国鉄タキ2600形貨車
国鉄タキ2600形貨車(こくてつタキ2600がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車(タンク車)である。
国鉄タキ2600形貨車 | |
---|---|
タキ2600形、コタキ22680 1987年2月22日、黒磯駅 | |
基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 |
日本国有鉄道 日本貨物鉄道(JR貨物) |
製造所 | 三菱重工業、日立製作所、汽車製造、日本車輌製造、新潟鐵工所、富士重工業、造機車輌、川崎車輛、富士車輌 |
製造年 | 1953年(昭和28年) - 1956年(昭和31年) |
種車 | タ300形、タ580形、タム2300形、タキ400形、タキ1400形、タキ2800形 |
常備駅 | 酒田港駅、青海駅、二本木駅他 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
専用種別 | カセイソーダ液 |
化成品分類番号 | 侵81 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 9,100 mm - 9,900 mm |
全幅 | 2,380 mm |
全高 | 3,655 mm |
タンク材質 | 普通鋼(一般構造用圧延鋼材) |
荷重 | 30 t |
実容積 | 17.0 m3 - 22.8 m3 |
自重 | 15.9 t - 19.1 t |
換算両数 積車 | 4.5 |
換算両数 空車 | 1.6 |
台車 | TR41A、TR41C、TR41DS-4、TR41D-2、TR41D-4 |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 1,650 mm |
台車中心間距離 | 5,000 mm - 5,800 mm |
最高速度 | 75 km/h |
概要
編集本形式は、カセイソーダ液専用の30t 積タンク車として1953年(昭和28年)1月28日から1956年(昭和31年)5月31日にかけて522両(コタキ2600 - コタキ2699、コタキ12600 - コタキ12699、コタキ22600 - コタキ22699、コタキ32600 - コタキ32625、コタキ32627 - コタキ32699、コタキ42600 - コタキ42699、コタキ52600 - コタキ52620、コタキ26000、コタキ26001)が三菱重工業、日立製作所、汽車製造、日本車輌製造、新潟鐵工所、富士重工業、造機車輌、川崎車輛、富士車輌の9社にて製作された。この522両の内には多数の他形式(タ300形、タ580形、タム2300形、タキ400形、タキ1400形、タキ2800形)からの改造編入車が含まれている。また逆に本形式から多数の車が種車となり他形式(タキ2800形、タキ200形(2代))に改造された。
記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「コタキ」と標記する。
本形式の他にカセイソーダ液を専用種別とする貨車はタム900形(130両)、タキ1400形(104両)、タキ2800形(332両)、タキ7750形(289両)等実に29形式が存在し、その中で本形式は最多両数形式であった。
1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「侵81」(侵食性の物質、腐食性物質、危険性度合2(中))が標記された。
ドーム付き直円筒型のタンク体は、普通鋼(一般構造用圧延鋼材、SS41現在のSS400)製で内部に純度保持のためのゴムライニング(一部車両はエポキシ樹脂塗装)が施され、断熱材を巻きキセ(外板)を装備した。荷役方式はタンク上部のマンホール又は液出入管からの上入れ、液出管と空気管使用による上出し方式であり、両管はS字管を装備している。
車体色は黒色、寸法関係は全長は9,100mm - 9,900mm、全幅は2,380mm、全高は3,655mm、台車中心間距離は5,000mm - 5,800mm、実容積は17.0m3 - 22.8m3、自重は15.9t - 19.1t、換算両数は積車4.5、空車1.6であり、台車はベッテンドルフ式のTR41A、TR41C、TR41DS-4、TR41D-2、TR41D-4である。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には387両の車籍がJR貨物に継承され、2010年(平成22年)4月1日現在4両が在籍している。[1]
参考文献
編集- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)
脚注
編集- ^ 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』No.840 増刊 鉄道車両年鑑 p.107