営者のヨシナガに元学生と同居している疑惑が浮上。ヨシナガは「ルームシェア」と説明している[17]。
事実関係の把握後、家入は、メディアや支援者からの全ての質問に答えるなど事態の収束に奔走した[13]。
今回の事例について、弁護士の太田真也[18]は「退学状態にあったことや、再入学についての説明が不十分であったことは否定できないと思います。特に再入学できない可能性が明らかになった後もその点を明確に説明せず支援を集め続けた点は、かなり問題があると思います」と、この時のstudygiftの問題点を指摘した。これに対して、ヨシナガは「復帰できない可能性を承知で支援金を募り続けるという意図はまったくありませんでしたが、返信を急ぐあまり、18日に坂口さんと大学間で行われたという話し合いについて、当初用意していた特別スポンサー様宛へのメールに詳しくご説明を盛り込むことができなかったのは完全にこちらのミスになります」とコメントした[19]。
炎上後の運営
編集studygiftは、改善点を生かし、支援を受けたい学生はまずエントリーシートを送付し、その後「トラ選考」という名の面接を通過して、はじめてstudygift掲載となる、という形にリニューアルされ運営されていたた。選考フローや財務面についても説明を行った[20]。その後同サイトは閉鎖[21]。
2019年には「studygiftの再挑戦」「studygift 2.0」として株式会社Crono取締役就任を表明している[22]。
政治活動
編集2014年東京都知事選挙
編集2014年2月9日投開票の2014年東京都知事選挙に立候補。従来の選挙とは異なるインターネット選挙に取り組み、都知事選の供託金300万円をクラウドファンディングで集めた[23](最終的に集まった額は、7,447,500円)。当初は街頭演説を行わず、選挙事務所も持たず、ツイキャスなどによるネット演説を多用し、政策のすべてをTwitterで公募した[24]。選挙事務所は途中で構え、街頭にも立ったが、ネット中心の活動を街頭にも広げた形だった。結果は88,936票を獲得するも16人中5位で落選した。
インターネッ党
編集2014年2月10日、新しい政治団体「インターネッ党」を立ち上げることを表明した。2020年までに、東京23区の全ての区長選挙に候補者を擁立することを目指していたが一人も候補者を立てることなく活動を停止している[25]。賛同者には、実業家の堀江貴文、「ロンドンブーツ1号2号」の田村淳、ジャーナリストの堀潤、安藤美冬、評論家の宇野常寛が、名を連ねている[5]。
主な出演作品
編集- 新世代が解く!ニッポンのジレンマ (2014年1月1日、NHK Eテレ)
- ワールドビジネスサテライト(テレビ東京)
- NEWS23(TBS)
受賞歴
編集著書
編集- 『こんな僕でも社長になれた』(ワニブックス、2007年 新装版(イースト・プレス、2012年
- 『もっと自由に働きたい= Live in liberty とことん自分に正直に生きろ。(U25シリーズ)』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2012年
- 『お金が教えてくれること マイクロ起業で自由に生きる』大和書房 2013
- 『15歳から、社長になれる。 ぼくらの時代の起業入門 (よりみちパン! セ)』(イースト・プレス、2013年) ISBN 4781690610
- 『バカ、アホ、ドジ、マヌケの成功者』(サンクチュアリ・パブリッシング、2013年) ISBN 4861133718
- 『世界が変わる時、変えるのは僕らの世代でありたい。』NORTH VILLAGE 2014
- 『ぼくらの未来のつくりかた』双葉社 2014
- 『我が逃走』(平凡社、2015年5月) ISBN 4582824773
- 『さよならインターネット まもなく消えるその「輪郭」について』中公新書ラクレ 2016
- 『なめらかなお金がめぐる社会。あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。』ディスカヴァー・トゥエンティワン 2017
共著
編集- 『ぜんぜん気にしない技術』森田正康共著(クロスメディア・パブリッシング、2013年12月) ISBN 484437334X
