呉美保
呉 美保(お みぽ、오미보、1977年3月14日 - )は日本で活動する韓国国籍の映画監督、脚本家、CMディレクター。三重県伊賀市出身。
お みぽ 呉 美保 | |||||||||||
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生年月日 | 1977年3月14日(47歳) | ||||||||||
出生地 | 日本・三重県伊賀市 | ||||||||||
国籍 | 韓国[1] | ||||||||||
職業 | 映画監督・脚本家・CMディレクター | ||||||||||
ジャンル | 映画・テレビドラマ・CM | ||||||||||
活動期間 | 1998年 - | ||||||||||
配偶者 | 既婚(2014年 - ) | ||||||||||
公式サイト | 呉美保 公式ウェブサイト | ||||||||||
主な作品 | |||||||||||
映画 『酒井家のしあわせ』 『オカンの嫁入り』 『そこのみにて光輝く』 『きみはいい子』 | |||||||||||
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来歴
編集三重県伊賀市(旧上野市)生まれ[2]。三重県立名張桔梗丘高等学校、大阪芸術大学芸術学部映像学科卒業。同期に山下敦弘、寺内康太郎、柴田剛がいる。
大学4年に在学中の1998年、CMや映像関係会社への入社を目指しての就職活動が難航する中で、ぼけが始まった祖父の記録をホームビデオで撮影した映像を大学の機材を使って編集した3分の短編『ハラブジ』が北海道・芦別で開催された大林宣彦主宰の映画祭「星の降る里芦別映画学校」で審査員賞を受賞。パーティー会場で大林に「映画の現場を見せてください」と直訴し、大学卒業後に大林を頼って上京する[3]。
1999年、大林宣彦の事務所「PSC」に助監督見習いとして入社し、映画界入り。後にスクリプターとして撮影現場で大林の演出を目の当たりにすることで、映画監督という職業に強い関心を持ち始める[4]。映画制作に携わるかたわらで、自ら監督した短編映画『湯布院源流太鼓』で2001年長岡アジア映画祭第3回長岡インディーズムービーコンペティションにてグランプリを受賞。3作目の短編映画『め』で2002年のショートショートフィルムフェスティバルに入選。第二作『ハルモニ』で2003年東京国際ファンタスティック映画祭デジタルショート600秒にて最優秀賞受賞。
2004年よりPSCを退社しフリーのスクリプターとして活動する傍らで執筆した初の長編脚本『ヨモヤマブルース』が2005年サンダンス・NHK国際映像作家賞を受賞。翌2006年に『酒井家のしあわせ』と改題して出身地の伊賀市をロケ地に映像化し、映画監督としてデビューを飾る。また、同脚本をもとに執筆した小説『酒井家のしあわせ』により小説家としてもデビュー。2010年には脚本・監督を手がけた2作目の長編映画『オカンの嫁入り』で新藤兼人賞金賞を受賞[5]。2014年には3作目の長編映画『そこのみにて光輝く』で第38回モントリオール世界映画祭ワールド・コンペティション部門にて最優秀監督賞を受賞する[6]など国内外の各賞を受賞、また第87回アカデミー賞外国語映画賞部門への出品作品にも選出される[7]。2015年には4作目となる長編映画『きみはいい子』が公開された。
2008年からはCMディレクターとしても活動し、堀北真希が主演する2013年、2014年の東京メトロの企業CM「Color your days.」[8]など多くのCM作品を手がけている。
私生活では、自身が演出を手がけたCMで知り合った1歳年上の広告代理店のCMプランナーと2014年12月3日に結婚[9]。2015年5月29日に第1子となる男児を出産した[10][11]。
人物
編集在日韓国人3世[12]。韓国語は話せない[13]。実家は伊賀市で焼肉店を営む。高校までは通名(日本名)を名乗っていたが、人権教育を担当していた名張桔梗丘高校の恩師の勧めにより、高校卒業後は本名を名乗るようになる[14]。
2015年2月、ブルーリボン賞授賞式時に、妊娠7か月であることと39歳の一般男性と結婚したことを明らかにした[15]。
作品
編集映画
編集- 告別(2001年、スクリプター)
- なごり雪(2002年、スクリプター)
