九段北

東京都千代田区の町名
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九段北(くだんきた)は、東京都千代田区町名で、旧麹町区に属した。現行行政地名は九段北一丁目から九段北四丁目。住居表示実施済み区域である。

九段北
町丁
地図北緯35度41分43秒 東経139度44分43秒 / 北緯35.695353度 東経139.745286度 / 35.695353; 139.745286
日本の旗 日本
都道府県 東京都の旗 東京
特別区 千代田区
地域 麹町地域
人口情報2025年(令和7年)3月1日現在[1][2]
 人口 2,062 人
 世帯数 1,258 世帯
面積[3]
  0.362071328 km²
人口密度 5695.01 人/km²
設置日 1966年10月1日
郵便番号 102-0073[4]
市外局番 03(東京MA[5]
ナンバープレート 品川
ウィキポータル 日本の町・字
東京都の旗 ウィキポータル 東京都
ウィキプロジェクト 日本の町・字
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町会は九段一丁目から四丁目全てがそれぞれ南北合同で結成されている。

地理

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東京都千代田区の北西部に位置し、靖国通りに沿って九段下駅から市ケ谷駅までの細長い街区を形成している。

町域の西は新宿区市谷田町)との区境に当たる。麹町地域(旧麹町区)に属する。千代田区内では東部は西神田神田神保町、南部は靖国通りを境に九段南、北部は富士見飯田橋にそれぞれ接する。南側の北の丸公園とは近接するが境界線は接していない。当地中央部の二丁目から三丁目にかけて靖国神社の境内地が広がっている。歴史のある学校や、高層建造物が集まっている。一般住宅も少数だが見られる。

九段北一丁目

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最東部。九段下駅の出口があり、そもそもの九段坂上から九段坂下にかけての一帯。学校や高層建造物が多く集まる。宅地も見られる。

九段北二丁目

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九段坂中腹から頂上にかけての一帯。靖国通りと平行して靖国神社の参道がある(本殿は九段北三丁目。参道は明治時代には馬場として使われ、「外苑」と呼ばれた)。町域はほとんど靖国神社と学校で占められる。

九段北三丁目

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靖国神社の本殿、拝殿、遊就館、相撲場などがあり、「大妻通り」の入口に向かって南門が開かれる[注釈 5]。神社境内と三輪田学園中学校・高等学校、九段電話局、法政大学でほとんどの町域が占められる。

九段北四丁目

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最西部。一口坂・新見附・市ケ谷駅を頂点とする三角地帯。靖国通りに面して高層建造物が多く、裏手にはマンション・官舎が多い。新見附から市谷見附に続く外壕公園の土手のソメイヨシノは昭和初期に植えられたもので、都心の桜並木としては古木に属し、開花の時期には見事な景観を現出する。

地価

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住宅地の地価は、2025年令和7年)1月1日公示地価によれば、九段北2-3-25の地点で368万円/m2となっている[6]

歴史

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「九段」という町名は、震災復興計画の中で靖国通りが拡幅・完成した後、1933年7月に初めて設置されたものである。それ以前は、九段北一丁目は飯田町、九段北二丁目は富士見町二丁目、九段北三丁目は「番町」で知られる三番町・四番町・富士見町三丁目の一部、九段四丁目は同じく三番町・四番町の一部であった。

1966年に、新住居表示が実施され[7]、九段各丁目は靖国通りを境にして南北に分けられた。しかし住民の町会活動は南北合同で運営されている。また一・二丁目が築土神社、三・四丁目が日枝神社の氏子地域である。

靖国通りの南側(九段南二から四丁目)が歓楽街(花街)や商店街として賑わっていたのに対し、北側(九段北二から四丁目)の奥は閑静な住宅地であった。靖国通りを走る都電が廃止された1970年以後、一口坂周辺にあった町の中心が市ケ谷駅の方に移動した。その後、地下鉄が相次いで開通したことから、現在では、九段の町の重心は市ケ谷駅九段下駅の両端に移っている。

町名の変遷

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実施後 実施年月日 実施前(各町名ともその一部)
九段北一丁目 1966年10月1日 九段一丁目、九段二丁目、富士見町一丁目、飯田町一丁目
九段北二丁目 九段二丁目
九段北三丁目 九段二丁目、九段三丁目
九段北四丁目 九段四丁目

世帯数と人口

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2025年(令和7年)3月1日現在(千代田区発表)の世帯数と人口は以下の通りである[1][2]

丁目 世帯数 人口
九段北一丁目 766世帯 1,168人
九段北二丁目 142世帯 265人
九段北三丁目 23世帯 49人
九段北四丁目 327世帯 580人
1,258世帯 2,062人

人口の変遷

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国勢調査による人口の推移。

人口推移
人口
1995年(平成7年)[8]
1,186
2000年(平成12年)[9]
1,249
2005年(平成17年)[10]
1,281
2010年(平成22年)[11]
1,512
2015年(平成27年)[12]
1,865
2020年(令和2年)[13]
2,166

世帯数の変遷

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国勢調査による世帯数の推移。

世帯数推移
世帯数
1995年(平成7年)[8]
519
2000年(平成12年)[9]
599
2005年(平成17年)[10]
681
2010年(平成22年)[11]
869
2015年(平成27年)[12]
1,082
2020年(令和2年)[13]
1,220

