北海道銀行
株式会社北海道銀行(ほっかいどうぎんこう、英称:The Hokkaido Bank, Ltd.)は、北海道札幌市中央区に本店を置く第一地方銀行で、いわゆる戦後地銀でもある。通称は道銀(どうぎん)。北陸銀行とともにほくほくフィナンシャルグループの傘下にある。キャッチフレーズは「どさんこバンク」。
種類 | 株式会社 |
---|---|
機関設計 | 監査役会設置会社[1] |
市場情報 | 非上場 |
略称 | 道銀、どうぎん |
本店所在地 |
日本 〒060-8676 北海道札幌市中央区大通西4丁目1番地 |
本部所在地 |
〒060-8676 札幌市中央区大通西2丁目5番地 ほくほく札幌ビル |
設立 | 1951年(昭和26年)3月5日 |
業種 | 銀行業 |
法人番号 | 3430001022658 |
金融機関コード | 0116 |
SWIFTコード | HKDBJPJT |
事業内容 | 預金業務、貸出業務、有価証券売買業務・投資業務、為替業務など |
代表者 |
兼間祐二(代表取締役頭取・頭取執行役員) 髙田芳政(代表取締役副頭取・副頭取執行役員) |
資本金 |
935億2400万円 (2024年3月期)[2] |
発行済株式総数 |
4億8,663万4千株 (2023年3月31日現在) [3] |
売上高 |
単独:752億8,900万円 (2024年3月期)[2] |
経常利益 |
単独:77億1,400万円 (2024年3月期)[2] |
純利益 |
単独:85億1,400万円 (2024年3月期)[2] |
純資産 |
単独:2,250億7,200万円 (2024年3月期)[2] |
総資産 |
単独:6兆8,168億4,600万円 (2024年3月期)[2] |
従業員数 |
単独:1,941[853]名 (2024年3月31日現在)[4] |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 | ほくほくフィナンシャルグループ 100% |
主要子会社 |
道銀ビジネスサービス株式会社 道銀カード株式会社 株式会社道銀地域総合研究所 北海道リース株式会社 |
外部リンク | https://www.hokkaidobank.co.jp/ |
特記事項:経常収益を売上高の項目に、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載。 |
北海道銀行のデータ | |
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統一金融機関コード | 0116 |
法人番号 | 3430001022658 |
店舗数 |
144店[5] 海外駐在員事務所3ヵ所 (2023年9月30日現在) |
貸出金残高 |
4兆3,512億円[6] (2024年3月31日現在) |
預金残高 |
6兆373億円[6] (譲渡性預金を含む) (2024年3月31日現在) |
概要
北海道の産業育成や地方経済活性化を期待して道内の商工業者を中心に設立され、第二地方銀行である北洋銀行に次ぐ道内第2位の地方銀行として、戦後の北海道経済に大きな役割を担っている。現在も道内を中心とした支店、営業網を持つ。
2010年12月末に、預金量が創業以来初めて4兆円に達したことが発表された。
1998年以前は道内所在の地方銀行としては最大手であった。しかし、道内最大の金融機関であった北海道拓殖銀行(都市銀行)が同年に経営破綻したため、現在では同行の営業を譲受した北洋銀行が道内最大の地方銀行となっている。
バブル崩壊の影響で一時経営難に陥り、2000年代に入り、富山県富山市に本店を置く北陸銀行との経営統合(金融持株会社ほくほくFG)と公的資金注入を経て[7]経営を再建した。その後、設立以来初の同行出身(プロパー)頭取の就任、個人向けに特化した新店舗の開設(2008年10月)などの経営改革を進めている。
