多賀城駅

宮城県多賀城市中央にある東日本旅客鉄道の駅

多賀城駅(たがじょうえき)は、宮城県多賀城市中央2丁目[1]にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)仙石線である。

多賀城駅
南口(2024年4月)
たがじょう
Tagajō
中野栄 (2.3 km)
(1.8 km) 下馬
地図
所在地 宮城県多賀城市中央2丁目[1]
北緯38度17分30.29秒 東経141度0分22.55秒 / 北緯38.2917472度 東経141.0062639度 / 38.2917472; 141.0062639座標: 北緯38度17分30.29秒 東経141度0分22.55秒 / 北緯38.2917472度 東経141.0062639度 / 38.2917472; 141.0062639
所属事業者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
所属路線 仙石線
キロ程 12.6 km(あおば通起点)
電報略号 タウ
駅構造 高架駅[2]
ホーム 2面3線[2]
乗車人員
-統計年度-
5,595人/日(降車客含まず)
-2023年-
開業年月日 1925年大正14年)6月5日[1][3]
備考
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北口(2017年8月)

歴史

 
高架化前の多賀城駅(現在の南口)

仙石線の前身である宮城電気鉄道は1925年(大正14年)6月5日に仙台駅から西塩釜駅まで路線を開通させた。当駅はこの時に同時に開業したものである。当時、駅前に砂押川を利用した遊園地が設けられたり、また納涼盆踊り大会が開かれたりして賑わったという。宮城電気鉄道は貨物の運搬も行う鉄道で、多賀城駅は貨物取扱駅だった。年によって貨物の取扱量には著しい差があり、当時の多賀城村の社会情勢や経済状況がそのまま駅の貨物量に反映したのだろうと言われる[4]

1999年度(平成11年度)より多賀城駅とその周辺では、総事業費約128億円の連続立体交差事業[注 1][5]、および、総事業費約80億円の土地区画整理事業[注 2]が施行された[6][7]。この連続立体交差事業は、中野栄駅 - 多賀城駅 - 下馬駅の区間のうち約1.8キロメートルを高架化するとともに4箇所の踏切を廃止するものであり、2006年(平成18年)5月に安全祈願祭が行われ本格的な工事が始まった。2007年(平成19年)5月20日に下り線が仮設線に切り替えられ、同年12月2日に上り線も仮設線に切り替えられた。これに伴い駅舎から仮設ホームまで仮設通路が設置され、旧来のホームの使用はそれぞれ停止された。

まず上り線が2009年(平成21年)11月29日の始発列車から高架新線に切り替えられた[報道 1]。当初の全面使用開始は2011年(平成23年)の予定[8]であったが、東北地方太平洋沖地震東日本大震災)の影響で遅れが生じた。下り線の高架線への切替は2012年(平成24年)4月8日に行われたが[報道 2]、この時、下り線は多賀城駅部分において完成時に中線(2番線)となる線路を暫定的に使用した。下り本線となる新3番線および新駅舎は2013年(平成25年)11月17日に完成した[9]。これによって線路の配線は工事前と同様の2面3線となったが、ホームの配置は以前と異なるものとなった[注 3]

当駅では元々、一部の列車の折り返しが行われていた。連続立体交差事業の工事期間中は、当駅で列車の折り返しができないため、当駅止まりの下り列車は東塩釜駅まで回送され折り返し東塩釜始発の上り列車に、東塩釜止まりの下り列車は当駅まで回送されて始発の上り列車になる車両運用となった。こうした運用は高架化完了後の2014年(平成26年)3月14日まで続けられ、翌日のダイヤ改正から2番線を使った列車の折り返しが再び行われるようになった。

年表

駅構造

島式ホーム1面2線(1・2番線)と単式ホーム1面1線(3番線)、計2面3線のホームを持つ高架駅である[2]。構内配線は、外側の上下本線の間に1本の待避線を挟む、いわゆる国鉄式である。

仙台統括センターの直営駅駅長・副長配置)で、管理駅として仙石線の陸前高砂駅 - 陸前富山駅の各駅を管理している。

みどりの窓口自動券売機、多機能券売機[1]指定席券売機[1]自動改札機SuicaえきねっとQチケ対応)、自動精算機が設置されている。新駅舎移転に合わせて、改札・みどりの窓口が一体化された。以前はびゅうプラザもこの場所にあった。