- ハルモニ(2003年、監督)
- 酒井家のしあわせ(2006年、原作・脚本・監督)
- ハチミツドロップス(2009年、脚本)
- DOR@MO THE MOVIE「I Love You」(2009年、監督)
- オカンの嫁入り(2010年、脚本・監督)
- サビ男サビ女(2011年、「くれえむないと!」監督)
- そこのみにて光輝く(2014年、監督)※第88回キネマ旬報ベスト・テン 1位
- きみはいい子(2015年、監督)※第89回キネマ旬報ベスト・テン 10位
- ぼくが生きてる、ふたつの世界(2024年、監督)
短編映画
編集- めでたいヤツららら〜豊岡市PR映画〜(2012年、監督)
- 私の一週間(公開日未定、監督)※「Tell It Like A Woman」中の一篇[16]
テレビドラマ
編集- DRAMATIC-J「ノンノンフィクション」(2008年、関西テレビ、共同脚本・監督)
- Friend-Ship Project〜君が教えてくれた夢〜(2011年、テレビ東京、脚本・監督)
- 青春アルゴリズム(2012年12月24日、テレビ東京、監督)
WEBドラマ
編集- ケータイ音楽ドラマ DOR@MO『SunSet Swish「I Love You」』(共同脚本・監督)
- 東京ガス「東京ガスストーリー」(脚本・監督)
- エレクトロラックス「Café Scandinavia 」(脚本・監督)
ドキュメンタリー
編集ミュージック・ビデオ
編集CM
編集- KUMON「KUMON2008」
- 四国電力「事業紹介/電気・暮らし」
- 丸美屋
- ソフトふりかけ/さけ・ちりめん山椒・「のりたま」
- 釜めしの素 「がんばれる理由」(2017年)
- Google「未来のためのQ&A」
- Meiji Seika ファルマ 企業(2011年)
- エレクトロラックス Cafe Scandinavia(2011年、2012年) WEBムービー・CM
- ライオン 企業 「歯ぶらし家族」(2011年)
- シマンテック たいせつなもの 「愛情」「夢」「喜び」(2011年) WEBムービー・CM
- ボルテージ ベツカレ 「シンデレラ」「怪盗」(2012年)
- 花王 アタックNeo25周年 「365日の喜び・アタックNeo」(2012年)
- マクドナルド 朝マック 「早起きの女の子」(2013年)
- T&H SWEET DAYS(2013年) WEBムービー
- 積水ハウス 企業 「父の後悔」「子供の世界」(2013年)
- 東京メトロ 企業 「Color your days.」(2013年、2014年)[8]
- マイナビ マイナビ看護師 「二人三脚」(2014年)
- 三基商事 ミキプルーン 「謎とき」「ミキアスプリプラス」(2014年)
- イオン イオンリカー 「妻のヒミツ」「夫のヒミツ」(2014年)
- アサヒ飲料 三ツ矢サイダー/フルーツサイダー(2015年)
書籍
編集- 酒井家のしあわせ(2006年、竹書房文庫、ISBN 9784812429372)
受賞歴
編集- 2005年サンダンス・NHK国際映像作家賞(『酒井家のしあわせ』)
- 新藤兼人賞2010 金賞(『オカンの嫁入り』)
- 第38回モントリオール世界映画祭 最優秀監督賞(『そこのみにて光輝く』)
- 第88回キネマ旬報ベスト・テン 監督賞(2014年、『そこのみにて光輝く』)[17]
- 第69回毎日映画コンクール 監督賞(『そこのみにて光輝く』)[18]
- 第57回ブルーリボン賞 監督賞(『そこのみにて光輝く』)[19]
- 平成26年度芸術選奨文部科学大臣新人賞(『そこのみにて光輝く』)
- 第24回日本映画批評家大賞 監督賞(『そこのみにて光輝く』)
- 第29回高崎映画祭 最優秀監督賞(『そこのみにて光輝く』)
- 第10回おおさかシネマフェスティバル 監督賞(『そこのみにて光輝く』)
- 東京国際ファンタスティック映画祭デジタルショート600秒最優秀賞受賞(『ハルモニ』)
- 第16回TAMA映画賞 特別賞(『ぼくが生きてる、ふたつの世界』)[20]
脚注
編集- ^ "일본에서 태어났고, 한국국적입니다" [영화] 너는 착한 아이 오미보 감독 내한간담회 (YouTube). one cut. 16 March 2016.
