冬川亘

日本の翻訳家、作家

冬川 亘(ふゆかわ わたる、1948年3月7日[1]- )は日本翻訳家、作家。

略歴

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本名、野口勇。熊本県鹿本郡大字来民(現・山鹿市鹿本町来民)出身。千葉県四街道市在住。 東京都立大泉高等学校卒業。東京大学文学部西洋史学科卒業。同大学院西洋史修士課程中退。

訳書『カエアンの聖衣』で星雲賞を受賞。1995年、第27回新潮新人賞を短編『紅栗』で受賞。

2008年を最後に翻訳書はなく、2014年にはかつて冬川が訳した『無伴奏ソナタ』(短編集の共訳)の新訳版(金子浩他訳)が、2015年には『はだかの太陽』の新訳版(小尾芙佐訳)が、2016年には『カエアンの聖衣』の新訳版(大森望訳)が、元出版社である早川書房から、それぞれ別の翻訳者により刊行された。新訳者のうち小尾芙佐は冬川より年長者である。

訳書

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  • 『時の罠』(The Time Trap、キース・ローマーハヤカワ文庫) 1978
  • 『時間外世界』(A World Out of Time、ラリイ・ニーヴン早川書房) 1979、のち文庫 1986
  • 『多元世界の門』(The Gate of Worlds、ロバート・シルヴァーバーグ立風書房) 1979
  • 『星の秘宝を求めて』(The Star Treasure、キース・ローマー、ハヤカワ文庫) 1979
  • 『悪鬼の種族』(The Demon Breed、ジェイムズ・H・シュミッツ、ハヤカワ文庫) 1980
  • 『狂気の惑星』上・下(The World is Round、トニイ・ロスマン、ハヤカワ文庫) 1980
  • 『残像』(The Persistence of Vision、ジョン・ヴァーリイ大野万紀共訳、ハヤカワ文庫) 1980
  • スター・トレック 宇宙大作戦』(Star Trek: The Motion Picture、ジーン・ロッデンベリイ、早川書房) 1980、のち文庫
  • 『キャッチワールド』(Catchworld、クリス・ボイス、ハヤカワ文庫) 1981
  • 『スターダンス』(Stardance、スパイダー&ジーン・ロビンスン、早川書房) 1981、のち文庫
  • 『パッチワーク・ガール』(The Patchwork Girl、ラリー・ニーヴン、フェルナンド絵、東京創元社、イラストレイテッドSF) 1981、のち文庫
  • 『ボシイの時代』(They'd Rather Be Righ、マーク・クリフトン,フランク・ライリイ、創元推理文庫) 1981
  • 『イタルバーに死す』(To Die in Italbar、ロジャー・ゼラズニイ、ハヤカワ文庫) 1982
  • 『焔の眼』(Eyes of Fire、マイクル・ビショップ、早川書房) 1982
  • 『魔法株式会社 - ハインライン傑作集3』(ロバート・A・ハインライン、ハヤカワ文庫) 1982
  • 『カエアンの聖衣』(The Garments of Caean、バリントン・J・ベイリー、ハヤカワ文庫) 1983
  • 『妖魔の潜む沼』(The Fellowship of the Talisman、クリフォード・D・シマック、創元推理文庫) 1983
  • 『スターシップと俳句』(Starship and HAIKU、ソムトウ・スチャリトクル、ハヤカワ文庫) 1984
  • 『ソングマスター』(Songmaster、オースン・スコット・カード、ハヤカワ文庫) 1984
  • はだかの太陽』(The Naked Sun、アイザック・アシモフ、ハヤカワ文庫) 1984
  • 『パルチザン』(Partisans、アリステア・マクリーン、早川書房) 1984
  • 『不完全な死体』(The Long Arm of Gil Hamilton、ラリー・ニーヴン、創元推理文庫) 1984
  • 『スカイトラップ』(Skytrap、ジョン・スミス、ハヤカワ文庫) 1985
  • 『最終工作員ロネイ』(The Final Run、トミー・スティール、ハヤカワ文庫) 1986
  • 『さらば、カタロニア戦線』上・下(The Spanish Gambit、スティーヴン・ハンター、ハヤカワ文庫) 1986、のち扶桑社ミステリー
  • 変化の風』(The Winds of Change and Other Stories、アイザック・アシモフ、創元推理文庫) 1986
  • 『暗号名<オメガ・ブルー・ワン>』(Jack Lane's Browning、デヴィッド・ゲシン、サンケイ文庫) 1987
  • 『シャーマン迎撃戦線』(アントニー・レジュネ、二見文庫) 1987