また、経済産業省によって2017年度から2024年度まで、7年連続で健康経営優良法人(ホワイト500)に認定されている[8][9]。
歴史
旧・北海道銀行(現存する北海道銀行とは無関係)は、1891年(明治24年)札幌に設立された屯田銀行と1894年(明治27年)に余市で設立された余市銀行(後に小樽銀行)が母体である。後に合併して北海道商業銀行となるが、第二次世界大戦中の金融統制(一県一行主義)により北海道拓殖銀行(拓銀)に統合されて消滅。
現存する北海道銀行(旧・北海道銀行とは無関係)は、戦後の経済復興で高まる資金需要に応えるべく、1950年(昭和25年)、旭川市で行われた全道中小企業会及び全道商工会議所大会において新銀行の設立が決議され、1951年(昭和26年)3月、株式会社北海道銀行(道銀)が発足。いわゆる戦後地銀として営業を開始した。また初代頭取には島本融が就任した。
北海道経済界においては拓銀が都市銀行として確固たる地位にあり、本州でも営業していた。これに対して北海道銀行は北陸銀行、北洋相互銀行(後の北洋銀行)、北海道相互銀行(後の札幌銀行)、及び道内各地にある信用金庫などともに広大な北海道各地域の経済を支える役割が期待された。
同行は高度経済成長期に順調に支店網を拡大し、1970年代には森鼻武芳頭取のもと、預金・貸付残高で地方銀行の上位10行に入るまでに成長。名実共に北海道第2位の銀行としての地盤を固めていった。しかし、この頃から顕著となりつつあった石炭産業の斜陽化から、これに代わる産業の育成が急務とされていたが、依然として公共事業に依存する北海道経済の体質が変わることはなかった。こうした実態経済の先行き不安の一方で、1980年代から加熱する不動産融資ラッシュに乗り遅れまいとする経営陣の焦りがあり、この頃から過剰な融資が目立つようになっていった。
バブル崩壊後の公共事業の削減を中心とする道内経済の停滞の中で、1997年(平成9年)には経営難にあった拓銀との合併話が持ち上がるが、道銀自体も不良債権を抱えて経営は火の車であった。このため合併話は破談となり[注釈 1]、同年11月、拓銀は経営破綻した。
当初、大蔵省は道銀を旧拓銀の受け皿行に考えていたが、合併協議が頓挫した直後でもあり、結果的に日本銀行が推す道内第3位の北洋銀行が受け皿行に決まった経緯がある。旧拓銀の道内支店は北洋、道外支店は中央信託銀行(当時)に営業権が分割譲渡され、拓銀破綻前は取引規模で道内2位だった道銀は同3位の北洋銀行に破綻後の取引先の大半を奪われることとなった。
拓銀破綻後の道内では企業の連鎖倒産が相次ぎ失業率も上昇、景気もどん底であった。道銀も多額の不良債権を抱え、1999年(平成11年)3月には自己資本比率が僅か3%台にまで落ち込んだ。拓銀の二の舞だけは避けたい道内企業が約537億円の増資を引き受け[注釈 2]、金融監督庁による早期是正措置を受けて翌2000年(平成12年)には約450億円の公的資金の注入を受けることで最悪の事態は避けられた。その後、不良債権の最終処理にあたっては、2002年(平成14年)9月、本店ビルと敷地を将来の再開発を前提で、平和不動産へ売却した。この間、1991年(平成3年)から平成14年までの実に12年間にわたり、総額6027億円もの不良債権を処理した[10]。2003年(平成15年)3月期に約550億円の赤字決算となったが、以後は徐々に業績は持ち直した。
2004年(平成16年)9月、北陸3県および道内を地盤とする北陸銀行を傘下に持つほくぎんフィナンシャルグループと経営統合を行い、金融持株会社ほくほくフィナンシャルグループを設立[注釈 3]。北陸銀との重複支店の譲受などで経営の立て直しが行われた。2012年(平成24年)10月1日には、シンクタンクである子会社として道銀地域総合研究所を設立。調査・研究の受託や、株式公開支援を行うとしている[11]。
