小言念仏
(世帯念仏から転送)
概要
編集ストーリーのない、形態模写の要素が濃い演目。大阪から東京に移入されたいわゆる「上方種」のひとつ。
あらすじ
編集演者は人々の様々な読経の様子を演じる。その際、扇子で見台(ない場合は床)を一定のリズムで叩き、木魚を模する。
演目の主題である小言をこぼしながら読経する老人は、以下のように演じられる。
- 朝の読経中、仏壇のホコリやしおれた花が気になり、「南無阿弥陀仏」ととなえる合間に妻に指摘する。
- 「南無阿弥陀仏」ととなえながら、「鉄瓶(の湯)が煮立っている」「飯が焦げているようだ」「今朝のおかずは何だ」と頻繁に妻に尋ねる。
- 表をどじょう屋が通るので、「南無阿弥陀仏」ととなえながら家族に呼ばせ、どじょうを買わせる。妻に「鍋に酒を入れて蒸し焼きにしろ。暴れないようにしっかり蓋をしておけ」と調理方法を細かく指示する。どじょうによく火が通ったことを聞き、念仏をしながらほくそ笑む(仏前で殺生の禁を堂々と冒す、という風刺)。
バリエーション
編集脚注
編集- ^ 1998年3月15日放送の「笑点」の演芸において、大喜利の出演者でもある三遊亭好楽がこの小三治のアレンジした「『南無阿弥陀仏』と『ドジョウ屋』を言い間違える」という所をオチにして演じたことがある。