佛田洋
日本の特撮監督
佛田 洋(ぶつだ ひろし、1961年10月10日[1][2] - )は、日本の特撮監督。株式会社特撮研究所代表[2][3]。別名義は原田洋[3]。
ぶつだ ひろし 佛田 洋 | |
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別名義 | 原田洋 |
生年月日 | 1961年10月10日(63歳) |
出生地 | 日本・熊本県山鹿市 |
民族 | 日本人 |
ジャンル | 特撮監督 |
活動期間 | 1984年 - |
熊本県山鹿市出身。熊本大学教育学部附属中学校・熊本県立済々黌高等学校・九州大学工学部資源工学科卒業。
略歴
編集1984年に大学卒業後、幼馴染で熊本大学附属中学校の同級生でもある三池敏夫とともに上京し、特撮研究所に入社[4][1][2][3]。『超電子バイオマン』で美術スタッフとして入り、大澤哲三に師事[2][3]。その後、矢島信男に師事し、各種東映特撮テレビ番組の特撮パートの美術スタッフとして活動[2][3]。1990年の『地球戦隊ファイブマン』で特撮監督デビュー[4][2][3]。また、1990年代前半はスーパー戦隊シリーズの特撮監督と並行しながらメタルヒーローシリーズの特撮パート美術スタッフも続けていた。『忍者戦隊カクレンジャー』では本編の監督としてもデビューし、以降はスーパー戦隊シリーズの別班で時折演出を務めることがある。2002年の『仮面ライダー龍騎』からは仮面ライダーシリーズも手掛ける[2]。
1997年の『北京原人 Who are you?』で日本アカデミー賞特殊映像技術賞受賞[4]。1998年より特撮研究所代表に就任[4]。
主に仮面ライダーシリーズやスーパー戦隊シリーズを多く手掛けているが、一般映画作品などにおいても特撮監督として活躍している。特に2000年の『恋身女子高生パティ』(河崎実監督)は、現役の一般向けヒーロー作品の特撮監督がアダルトビデオ作品を手掛けたということで話題になった。ただし、アダルト向けシーンを省いた一般向けバージョンもリリースされている。
人物・エピソード
編集- 小さい頃から怪獣ものを好み、三池敏夫らとともに中学時代からプラモデルや効果音作りに熱中した。矢島信男が特撮監督をしていた『秘密戦隊ゴレンジャー』も見ていた[5]。
- 若手時代は、特撮監督の矢島信男から敵側メカのアイデアを募集されたり、操演技師の鈴木昶と美術の仕掛けについて意見交換をするなどして経験を重ねていった[3]。佛田自身はこうした環境にいられたことを幸運であったと述べている[3]。その後、戦隊ロボの変形・合体が複雑化していったため、佛田がスタッフにわかりやすいよう絵コンテをリライトするようになり、それを矢島に気に入られて発進シーンなどの絵コンテを手伝い始め、『ファイブマン』での特撮監督としての起用へつながっていった[3]。
- 佛田は「特撮カットを引き受けすぎるな」という矢島の教えを心に留めており、スケジュールや予算が限られた中で技術的に難しい変形・合体や必殺技などに絞り込んだ映像づくりを心がけている[3]。そのため、『光戦隊マスクマン』から『星獣戦隊ギンガマン』までは特撮監督の矢島や佛田ではなく、アクション監督の竹田道弘がロボ戦を担当していた[3]。その後、デジタル技術の導入によって時間的余裕が生まれ、『救急戦隊ゴーゴーファイブ』からは再び特撮班がロボ戦を担当している[3]。デジタル導入後もCG一辺倒にはせず、作品の方向性などによってCGとミニチュア特撮を使い分けている[3]。
- 画面作りにおいては、カメラ前の電柱のような細かいディテールにこだわるよりも、小さい子供がパッと見でわかる派手なビジュアルとすることを心がけている[4]。
特撮監督
編集テレビ(特撮監督)
編集- スーパー戦隊シリーズ(1990年 - )
- メタルヒーローシリーズ(1997年 - 1998年)
- 仮面ライダーシリーズ(2002年 - )
- スカイハイ(2003年)
- 美少女戦士セーラームーン(2003年 - 2004年)
- スカイハイ2(2004年)
映画(特撮監督)
編集- スーパー戦隊シリーズ(1993年 - )
- 北京原人 Who are you?(1997年)
- あぶない刑事フォーエヴァー THE MOVIE(1998年)
- 長崎ぶらぶら節(2000年)
- 千年の恋 ひかる源氏物語(2001年)
- 仮面ライダーシリーズ(2002年 - )
- T.R.Y.(2003年)
- 魔界転生(2003年)
- デビルマン(2004年)
- ローレライ(2005年)
- 男たちの大和/YAMATO(2005年)
- 俺は、君のためにこそ死ににいく(2007年)
- ハッピーフライト(2008年)
- 聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-(2011年)
- 宇宙刑事ギャバン THE MOVIE(2012年)
- WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜(2014年)