- 『絶望手帖』発案 絶望名言委員会編集 青幻舎 2016
脚注
編集- ^ “「ぜったいうまくいかない」とずっと言われてきたけれど”. ほぼ日刊イトイ新聞. (2024年9月22日) 2024年9月23日閲覧。
- ^ 『こんな僕でも社長になれた』、家入一真、p93
- ^ a b “家入 一真 | THE ROOTS”. 2020年11月30日閲覧。
- ^ “2014東京都知事選 候補者一覧”. 朝日新聞. (2013年1月23日) 2014年1月23日閲覧。
- ^ a b “家入一真氏が「インターネッ党」設立 東京23区の全区長選に候補者擁立へ”. The Huffington Post. (2014年2月10日) 2014年6月10日閲覧。
- ^ “東京証券取引所マザーズへの上場に関するお知らせ”. BASE, Inc. (2019年10月24日). 2020年11月30日閲覧。
- ^ Forbes Japan. “Forbes日本の起業家ランキング2020”. 2020年11月25日閲覧。
- ^ ITmedia News (2006年3月20日). “ひきこもりから IT社長に “paperboy”の軌跡”. 2010年5月3日閲覧。
- ^ J-CASTテレビウォッチ (2006年3月20日). “家入明子「夫・家入一真とかなり前に離婚してます。言いそびれていました」”. 2015年5月1日閲覧。
- ^ [1] studygiftトップページ
- ^ studygift
- ^ ネタりか普通の女子大生がなぜ、Google+で「日本一」になったのか
- ^ a b studygift債権者説明会
- ^ a b J-Castニュース2012年5月25日 「お金下さい!」女子学生に批判集中 「学費集め」サービス、第1号で早くも挫折
- ^ [2]studygiftサポーター会議議事録2ページ
- ^ [3]studygiftサポーター会議議事録3ページ
- ^ J-Castニュース 2012年6月6日 女子学生との「交際疑惑」などについて 学費支援のstudygift運営者が釈明
- ^ 神田のカメさん法律事務所
- ^ ねとらぼ2012年5月25日studygiftはなぜ暴走したか 「説明不足」では済まされない疑念、その中身
- ^ 学費支援プラットフォーム「studygift」が再始動 “炎上”の反省踏まえ、選考フローや財務面を透明化 - ねとらぼ 2013年10月22日配信
- ^ “大炎上から閉鎖に追い込まれた家入一真の「studygift」が復活”. KAI-YOU.net | POP is Here . (2013年10月22日). 2024年9月24日閲覧。
- ^ “Twitter”. 2024年9月25日閲覧。 “このCronoはかつて立ち上げたstudygiftの再挑戦、studygift 2.0と僕は位置付けてます。studygiftは、経済的な理由で学ぶ機会を得られない若い子たちへの学費を、クラウドファンディングで集める仕組みでした。今でもその本質的な想いは変わっておらず、再度挑戦したい。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000043733.html”
- ^ ホリエモンからの借金も楽々返済…家入氏に集まる人と金 - dot. 2014年2月5日配信
- ^ 家入一真に聞く「都知事になって何をしたいの?」異例の選挙戦術、具体的政策は対話で - Business jounal 2014年2月5日配信。
- ^ “家入一真氏のインターネッ党はどうなった? 中野区長選で候補者擁立せず”. 2018年7月12日閲覧。
- ^ Webクリエーション・アウォード. “第5回Webクリエーション・アウォード受賞者”. 2010年4月11日閲覧。
- ^ Amazon.co.jpアソシエイト・プログラム (2007年5月16日). “第1回アソシエイトコンテスト 受賞サイト”. 2010年5月3日閲覧。
- ^ Forbes Japan. “Forbes日本の起業家ランキング2020”. 2020年11月25日閲覧。
関連項目
編集- 鶴岡裕太 - 共同創業者。