現在、道内に132の支店・出張所を持ち、道外にも東京支店(東京都中央区)と仙台支店(仙台市青葉区)の2店舗がある[注釈 4]。後に東京支店は北陸銀行東京支店の室町中央ビル9・10Fへ移転し、仙台支店も荘内銀行の協力で同行仙台支店のある荘銀ビル6Fへ移転し、いずれも空中店舗に再編されている。2013年3月には北海道新幹線開業(新函館北斗駅まで)による経済交流促進や東日本大震災・福島第一原子力発電所事故の北海道内への避難者支援を目的に、七十七銀行や東邦銀行、岩手銀行など東北地方地銀10行(既にATM無料化で提携済の荘内銀行、秋田銀行、みちのく銀行を含む)と業務提携を締結した[12]。
自治体の指定金融機関としては、士別市や広尾町など1市13町で道銀を指定している[13]。また、札幌市は6事業会計の出納取扱金融機関に道銀を指定している。
沿革
- 旧・北海道銀行(現存する北海道銀行とは無関係)
- 1891年(明治24年) - 屯田銀行設立。
- 1894年(明治27年) - 余市銀行設立。
- 1897年(明治30年) - 余市銀行が小樽に移転、小樽銀行と改称。
- 1898年(明治31年) - 屯田銀行が小樽に移転、北海道商業銀行と改称。
- 1903年(明治36年) - 小樽銀行が北海道商業銀行を吸収合併、北海道銀行と改称。
- 1928年(昭和3年) - 百十三銀行を吸収合併。
- 1940年(昭和16年) - 北海道殖産銀行(栗山村)、北海道商工銀行(小樽市)、泰北銀行(小樽市)を吸収合併[14]。
- 1944年(昭和19年) - 戦時金融統制により北海道拓殖銀行に吸収合併(消滅)。
- 北海道銀行(旧・北海道銀行とは無関係)
- 1951年(昭和26年)3月3日 - 札幌での創立総会において、「北海道に根差した銀行」が設立される。(設立登記:同年3月5日、開業は同年3月12日)。
- 1956年(昭和31年)3月 - 東京支店開設。
- 1962年(昭和37年)5月 - 札幌証券取引所に上場。
- 1966年(昭和41年)2月 - 大阪支店開設。
- 1969年(昭和44年)8月 - 仙台支店開設。
- 1985年(昭和60年)10月 - 東京証券取引所2部市場に上場。
- 1987年(昭和62年)9月 - 東京証券取引所1部上場。
- 1988年(昭和63年)4月 - 米国にニューヨーク支店開設( - 1996年(平成8年)6月)。
- 1992年(平成4年)9月18日 - 青森支店(青森県青森市)閉店[15]。
- 1993年(平成5年)6月 - 仙台支店を宮城野区に移転。
- 1997年(平成9年)- 青山支店(東京都港区)を廃止し、新宿支店へ業務継承。
- 1998年(平成10年)
- 新宿支店を廃止し、東京支店へ業務継承。
- 10月 - 取引優遇サービス「ステップDo」開始。
- 1999年(平成11年)
- 2002年(平成14年)
- 2003年(平成15年)5月23日 - 北陸銀行との持株会社方式による経営統合に合意。
- 2004年(平成16年)9月1日 - 株式会社ほくほくフィナンシャルグループの完全子会社となる。
- 2005年(平成17年)
- 2006年(平成18年)
- 2007年(平成19年)
- 2008年(平成20年)10月27日 - ICキャッシュカード発行開始。生体認証は、指静脈認証を採用。
- 2009年(平成21年)1月 - 全ATMのIC化完了(他行幹事の共同ATM及び自行管理のコンビニATMは除く)。
- 2010年(平成22年)
- 2011年(平成23年)
- 2012年(平成24年)
- 2013年(平成25年)
- 3月1日 - 無通帳web普通預金口座「スマートLeaf」の取扱開始。
- 3月13日 - 北海道新幹線開業に備えた東北地方との経済交流拡大や東日本大震災・福島第一原子力発電所事故の道内避難者支援などを目的に七十七銀行・東邦銀行・岩手銀行など東北地銀10行と個別に業務提携を締結(名称は「東北・北海道地区交流促進地銀連携事業」)。