入居施設は、多賀城市観光協会が運営する「史都多賀城駅観光案内所」[13]のほか、商業施設として改札内にコンビニエンスストアNewDays[注 4][14]、改札外に商業施設「tekuteたがじょう」[15](旧・「Ekito.Tagajo」(エキト多賀城)[11])飲食店「たんや善治郎多賀城駅店」[16]、ベーカリーカフェ「ドンクエディテ」(東北初出店[新聞 2])、野菜・惣菜「花京院市場 多賀城駅店」)がある。

のりば

番線 路線 方向 行先
1・2 仙石線 上り 仙台あおば通方面[17]
3 下り 本塩釜松島海岸石巻方面[17]
  • 2番線は当駅始発上り列車が使用する。

利用状況

JR東日本によると、2023年度(令和5年度)の1日平均乗車人員5,595人である[JR 1]

2000年度(平成12年度)以降の推移は以下のとおりである。

1日平均乗車人員推移
年度 定期外 定期 合計 出典
2000年(平成12年) 2,914 5,049 7,963 [JR 2][多賀城 1]
2001年(平成13年) 2,861 5,003 7,864 [JR 3][多賀城 1]
2002年(平成14年) 2,659 4,818 7,477 [JR 4][多賀城 1]
2003年(平成15年) 2,486 4,778 7,264 [JR 5][多賀城 1]
2004年(平成16年) 2,440 4,722 7,162 [JR 6][多賀城 1]
2005年(平成17年)     7,195 [JR 7][多賀城 1]
2006年(平成18年)     7,126 [JR 8][多賀城 1]
2007年(平成19年)     7,116 [JR 9][多賀城 1]
2008年(平成20年)     7,061 [JR 10][多賀城 1]
2009年(平成21年)     6,781 [JR 11][多賀城 1]
2010年(平成22年)     6,389 [JR 12][多賀城 1]
2011年(平成23年) 非公表 [多賀城 2]
2012年(平成24年) 2,032 4,014 6,046 [JR 13][多賀城 2]
2013年(平成25年) 2,080 4,255 6,335 [JR 14][多賀城 2]
2014年(平成24年) 2,143 4,259 6,402 [JR 15][多賀城 2]
2015年(平成27年) 2,250 4,457 6,708 [JR 16][多賀城 2]
2016年(平成28年) 2,465 4,580 7,045 [JR 17][多賀城 2]
2017年(平成29年) 2,538 4,600 7,139 [JR 18][多賀城 2]
2018年(平成30年) 2,562 4,639 7,201 [JR 19][多賀城 3]
2019年(令和元年) 2,477 4,633 7,110 [JR 20][多賀城 3]
2020年(令和02年) 1,460 3,432 4,892 [JR 21][多賀城 3]
2021年(令和03年) 1,667 3,622 5,290 [JR 22][多賀城 3]
2022年(令和04年) 1,917 3,940 5,857 [JR 23][多賀城 3]
2023年(令和05年) 2,007 3,588 5,595 [JR 1]

駅周辺

南口
北口

バス路線

「多賀城駅前」停留所にて、以下の路線バスが発着する。

隣の駅

東日本旅客鉄道(JR東日本)
仙石線
中野栄駅 - 多賀城駅 - 下馬駅

脚注

記事本文

注釈

  1. ^ 仙塩広域都市計画 都市高速鉄道3号 東日本旅客鉄道株式会社仙石線 多賀城地区連続立体交差事業(2014年度〈平成26年度〉まで)。
  2. ^ 仙塩広域都市計画事業 多賀城駅周辺土地区画整理事業(2012年度〈平成24年度〉まで)。
  3. ^ 地平駅だった当時は1番線が単式で、2・3番線が島式ホームだった。高架化後は1・2番線が島式で、3番線が単式ホームである。
  4. ^ 改札外からの利用も可能。

