大阪市役所
大阪市役所(おおさかしやくしょ)は、地方公共団体である大阪市の執行機関またはそれが入居する施設(大阪市庁舎)である。職員数は35,400人(2023年4月1日現在)[2]。
大阪市役所 | |
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情報 | |
用途 | 大阪市行政の中枢施設 |
設計者 | 日建設計 |
建築主 | 大阪市 |
事業主体 | 大阪市 |
管理運営 | 大阪市 |
構造形式 | 鉄筋コンクリート構造 |
敷地面積 | 12,815 m² |
建築面積 | 6,377 m² |
延床面積 | 75,010 m² |
階数 | 地上9階(8階+P1階)[1]、地下4階 |
高さ | 50.5m |
竣工 | 1982年(第1期)、1986年(第2期) |
所在地 |
〒530-8201 大阪府大阪市北区中之島1-3-20 |
位置 | 北緯34度41分37.5秒 東経135度30分6.2秒 / 北緯34.693750度 東経135.501722度座標: 北緯34度41分37.5秒 東経135度30分6.2秒 / 北緯34.693750度 東経135.501722度 |
概要
現在の大阪市役所本庁舎(大阪市庁舎)は4代目市庁舎で、先代の3代目市庁舎から大阪市北区中之島の現在地に位置している。御堂筋の東側に位置し、御堂筋の西側に位置する日本銀行大阪支店(旧館)に対面する。市役所の東側には大阪府立中之島図書館、大阪市中央公会堂、大阪市立東洋陶磁美術館がある。
大阪シティバスと大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)が淀屋橋停留所と淀屋橋駅をそれぞれ「市役所前」と案内することから、淀屋橋は市役所の代名詞のように用いられることもある。淀屋橋停留所は淀屋橋(市役所前)・淀屋橋(東)・淀屋橋(西)の3ヶ所に分かれているが、このうち淀屋橋(市役所前)は文字通り市役所前に設置されている。淀屋橋駅は橋梁の淀屋橋南詰(船場側)に位置しており、橋梁の大江橋南詰(中之島側)に位置する大江橋駅のほうが市役所に近い。かつての大阪市電の停留場も同じ位置関係にあり、淀屋橋停留場より大江橋停留場のほうが市役所に近かった。
旧庁舎
三市特例が廃止された翌年の1899年、現在の大阪市西区江之子島2丁目にあった大阪府庁舎(2代目府庁舎)の北側の江之子島1丁目に初代市庁舎が設置され(跡地は関西マツダ阿波座店など)、1912年に現在の大阪市北区堂島3丁目に2代目市庁舎が設置された(跡地はNTTテレパーク堂島第一ビルなど)。
初代市庁舎も2代目市庁舎も木造の仮庁舎だった。初代市庁舎時代の1911年に大阪市会は新庁舎を中之島に建設することを決議しており、1921年に中之島の現在地に竣工した3代目市庁舎は、塔屋までの高さ約56mと、当時は市内最高の高さだった。鉄筋5階建てで、中央にホールがあり、四方に玄関、正面玄関には4本の円柱が立ち、ルネッサンス風の塔は市の象徴となった。
中之島の敷地は当初は現在の敷地西側の約半分で、東側の約半分は豊國神社の境内地だった。その後、手狭になった市庁舎増設のため1961年に豊國神社が大坂城二の丸南曲輪へ遷座され、豊國神社跡地に市役所別館が建てられた。
3代目市庁舎(本館)は保存運動の甲斐なく解体されることとなり、1982年に別館跡地に4代目市庁舎第1期部分、1986年に本館跡地に4代目市庁舎第2期部分が竣工した。4代目市庁舎は半分に分けての建て替えだったため、現在でも屋根にその名残が残っている。また、市役所1階には「大阪市廳」と書かれた札が展示されている。
市政組織
公式サイト「大阪市の全組織」(令和4年7月1日現在)[3]による。
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かつては交通局などの局も設置されていたが、このうち交通局については、2018年4月1日に事業を新設会社の大阪市高速電気軌道(市営地下鉄・新交通システム事業)と、既存会社の大阪シティバス(市営バス事業)に譲渡して廃止された[4]。
特徴
大阪市内の都市計画を主に進めていたのも大阪市役所である。これは政令指定都市制度を根拠としたものである。ただ、府から市への権限移譲・税源移譲が中途半端であったため、のちに二重行政の弊害を生んだ。市営交通(大阪市交通局)については市営モンロー主義も参照。 組織の中枢となる幹部職員を京都大学[5]、大阪大学や大阪市立大学の出身者を中心に固め、中央省庁との人事交流が少ない。そのため、「中之島モンロー主義」と揶揄されることもある
特に、土木技術職の副市長・局長級といった幹部ポストは京都大学工学部卒業生で多くを占められている。
1980年代
1980 - 1989年、大阪市の職員による、カラ残業という不正が発覚。大阪市役所は、約280億円カラ残業代を支出。市民団体が提訴。1998年に控訴審に入り、市の現職幹部が追還することで和解。大阪市は二度と違法支出しないと誓約をした[6]。
1990年代