- 5月20日 - 同上の一環で、東邦銀行(福島県)とATM共同利用を開始(東北・北海道地区交流促進地銀連携事業)。
- 10月7日 - 経済交流促進の一環で、青森銀行とATM共同利用を開始(東北・北海道地区交流促進地銀連携事業)。
- 11月18日 - 個人カード利用者向け簡易インターネットバンキングサービス(取引照会用)開始。
- 2014年(平成26年)
- 2015年(平成27年)
- 2017年(平成29年)12月4日 - 職員の心身の健康保持・増進を図り、健康経営を一層推進すべく「健康経営宣言」を制定[24]。
- 2018年(平成30年)6月19日 - 大学生と道内企業の協力の場である「ヨノナカテラス」事業開始を発表[25]。
- 2019年(令和元年)
- 2020年(令和2年)
- 2021年(令和3年)
- 2022年(令和4年)
- 2023年(令和5年)
- 2024年(令和6年)
サービス
地銀ATM共同利用提携(相互無料開放)
個人・法人カードにて北陸銀行、横浜銀行、荘内銀行(山形県)、青森銀行、みちのく銀行(青森県)、秋田銀行、東邦銀行(福島県)、岩手銀行、沖縄銀行の地銀9行及び道内9信用金庫・3信用組合の計21行とATM共同利用提携を締結しており、21行ATMでの道銀のカード出金は平日時間内は手数料が徴収されない。地銀9行との提携で東北地方・北陸地方・東名阪・沖縄県でのカード出金の利便性が向上している[注釈 5]。
コンビニATMサービス
セブン銀行以外の提携コンビニエンスストアATMでのカード入金は24時間終日無料で対応可能であった(法人カードも利用可能)。しかし、同行でのカード入金取り扱いが開始された2024年7月15日からはイーネット・ローソン銀行でのカード入金も要手数料となった。また、2011年5月からは全てのコンビニATMでICカード対応を開始している。
2024年7月よりセイコーマートにて自行直轄の「道民のATM」設置を開始した。それまではBankTimeを設置していたが、同年度を以てサービス終了となるため転換された。
道銀ダイレクトサービス
個人向けに基本手数料が無料で提供される道銀ダイレクトサービス(テレホンバンキング・インターネットバンキング・モバイルバンキング)が取り扱われている。テレホンバンキングによる「残高照会」「取引明細照会」は同サービスに申し込みを行わなくても可能である上、キャッシュカード非契約口座の照会も可能となっている。ただし、定期預金取引はモバイルバンキングでは不可能。2013年11月18日からは個人キャッシュカード利用者向けで、取引照会専用の簡易インターネットバンキングも開始した[69]。
無通帳web口座「スマートLeaf」
2013年3月1日から通帳を発行しないweb口座「スマートLeaf」の取扱いを開始した。道銀ダイレクトサービスの契約が必須ではあるが、通帳からの切替も取引店または最寄の本支店において可能である。一義的にはキャッシュカードを用いてATM(道銀、共同利用地銀7行、コンビニATM)で取引を行う。これにより、通帳記帳・繰越のための来店が不要になるため、広大な道内ゆえに店舗網が薄い地域や東京支店・仙台支店の利用者の利便性が大きく向上する。対象カードは通常のキャッシュカードの他にクレジットカードと一体型の「道銀キャッシュ・クレジットカード」「道銀キャッシュ・クレジットカードKitaca」でも可能となっている[70]。
さらに2014年3月17日からはシステム改良により、既に普通預金口座のみ開設済みの場合でも定期預金の新規口座開設がダイレクトサービス画面上できるようになったほか、来店不要で同画面上での総合口座通帳・普通預金通帳からの無通帳化への切り替え手続きも可能になっている。
情報処理システム