出典

  1. ^ a b c d e f 駅の情報(多賀城駅):JR東日本”. 東日本旅客鉄道. 2024年8月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年10月4日閲覧。
  2. ^ a b c d 『週刊 JR全駅・全車両基地』 13号 仙台駅・船岡駅・松島海岸駅ほか70駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2012年11月4日、26頁。 
  3. ^ a b c d e f 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、476頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  4. ^ 『多賀城市史』278-279頁。
  5. ^ 多賀城地区連続立体交差事業が完了しました。” (PDF). 宮城県 (2014年10月30日). 2015年4月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年4月4日閲覧。
  6. ^ 多賀城駅周辺整備計画”. 多賀城市. 2012年6月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年10月4日閲覧。
  7. ^ 大学祭あおば「研究テーマ:仙石線」 (PDF) - 東北大学鉄道研究会
  8. ^ 進行中の建設プロジェクト”. 東日本旅客鉄道. 2011年3月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年10月4日閲覧。
  9. ^ a b JR仙石線多賀城駅整備完了記念の催しが開催されます” (PDF). 多賀城市 (2013年11月13日). 2013年12月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年10月4日閲覧。
  10. ^ 平成22年第4回多賀城市議会定例会会議録(第3号)」多賀城市議会、2010年12月14日。2016年1月15日閲覧。「9番(板橋惠一議員)に対する市長(菊地健次郎)の答弁「昨年11月29日の始発から上り線が高架に切りかわり、本年2月14日にはエスカレーターも稼働しておりまして、」」
  11. ^ a b 『Ekito.Tagajo』(エキト多賀城) 12月20日(土)オープン 【JR仙石線多賀城駅】”. JR東日本東北総合サービス. 2015年4月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月27日閲覧。
  12. ^ 駅の情報(多賀城駅):JR東日本”. 東日本旅客鉄道. 2019年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年10月4日閲覧。
  13. ^ 観光案内所がリニューアルオープンします!”. 多賀城市観光協会 (2013年11月8日). 2013年12月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年12月23日閲覧。
  14. ^ 店舗一覧 | エキナカポータル | 店舗検索”. JR東日本クロスステーション. 2024年10月4日閲覧。
  15. ^ tekuteたがじょう(2024年2月11日閲覧)
  16. ^ たんや善治郎多賀城駅店(2024年2月11日閲覧)
  17. ^ a b JR東日本:駅構内図・バリアフリー情報(多賀城駅)”. 東日本旅客鉄道. 2024年10月4日閲覧。
  18. ^ 仙台港のご案内 - 太平洋フェリー(2013年12月23日閲覧)
  19. ^ 移転:多賀城郵便局(宮城県)”. 日本郵便 (2023年10月2日). 2023年11月26日閲覧。

報道発表資料

  1. ^ a b 「仙石線多賀城駅付近連続立体交差化事業」の新上り線切替工事に伴う特別ダイヤによる運転について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道仙台支社、2009年10月15日。オリジナルの2013年12月3日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20131203034415/http://www.jr-sendai.com/doc/20091015134550.pdf2024年10月4日閲覧 
  2. ^ a b 「仙石線多賀城地区連続立体交差事業」の線路切換工事に伴う高架化と特別ダイヤによる運転について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道仙台支社、2012年2月23日。オリジナルの2012年6月17日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20120617132539/http://www.jr-sendai.com/doc/20120223a.pdf2024年10月4日閲覧 
  3. ^ 2003年10月26日(日)仙台エリアSuica(スイカ)デビュー!』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2003年8月21日。オリジナルの2020年5月26日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200526144246/https://www.jreast.co.jp/press/2003_1/20030806.pdf2020年5月26日閲覧 
  4. ^ Suicaエリア外もチケットレスで! 東北エリアから「えきねっとQチケ」がはじまります』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2024年7月11日。オリジナルの2024年7月11日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20240711051550/https://www.jreast.co.jp/press/2024/20240711_ho02.pdf2024年8月11日閲覧 

新聞記事

  1. ^ 「仙石線営業体制近代化 順調に移行」『交通新聞』交通協力会、1970年9月5日、1面。
  2. ^ a b エキト多賀城オープン 個性派3店にぎわう」『河北新報』2014年12月21日。オリジナルの2015年3月24日時点におけるアーカイブ。2014年12月27日閲覧。

利用状況

JR東日本
多賀城市統計書
  1. ^ a b c d e f g h i j k 10.運輸・通信” (PDF). 平成22年度版統計書. 多賀城市. 2019年2月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年10月4日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g 10.運輸・通信” (PDF). 平成29年度版統計書. 多賀城市. 2019年2月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年10月4日閲覧。
  3. ^ a b c d e 10.運輸・通信” (PDF). 令和4年度版統計書. 多賀城市. 2024年9月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年10月4日閲覧。

参考文献

  • 多賀城市史編纂委員会 『多賀城市史』第2巻 近世・近現代 多賀城市、1993年。

関連項目

外部リンク