- ^ 大西康裕 (2014年9月3日). “モントリオール世界映画祭:地元も祝福 伊賀出身・呉美保監督、最優秀監督賞を受賞 /三重”. 毎日新聞 2014年9月4日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 安永五郎 (2006年11月23日). “受賞の知らせの日、祖父が亡くなった 「誕生!女流監督編3」”. 日刊スポーツ 2014年3月5日閲覧。
- ^ 国領雄二郎 (2011年2月24日). “【インタビュー】『オカンの嫁入り』呉美保監督 -「様々な家族の形を映画で描いていきたい」 2 大林宣彦監督のスクリプターから映画監督に”. マイナビニュース 2014年3月5日閲覧。
- ^ “オカンの嫁入り』呉美保監督「新藤兼人賞2010金賞」受賞!”. オカンの嫁入り - ニュース. KADOKAWA (2010年11月16日). 2014年9月4日閲覧。
- ^ “呉美保監督、ビックリ! モントリオール映画祭で最優秀監督賞”. スポーツ報知. (2014年9月3日) 2014年9月4日閲覧。
- ^ “綾野剛『そこのみにて光輝く』アカデミー賞ノミネート候補に!”. シネマトゥディ. (2014年9月3日) 2014年9月4日閲覧。
- ^ a b “Color your days. CM情報「東京の発見」篇”. 企業情報. 東京メトロ. 2015年6月23日閲覧。
- ^ “【ブルーリボン賞】監督賞・呉美保監督、結婚&妊娠発表!”. スポーツ報知. (2015年2月13日) 2015年5月17日閲覧。
- ^ “呉美保監督が第1子出産「とてつもない責任感じる」”. nikkansports.com (日刊スポーツ). (2015年6月7日) 2015年6月9日閲覧。
- ^ “高良健吾&尾野真千子、呉美保監督の出産を祝福!”. シネマカフェ (2015年6月7日). 2015年6月8日閲覧。
- ^ “<この人この顔>「酒井家のしあわせ」の監督 「酒井家のしあわせ」で監督デビューの在日3世 呉美保さん”. 民団新聞 (在日本大韓民国民団). (2006年12月20日) 2015年6月27日閲覧。
- ^ “呉美保監督 何度も企画倒れの危機乗り越え「奇跡」”. Sponichi Annex (スポーツニッポン). (2015年1月23日) 2015年5月17日閲覧。
- ^ 駒井匠、燧正典 (2014年9月3日). “三重)呉美保監督の受賞にふるさと伊賀市わく”. 朝日新聞 2014年9月4日閲覧。
- ^ “呉美保監督が結婚&妊娠7ヶ月発表”. ORICON STYLE. オリコン (2015年2月12日). 2015年2月22日閲覧。
- ^ “Wowow Takes Japan Rights to Female-Directed Anthology Film ‘Tell It Like a Woman’ (Exclusive)”. The Hollywood Reporter (Penske Media Corporation). (2021年6月18日) 2022年4月24日閲覧。
- ^ “「そこのみにて光輝く」が日本映画1位…キネマ旬報ベスト・テン”. スポーツニッポン. (2015年1月8日) 2015年1月8日閲覧。
- ^ “69th(2014年)”. 毎日映画コンクール. 毎日新聞社. 2015年1月22日閲覧。
- ^ 入倉功一 (2015年1月23日). “第57回ブルーリボン賞が決定!佐々木蔵之介『超高速!参勤交代』が作品賞!”. シネマトゥデイ 2015年1月23日閲覧。
- ^ "第16回TAMA映画賞 受賞作品・受賞者発表 最優秀作品賞は『夜明けのすべて』『ぼくのお日さま』". ORICON NEWS. oricon ME. 3 October 2024. 2024年10月3日閲覧。
外部リンク
編集- 呉美保 公式ウェブサイト
- 呉美保 (@omipo314) - X(旧Twitter)
- 呉美保 - allcinema
- 呉美保 - KINENOTE
- Mipo Oh - IMDb