剣詩舞
剣詩舞(けんしぶ)とは、剣舞と詩舞(扇舞とも)の2つからなる日本の芸道である。剣舞と扇舞を合わせて 剣扇舞 (けんせんぶ)と呼ぶこともある。ともに、詩吟(吟詠)にあわせ和服で舞い詩の情緒を表現する。
詩吟と剣詩舞は、基本的に別々の者が行う。人数は決まっておらず、吟者と舞者が一対一の場合もあれば、吟者一人に対して複数人で舞う場合も多い。
剣舞
編集剣舞は、広い意味では、刀剣を持って舞うこと。ここでは、詩吟に合わせて日本刀を用いて舞うことを指す。演目によっては、刀に加えて扇子を用いることもある。
日本の古舞の中に、剱の舞、剣の舞と称するものがあり、これは剣を持って目に見えない邪心や悪霊を切るに擬したもので、当時は神楽の部門に含まれていた。また、その他に古代武術の技巧を取り入れた、久米の舞と吉次の舞とがあって、その何れも剣を振って敵を撃つ有様を舞った。しかし、恐らく近世の剣舞は、以上の古典が歴史と共に移り変りつつ、数世紀を経て今に及んだものとみるべきである。
安政の時(1855~1860年)、昌平坂学問所の書生が酔った際に、山陽等の詩を吟じ、刀剣を抜き舞ったという。また、王政復古に際しては姿なき協力者として、勤王の志士の間に大いに歓迎され人心を掻き立て、あるいは士気を鼓舞する等、適時適所に少なからず役立ったという。
明治維新後、榊原健吉が行った撃剣興行の余興として剣舞が披露された。その後、日比野正吉(雷風)、長宗我部林馬(加藤鶯鳴,秦霊華)が剣舞を系統だて整理し、前者は神刀流、後者は弥生流を発表した
詩舞
編集流派菊水流宗家伊藤南光
編集※順不同
- 秋月流 中田鶯秀。
- 精華流 桐島鶯哦。
- 剣心流 藤田鶯誠。
- 東流 古川慶風。
- 伊東流 伊東祐憲、東京。
- 桜堂流 宗家は前田桜堂。
- 鹿島神刀流 高橋佐十郎。
- 鹿島心流 宗家は入来徹洲。
- 菊水流 宗家は伊藤南光。
- 光幻流 冨田光幻、松本。
- 薩摩眞正神刀流 迫田博洲、鹿児島。
- 薩摩神刀自念流 榎木麗洲。
- 秀鳳流 総師範は小林秀鳳。
- 橘流 小倉神竜。
- 竹生流 岩村秋水。
- 天心流 岸田天心、東京。天心館長。
- 天都流 犬童松楓。
- 南影流 宗家は西庄秀礼、神奈川。
- 南宗流 大木正武斎。二世は大木南宗、豊島区。
- 水府流 宗家は佐々木神風。
- 明倫流 杉本尚隆。
- 神道流 山口昌玲。
- 美寿々吟剣詩舞道愛好会 会長は樋口敏治、松本。号は詩吟では龍鵬、剣舞では鈍刀。
- 大和真刀流誠和館 館長は谷津田秀和、東京。
- 神道武正流 宗家は村松幸龍、武蔵野市。
- 維新流 宗家は関根剣泉、東京。
- 岳城流詩吟・景山流詩舞 神国館景山会総本部理事長 菅沼芳山、神奈川。
- 石心流剣清会 宗家は石崎剣清、横浜。
- 紫舟流 宗家は小林紫舟、三浦郡葉山町。
- 剣舞一刀流 宗家 松永刀雲、神奈川。
- 峯國流剣詩舞道会 宗家 久保峯國、神奈川。
- 親麗流照麗会 会長 鶴田照麗、町田市。
- 青沙流 宗家 漆畑青沙、静岡。
- 日乃本流剣舞道 宗家 梯剣麗門、長崎。
- 鋒秋流 宗家 大塚鷹秋、福井。
- 精心流剣詩舞道水友会 会長 青木剣心、広島。
- 鉄心流剣詩舞道 二代目宗家 大本翠山、広島。
- 桜諷流吟剣詩舞道会 会長 中尾桜諷、山口。
- 誠章流誠風館 館長 金中誠京、山口。
- 筑紫流日本吟道詩舞菊風会 会長 藤井仙寿、福岡。
- 翡翠流詩舞扇葉会 会長 岡田扇葉、福岡。
- 大和陽心流瑞城会 副宗家 椎野瑞扇、徳島。
- 八千穂流剣詩舞道会 宗家 菊川八千穂、札幌。
- 吟舞道西峰流 宗家 大橋西峰、栃木。
- 菊秀流 宗家 菊池秀園、東京。
- 誠紀流誠修館 館長 石井誠紀、東京。
- 神心流尚道館総本部 家元 安倍秀風、京都。
- 岳翠流吟剣詩舞道会 剣詩舞部長 福森岳瀛、北海道紋別。
- 踊翠流 北海道。
- 和翔流 北海道。
- 神刀流 日比野雷風-日比野正明-日比野正晴
- 神刀流木崎派
- 大日本正義流 多田正義、大阪。
- 青柳流
- 日本神道流 山田刀華、愛知。
- 神道一刀流 掛布篁華、愛知。
- 神刀無念凱山流 鈴木凱山、栃木。
- 神明鍛心流 永野鍛心、東京。
- 北辰神桜流 篠田桜峰、愛知。
- 北辰神明流 遠藤剣峰。
- 天辰神容流 杉浦容楓。
- 田宮流 妻木正麟。
- 神刀神明流
- 水府新刀流 斉田電光、茨城。
- 神明無双流
- 神武流
- 神伝真正金房流 金房冠一郎。
- 神伝真正早渕流 早淵鯉昇。
- 神伝真正豊田流 豊田治(凛風)。
- 神伝真正冠翔流 喜多冠翔。
- 神伝真正一如流剣詩舞道 中町如洲。
- 大日本水心流 田中霊凰 高知。
- 弥生流
- 水華流剣舞道
- 水心黎明流 川原霊宗。
- 水心弘道流剣詩舞道 林霊山。
- 渋川流 田村天月、石川。
- 無想流剣武術 高橋蘇峰、佐賀。
- 真槍流剣武術 海沼南至。
- 無想伝心碧洲流 宮沢碧洲、長野。
- 静山流 榊原静山(帰逸)。
- 菊水流 藤上南山、岡山。
脚注
編集1919年(明治43年)「國民百科全書」(尚文館)
参考文献
編集『和漢名吟集』昭和三十五年一月一日発行 、編集者:西川五郎、 発行者:日本劍舞道連盟(責任者加藤雷正風 )、発行所:日本劍舞道連盟本部