北海道銀行における情報処理システムは、1971年(昭和46年)6月、電電公社と共に構築したシステムが稼働したことに端を発し1976年(昭和51年)7月には事務企画部、電電公社、各営業店による三位一体の準備を経て生まれた総合オンラインシステムが稼働した[10]。また1983年(昭和58年)10月には、地銀各行が1985年(昭和60年)以降、順次導入する第三次オンラインシステムを上回る処理力を誇る第二次オンラインシステムが稼働した。さらに、1990年(平成2年)10月にはシステム部門と事務管理部門の一元化を図るべく、白石区東札幌に総合事務センターである「東札幌道銀ビル」が竣工した。そして翌年3月には道銀、NTTデータ通信、富士通による三者共同方式で進められ、237億円の巨費を投じたシステムが情報系で稼働し、1993年(平成5年)1月には第三次オンラインが全面稼働となった[10]。
その後道銀は、2007年(平成19年)5月移行を目指しNTTデータ地銀共同センターへの参画を表明するも、北陸銀との経営統合が実現し事務の効率化が喫緊の課題となっていたこともあり、同センター移行の基本契約に至らず、横浜銀行の提案による道銀、北陸銀、浜銀とNTTデータによる業界最大規模となる共同システム化を目指すことになり、2005年(平成17年)11月、共同開発で合意した。このシステムは「MEJAR」と呼称され[注釈 6]、2011年(平成23年)5月6日、道銀と北陸銀は同システムに同時移行した[10][71][72][73][注釈 7]。
支店・営業拠点網
- ブランチインブランチ
- 合理化の一環で以下の店舗でブランチインブランチ(店舗内店舗)が導入されている[74][注釈 8]。
ギャラリー
同行の各支店等の一例(3桁の数字は店番号)。
-
道銀ビルディング(札幌市中央区)
-
手稲支店:164
(札幌市手稲区、タケシンスクエアビル1階) -
十字街支店:208
(函館市、標準看板とは異なるデザインの店舗例。但し、2013年11月店舗建替えにより現在は標準看板) -
稚内支店:801
(稚内市) -
紋別支店:905
(紋別市) -
中湧別支店:906
(紋別郡湧別町) -
釧路支店:920
(釧路市、新釧路道銀ビル1-2階) -
仙台支店:983
(仙台市、荘銀ビル6階)
不祥事
- 2019年2月 - 札幌市内営業店の女性行員(20代)が店内金庫への現金収納時に現金 100 万円を抜き取り着服した。女性行員は懲戒解雇処分[80][81]。
- 2019年12月13日 - 小樽支店の男性行員(20代)が顧客宅を訪問した際、入金依頼された現金95,000円を預かり証を発行せずに受け取り、着服した。男性行員は懲戒解雇処分[82]。
- 2019年12月30日 - 札幌市内営業店の女性行員(40代)が2018年6月から2020年10月の期間、店内にある金庫機能付現金出納機から複数回にわたり現金総額 611 万円を着服した。女性行員は2020年11月26日付で懲戒解雇処分[83][84]。
- 2020年8月11日 - 総合事務部事務センターの男性行員(50代)が2019年12月30日から2020年8月7日の間に、30回に渡り贈与契約に基づく支払・入金の事務処理を装い伝票を偽造し、7名の顧客から合計1,620万円を不正に払出し、内1,300万円を男性行員の家族名義口座に入金し、借入返済を含めた生活費に利用。男性行員は2020年8月26日付で懲戒解雇処分[85][86]。
芸術・文化活動
北海道銀行のメセナ活動(芸術・文化支援活動)には以下のものがある。
芸術活動
本店営業室後方壁面上部にあったレリーフ『大地』は、当初、栗谷川健一、北岡文雄、難波田龍起、蓑原正ら北海道ゆかりの作家にアイデアを募り下絵を描いてもらったが、最終的には、当時すでに著名な彫刻家として活躍していた北海道ゆかりの本郷新、山内壮夫、佐藤忠良に制作を依願し生まれた作品である[87]。本店新築を機に設置され、幅41メートル、高さ3.3メートルにおよぶ[88]。営業室は2階天井までの吹き抜けで、3方の壁面がガラス張りであるため残る1面をビルの強度の必要から強固な壁とした[87]。『大地』は無機質になりがちなこの壁面を飾るために制作されている[87]。2024年4月19日の本店最終営業日後、札幌市内にある道銀の施設でレリーフを分割して保管となった[89]。