  • 『アムレット』(The Amulet、マイケル・マクダウエル、ハヤカワ文庫) 1988
  • 『消えたパタースン編隊』(Patterson's Volunteers、ジョン・スミス、ハヤカワ文庫) 1988
  • 『デインの遺書』(Dane's Testament、デヴィッド・ゲシン、扶桑社ミステリー) 1988
  • 『シャトル防衛飛行隊』上・下(Zoboa、マーティン・ケイディン、ハヤカワ文庫) 1989
  • 『毒ガス列車を阻止せよ』(Mannequin、ロバート・バーン、二見文庫) 1989
  • 『アフガン空域を脱出せよ』(Crow's War、ジェイムズ・マギー、二見文庫) 1990
  • 『メデューサ 核ミサイル迎撃機発進』(Medusa、ジャネット&クリス・モリス、東京創元社、創元ノヴェルズ) 1990
  • 『星々の聖典』(Crescent in the Sky、ドナルド・モフィット、ハヤカワ文庫) 1991
  • 『星々の教主』(A Gathering of Stars、ドナルド・モフィット、ハヤカワ文庫) 1991
  • 『傭兵部隊』(Trigger Men、ジェイムズ・マギー、二見文庫) 1992
  • 『青き月と闇の森』上・下(Blue Moon Rising、サイモン・R・グリーン、ハヤカワ文庫) 1993
  • 『酸素男爵』(The Oxygen Barons、グレゴリイ・フィーリイ、ハヤカワ文庫) 1993
  • 『ファルコン』上・下(Falcon、エマ・ブル、ハヤカワ文庫) 1993
  • 『荒れ狂う深淵』(Furious Gulf、グレゴリイ・ベンフォード、ハヤカワ文庫) 1995
  • 宇宙のランデヴー 4』上・下(Rama Revealed、アーサー・C・クラーク,ジェントリー・リー、早川書房) 1995、のち文庫
  • 『カリストの脅威 アシモフ初期作品集1』(The Early Asimov vol.1、アイザック・アシモフ、ハヤカワ文庫) 1996
  • 『ガニメデのクリスマス アシモフ初期作品集2』(The Early Asimov vol.2、アイザック・アシモフ、浅倉久志共訳、ハヤカワ文庫) 1996
  • 『母なる地球 アシモフ初期作品集3』(The Early Asimov vol.3、アイザック・アシモフ、共訳、ハヤカワ文庫) 1996
  • 『輝く永遠への航海』上・下(Sailing Bright Eternity、グレゴリイ・ベンフォード、ハヤカワ文庫) 1997
  • 『ワイルドサイド ぼくらの新世界』上・下(Wildside、スティーヴン・グールド英語版、ハヤカワ文庫) 1997
  • 『垂直世界の戦士』(Farewell horizontal、K・W・ジーター、ハヤカワ文庫) 1998
  • 『戦闘機甲兵団レギオン』上・下(Legion of the Damned、ウィリアム・C・ディーツ、ハヤカワ文庫) 1998
  • 『大いなる復活のとき』上・下(Reclamation、サラ・ゼッテル、ハヤカワ文庫) 1999
  • 『斜線都市』上・下(/(Slant)、グレッグ・ベア、ハヤカワ文庫) 2000
  • 『過ぎ去りし日々の光』上・下(The Light of Other Days、アーサー・C・クラーク,スティーヴン・バクスター、ハヤカワ文庫) 2000
  • 『トリガー』上・下(The Trigger、アーサー・C・クラーク,マイクル・P・キュービー=マクダウェル、ハヤカワ文庫) 2001
  • 『200X年、緊迫のイラク上空戦』(With Hostile Intent、ロバート・ガンツ、扶桑社) 2003
  • 『アグレッサー・シックス』(Aggressor Six、ウィル・マッカーシイ、ハヤカワ文庫) 2005
  • 『魔術師エベネザムと不肖の弟子』(A Malady of Magicks、クレイグ・ショー・ガードナー、ハヤカワ文庫) 2006
  • 『魔術師エベネザムと詩を詠む悪魔』(A Multitude of Monsters、クレイグ・ショー・ガードナー、ハヤカワ文庫) 2006
  • 『魔術師エベネザムと禁断の都』(A Night in the Netherhells、クレイグ・ショー・ガードナー、ハヤカワ文庫) 2006
  • 『ウォー・サーフ』上・下(War Surf、M・M・バックナー、ハヤカワ文庫) 2007
  • 『エグザイルズ 追われし者たちの歌』(Song of the Exile、キアナ・ダヴェンポート、幻冬舎) 2008

脚注

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  1. ^ 『文藝年鑑』2008

参考リンク

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