学区

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区立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる(2017年8月現在)[14]。なお、千代田区の中学校では学校選択制度を導入しており、区内全域から選択することが可能[15]

丁目 番地 小学校 中学校
九段北一丁目 全域 千代田区立富士見小学校 千代田区立麹町中学校
千代田区立神田一橋中学校
九段北二丁目 全域
九段北三丁目 全域 千代田区立九段小学校
九段北四丁目 全域

事業所

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2021年(令和3年)現在の経済センサス調査による事業所数と従業員数は以下の通りである[16]

丁目 事業所数 従業員数
九段北一丁目 566事業所 12,868人
九段北二丁目 20事業所 433人
九段北三丁目 61事業所 1,477人
九段北四丁目 321事業所 10,020人
968事業所 24,798人

事業者数の変遷

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経済センサスによる事業所数の推移。

事業者数推移
事業者数
2016年(平成28年)[17]
871
2021年(令和3年)[16]
968

従業員数の変遷

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経済センサスによる従業員数の推移。

従業員数推移
従業員数
2016年(平成28年)[17]
21,091
2021年(令和3年)[16]
24,798

交通

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交通機関は都営地下鉄新宿線が所在し、周辺を走るJR中央・総武緩行線東京メトロ東西線有楽町線半蔵門線南北線も利用可能で、丸の内・大手町・日本橋・銀座・新宿・渋谷・池袋などの都内主要地域への交通の便は良い。

鉄道
バス
道路

その他

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日本郵便

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関連項目

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脚注

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注釈

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  1. ^ 平将門を祭神とし、中世は大手町の将門首塚の辺「上平川村」にあったという古社。田安台(田安門付近)に移った後、江戸城築造に伴い筑土八幡町に移され、筑土八幡社と並んでいた。戦災で焼失した後、九段中坂中腹の世継稲荷の境内地に移って現在に至る。九段一・二丁目、飯田橋、富士見、船河原町(新宿区)を氏子区域とする。
  2. ^ 九段坂の北側に平行し、築土神社に面する坂。坂を下って日本橋川に達する手前に滝沢馬琴の旧居跡があり、「馬琴の井戸」が残る。江戸時代から人気のない坂であったため、地元の口碑では、ここでのっぺらぼうが出たという。
  3. ^ 陸軍将校の共済・社交施設。九段坂に面して威容を誇ったが、戦後、敷地は住宅公団本部(今は移転)や実践倫理宏正会本部となり、偕行社は九段南四丁目に移っている。
  4. ^ 靖国神社外苑のソメイヨシノは、1958年頃、東京新聞社の寄付によって植えられたものである。
  5. ^ 出入口は昔からあったが、木造の南門および左右に伸びる築地塀は、戦後の1950年代に新設されたものである。近年、南門は初詣やみたままつりなどの人出の多い時期に閉鎖されることが多く、神社と地元とのつながりが希薄になっていることを示している。

出典

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  1. ^ a b 町丁別年齢別人口(住民基本台帳) - 令和7年3月1日現在” (XLS). 千代田区 (2025年3月13日). 2025年3月31日閲覧。 “(ファイル元のページ)(CC-BY-2.1)
  2. ^ a b 町丁別世帯数および人口(住民基本台帳)”. 千代田区 (2025年3月13日). 2025年3月31日閲覧。
  3. ^ 『国勢調査町丁・字等別境界データセット』(CODH作成)”. CODH. 2025年3月30日閲覧。(CC-BY-4.0)
  4. ^ a b 九段北の郵便番号”. 日本郵便. 2025年3月9日閲覧。
  5. ^ 市外局番の一覧”. 総務省. 2019年6月24日閲覧。
  6. ^ 国土交通省 不動産情報ライブラリ”. 国土交通省. 2025年3月19日閲覧。
  7. ^ 1967年(昭和42年)1月19日自治省告示第13号「住居表示が実施された件」
  8. ^ a b 平成7年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年3月28日). 2019年8月16日閲覧。
  9. ^ a b 平成12年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年5月30日). 2019年8月16日閲覧。
  10. ^ a b 平成17年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年6月27日). 2019年8月16日閲覧。
  11. ^ a b 平成22年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2012年1月20日). 2019年8月16日閲覧。
  12. ^ a b 平成27年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2017年1月27日). 2019年8月16日閲覧。
  13. ^ a b 令和2年国勢調査の調査結果(e-Stat) -男女別人口,外国人人口及び世帯数-町丁・字等”. 総務省統計局 (2022年2月10日). 2022年2月20日閲覧。
  14. ^ 区立小学校の通学区域”. 千代田区 (2017年8月17日). 2018年1月2日閲覧。
  15. ^ 区立中学校の通学区域と学校選択”. 千代田区 (2017年10月26日). 2018年1月2日閲覧。
  16. ^ a b c 経済センサス‐活動調査 / 令和3年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 事業所数、従業者数(町丁・大字別結果)”. 総務省統計局 (2023年6月27日). 2023年9月15日閲覧。
  17. ^ a b 経済センサス‐活動調査 / 平成28年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 都道府県別結果”. 総務省統計局 (2018年6月28日). 2019年10月23日閲覧。
  18. ^ 郵便番号簿 2024年度版” (PDF). 日本郵便. 2025年3月9日閲覧。

外部リンク

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