- 道銀文化財団
- 北海道銀行40周年となる1991年、北海道銀行のメセナ活動を担うために道銀文化財団は設立された[90]。道銀芸術文化助成金による芸術家や芸術文化団体支援[91]、道銀芸術文化奨励賞などの活動を行う[92][93]。
- 北海道銀行本店ビルの1階に、1991年に「らいらっく・ぎゃらりい」というギャラリーを設置した[90]。この「らいらっく・ぎゃらりい」については、2024年5月15日に新築の「ほくほく札幌ビル」(中央区大通西2)内に移転した[94]。
文化活動
- どうぎんカーリングスタジアム
- フォルティウス(メインスポンサーを務めた女子カーリングチーム)
- 北海道銀行女子カーリング部
- 北海道日本ハムファイターズ(プロ野球・グランドパートナーを務める)
- エスポラーダ北海道(フットサルFリーグ・オフィシャルパートナーを務める)
広報活動・イメージ戦略
1991年度以降、全国銀行協会連合会の広告規制緩和などを背景として、道銀は新たなイメージ戦略を盛り込んだ広報活動を展開した。上述文化財団によるミュージカル『キャッツ』札幌公演招聘など、文化事業支援に対するイメージを継続して訴求していくことを目的に、同年8月から旭川市出身で当時、劇団四季に所属した野村玲子をイメージガールに起用し、1年間にわたって広告を展開した[95]。劇団四季は『キャッツ』に続き野村を主役に起用したミュージカル『李香蘭』を道内主要都市で公演するが、道銀はこの公演に協賛した[95]。
著作権者の事情から1989年7月で取り扱いを中止したフィリックスは、その後再契約が可能となったことから、1993年4月からコメットに代わる新キャラクターFelix the catとして復活し、総合口座通帳をはじめ広告物もすべてFelix the catをあしらったデザインに生まれ変わっている[95]。
テレビCMは、全銀協が1991年1月からスポットCMを、翌年4月からは番組の提供を解禁し、道内行をはじめ多くの銀行が採用していたが、道銀は『キャッツ』の長期公演などイベントによる企業イメージおよび好感度アップを優先し、実施を見合わせていた[95]。しかし、1998年10月の取引優遇サービス「ステップDo」の取扱い開始に当たり、初のテレビCM実施に踏み切り[95]、その後、タカアンドトシ、太田在、ますだおかだがカードローン「ラピッド」のCMに出演した。
脚注
注釈
- ^ 合併後は拓銀を存続会社として地銀協加盟の「新北海道銀行」に転換される予定だった。
- ^ 道銀顧客親睦団体である「らいらっく会」加入企業、指定金融機関を務める自治体や外郭団体等が増資を引き受ける。
- ^ 実際には、株式交換によってほくぎんFGの傘下に入り、ほくぎんFGの社名を変更。
- ^ かつてはこの他にも新宿支店、青山支店(東京都)、大阪支店、青森支店、八戸支店も存在したが、東京と東北の店舗は段階的な統廃合により最終的に東京支店と仙台支店に集約され、大阪支店は北陸銀行大阪支店に営業譲渡された。
- ^ 荘内銀の無料開始時間は平日9:00。逆に21行のカードにて道銀ATMを利用した場合も同様である他、北陸銀とはカード入金も終日無料で相互に可能である。2011年5月6日発行分の通帳から北陸銀と相互に普通預金・貯蓄預金の各口座ページの通帳記帳・入金が両行のATMで可能となる。ATM非設置の道銀仙台、荘内銀東京、青森銀東京・札幌の各支店と道銀及び21行以外が幹事の一部の店舗外ATMは対象外となるが、道銀仙台支店の1Fには荘内銀のATMが設置されているため、道銀と青森銀、みち銀のカード出金のみ無料である。
- ^ Most Efficent Joint Advanced Regional banking system。「最も効率的で先進的な地方銀行共同システム」の意。