- 海難1890(2015年)
- 大怪獣のあとしまつ(2022年)
オリジナルビデオ(特撮監督)
編集インターネット配信ドラマ(特撮監督)
編集- dビデオスペシャル 仮面ライダー4号(2015年)
- 仮面戦隊ゴライダー(2017年)
アダルトビデオ(特撮監督)
編集- 恋身女子校生パティ(2000年)※一般向けバージョンもあり
監督
編集テレビ(監督)
編集- 忍者戦隊カクレンジャー(1994年 - 1995年)※本編監督デビュー作品
- 超力戦隊オーレンジャー(1995年 - 1996年)
- 救急戦隊ゴーゴーファイブ(1999年 - 2000年)
- 未来戦隊タイムレンジャー(2000年 - 2001年)
- 炎神戦隊ゴーオンジャー(2008年 - 2009年)
- 特命戦隊ゴーバスターズ(2012年 - 2013年)
オリジナルビデオ(監督)
編集- ウルトラマンVS仮面ライダー(1993年)※ストーリーボードも担当
- 未来戦隊タイムレンジャーVSゴーゴーファイブ(2001年)
映画(監督)
編集- スーパー戦闘 純烈ジャー(2021年)[6]
- スーパー戦闘 純烈ジャー 追い焚き☆御免(2022年)
Webドラマ
編集その他の作品
編集- さくや妖怪伝(2000年) - 地割れアドバイザー
- 劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4(2001年) - あかつき号特撮 ※尾上克郎と共同
- 日本以外全部沈没(2006年) - 特撮監修
- ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発(2008年) - 特撮アドバイザー
- シリーズ怪獣区 ギャラス(2019年) - スーパーバイザー[7]
- シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース(2023年) - フィギュア「S.J.H.U.PROJECT シン・ユニバースロボ」PV絵コンテ・監督[8]
その他
編集- 2005年10月16日にBS-iで放送された『超・人 永遠のジオラマ〜特撮監督/佛田洋』にて、佛田の特撮現場とその原点がドキュメントされた[9]。
- 2012年6月28日に中央公論新社より、佛田への長編インタビューを掲載した初の単行本『特撮仕事人 特撮監督 佛田洋の世界』 (ISBN 978-4-12-390342-4) が発売された。
脚注
編集- ^ a b 「デカレンジャー徹底解剖 3監督インタビュー3 特撮監督佛田洋」『宇宙船』Vol.112(2004年5月号)、朝日ソノラマ、2004年5月1日、33頁、雑誌コード:01843-05。
- ^ a b c d e f g 「[対談]佛田洋×松浦芳」『宇宙船』vol.155(WINTER 2017.冬)、ホビージャパン、2016年12月29日、67頁、ISBN 978-4-7986-1360-4。
- ^ a b c d e f g h i j k l m スーパー戦隊21st 8 2017, p. 33, 「スーパー戦隊制作の裏舞台 佛田洋」
- ^ a b c d e 「Special Interview MainStaff & SuitsActor 佛田洋」『星獣戦隊ギンガマン アースの戦士たち SPECIAL PHOTO BOOK』発行:メディアワークス 発売:主婦の友社〈Dセレクション〉、1999年2月5日、86頁。ISBN 4-07-311071-3。
- ^ 『宇宙船』vol.98 p.42
- ^ Inc, Natasha (2021年2月1日). “小田井涼平、純烈主演の戦隊映画「スーパー戦闘 純烈ジャー」でアカデミー賞目指す”. 映画ナタリー. 2021年2月7日閲覧。
- ^ “東映の怪獣特撮ドラマ「シリーズ怪獣区 ギャラス」ポスタービジュアル公開!ついにギャラスの姿が…”. アニメ!アニメ! (イード). (2018年12月20日) 2023年5月19日閲覧。
- ^ “【特別企画】3機編隊の敵、爆炎を進むロボ……。「S.J.H.U.PROJECT シン・ユニバースロボ」PVはなぜ見る者の魂を揺さぶるのか?”. HOBBY Watch (インプレス). (2023年5月19日) 2023年5月19日閲覧。
- ^ BS-i | 超・人 特撮監督/佛田洋(ぶつだ・ひろし)(インターネットアーカイブ2011年11月3日分キャッシュ)
出典
編集- 佛田洋(特撮監督)X三池敏夫(特撮美術監督)|熊本大学教育学部附属中学校 東京同窓会
- 『スーパー戦隊 Official Mook 21世紀 vol.8 炎神戦隊ゴーオンジャー』講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2017年5月25日。ISBN 978-4-06-509519-5。
外部リンク
編集- 特撮監督 佛田 洋のチョイス - ウェイバックマシン(2008年6月18日アーカイブ分)(東映ヒーローネット内のサイト)