1999年12月、市民グループが大阪市役所の総務局長(当時)に対して、起こした退職金返還訴訟判決が、大阪高裁において、下された。裁判官は「(1989年)当時の大阪市役所は、公金(税金)の規律が乱れに乱れていたことが窺える。こうした職場環境の中に入ると、通常の道義心を持っている人でも、その色に染まり、金銭感覚が麻痺して公金(税金)を私的に使用することに抵抗を覚えず、ごく当たり前のこととして受け入れる様になる」と指摘した[7]。
2000年代
2004年4-10月に行われた約4950件の残業が不適切だったことが明らかとなり、 大阪地検特捜部が、詐欺や虚偽公文書作成などの容疑などで、本格捜査に乗り出す方針を固めたという[6]。
2005年2月、大阪市職員に対して、「公費約300億円から、条例にないヤミの退職金や年金が支給されていた」「約100億円に上る、職員の生命共済の掛け金を全額税金で支払っていた」ことが発覚した後、大阪市民から「税金泥棒! 大阪市民に謝罪せえ」「市役所は大阪市から出ていかんかい」といった抗議の電話がかかり続けていた。しかし、大阪市職員は「どんどん福利厚生や手当がなくなって小遣いが減る。これからホンマに『スーツの支給』が必要になるんちゃうかな」と懲りていなかったという[8]。
2005年3月30日、「勤務実態がないのに残業手当を受け取った」市職員6331人に対し、処分を下したが、大半は文書訓告や口頭注意に留まり、「大阪市役所の身内に甘い」と指摘される体質が浮き彫りになった報じられた[9]。
2008年2月12日、大阪市職員が、カラ残業への協力を拒んだ同僚に暴行を加え、傷害容疑で逮捕された事件が発生し、カラ残業の全庁調査が行われた[10]。
2008年6月、裏金として4億7900万円が認定された。しかし、大阪市役所は、「職員の個人名義の口座で資金を管理するなど手続きの不適正さは認めながら、裏金ではない」と報告書において、結論付けたという[11]。
2010年以降
2012年1月、市職員が、2011年大阪市長選挙において、平松邦夫を応援する打ち合わせメールを、業務用メールで送っていたが判明。また、市議らが、職員採用で口利きをしていた疑いが新たに判明した。市議や組合役員の名前を消した跡が、採用時の履歴書から多数見つかったという[12]。
大阪市役所の学閥について
第18代大阪市長の平松邦夫は、大阪市役所に京土会の学閥があったと語っている。
平松は「役所の計画調整局に関係する事業でも、建設局や港湾局に関係する事業でも、何でこんなものを造ったのかと思うものは、ほとんど京土会が造ってきたからだ。山ほど不要なものを造り、負の遺産として残っている。お金がいっぱいあったときは、埋めたら土地が売れた。こうした流れの中で、市役所内で実力者になってしまった方が何人かいた。土木系の副市長は歴代必ずいたが、私は建築系の人に変えた。流れを一度止めるためだ。」と述べている[13]。
しかし、2023年現在でもなお土木技術職の副市長、建設局長、大阪都市計画局長といった最高幹部クラスのポストは京土会出身者で占められている[14][15]。
脚注
- ^ 大阪市市政 職員の任免及び職員数の状況
- ^ “1 職員の任免及び職員数の状況”. 大阪市. 2022年4月28日閲覧。
- ^ 大阪市の全組織
- ^ 大阪市:平成30年4月1日に、大阪市交通局は民営化しました。 (…>交通>お知らせ)
- ^ 一ノ宮美成 (2006). 大阪・役人天国の果てなき闇. 講談社. p. 127~128. ISBN 978-4-062-13723-2
- ^ a b “大阪市職員厚遇 カラ残業「悪質」公金詐取容疑 刑事責任追及へ”. 毎日新聞. (2005年1月27日)
- ^ 一ノ宮美成 (2006). 大阪・役人天国の果てなき闇. 講談社. p. 114. ISBN 978-4-062-13723-2
- ^ “ スーツも生保掛け金も 大阪市役所ヤミ公費300億円”. 朝日新聞. (2005年2月28日). オリジナルの2005年3月5日時点におけるアーカイブ。 2005年3月5日閲覧。
- ^ “カラ残業で6300人処分 大阪市、大半は訓告や注意”. 朝日新聞. (2005年3月30日). オリジナルの2005年4月1日時点におけるアーカイブ。 2005年4月10日閲覧。
- ^ “大阪市、カラ残業を全庁調査 職員逮捕受け緊急に指示”. 朝日新聞. (2008年2月12日). オリジナルの2008年2月14日時点におけるアーカイブ。 2008年2月14日閲覧。
- ^ “大阪市裏金「プール金ほとんど裏金ではない」…平松市長の判断いかに?”. 朝日新聞. (2008年6月5日). オリジナルの2008年6月8日時点におけるアーカイブ。 2008年6月8日閲覧。
- ^ “職員採用に議員口利きか 大阪市環境局で、第三者調査”. 日本経済新聞. (2012年3月2日)
- ^ “大阪府はいらない、道州制が一番良い” (PDF). 自治体維新 (2011年7月4日). 2015年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月7日閲覧。
- ^ 大阪市副市長プロフィール大阪市副市長プロフィール
- ^ 2023年度大阪市建設局長 寺川孝プロフィール2023年度大阪市建設局長 寺川孝プロフィールP.19
関連項目
外部リンク
- 大阪市役所本庁舎のご案内 - 大阪市公式サイト