- ^ 浜銀は前年1月に先行して移行。またこの共同化に七十七銀行が加わり、2016年1月には4行のシステムとして稼働を開始した。
- ^ 輪西支店(現・室蘭駅前支店)が室蘭支店内にブランチインブランチとして入居していたが、2010年(平成22年)12月6日に、室蘭支店が東室蘭地区の新築店舗に移転し、同時に東室蘭支店を取り込んだブランチインブランチ店舗となったため、残存した輪西支店は、従前の室蘭支店の位置に留まり、室蘭駅前支店に改称された。
出典
- ^ 2021年3月期-ディスクロージャー誌内統合報告書-ディスクロージャー誌-2021 - 株式会社ほくほくフィナンシャルグループ
- ^ a b c d e f “株式会社北海道銀行の個別業績の概要” (PDF). 株式会社ほくほくフィナンシャルグループ. 2024年6月24日閲覧。
- ^ “会社情報丨北海道銀行”. 2024年6月24日閲覧。
- ^ “株式会社ほくほくフィナンシャルグループ有価証券報告書 第21期”. 株式会社ほくほくフィナンシャルグループ. 2024年6月24日閲覧。
- ^ “中間ディスクロージャー誌2023”. 2024年6月24日閲覧。
- ^ a b “ミニディスクロージャー誌 2024年3月期・営業のご報告” (PDF). 株式会社ほくほくフィナンシャルグループ. 2024年6月24日閲覧。
- ^ 公的資金の完済に関するお知らせ北海道銀行(2009年8月27日)2018年7月8日閲覧。
- ^ “認定企業一覧 - ACTION!健康経営|ポータルサイト(健康経営優良法人認定制度)”. 経済産業省. 2024年9月10日閲覧。
- ^ “過去の認定企業一覧 - ACTION!健康経営|ポータルサイト(健康経営優良法人認定制度)”. 経済産業省. 2024年9月10日閲覧。
- ^ a b c d 『北海道銀行六十年史』
- ^ “北海道銀、シンクタンク設立”. 日本経済新聞. (2012年10月7日) 2013年11月23日閲覧。
- ^ 『東北・北海道地区交流促進地銀連携』の基本合意について (PDF) - 株式会社北海道銀行 2013年3月13日
- ^ “アーカイブされたコピー”. 2010年4月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年7月16日閲覧。
- ^ 北海道銀行が三行を合併『朝日新聞』(昭和16年8月3日)『昭和ニュース辞典第7巻 昭和14年-昭和16年』p740 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年
- ^ 平成4年9月19日東奥日報19面記述『道銀青森支店閉店』のお知らせ広告
- ^ “地域再生・活性化ネットワークの構築について” (PDF). 株式会社北海道銀行 (2014年1月28日). 2014年2月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年9月27日閲覧。
- ^ “進まぬ再編の後押しなるか 大手地銀9行連合の波紋”. ダイヤモンドオンライン (2014年2月17日). 2014年4月23日閲覧。
- ^ “地銀9行が地域再生で連携 福岡銀など、域外融資も”. 日本経済新聞 (2014年1月28日). 2014年2月18日閲覧。
- ^ “北海道銀行、石狩の風力発電に融資 北都銀と協調し5億円”. 日本経済新聞 (2014年8月29日). 2015年1月18日閲覧。
- ^ “株式会社厚田市民風力発電向けの風力発電事業へのプロジェクトファイナンスの取組みについて” (PDF). 株式会社北海道銀行 (2014年8月29日). 2015年1月18日閲覧。
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参考文献
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