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上谷口町(かみたにぐちちょう[3])は、鹿児島県鹿児島市[4]。旧薩摩国日置郡伊集院郷上谷口村日置郡上伊集院村大字上谷口日置郡松元町大字上谷口郵便番号は899-2703[5]。人口は2,489人、世帯数は1,081世帯(2020年4月1日現在)[6]

上谷口町
町丁
鹿児島市役所松元支所(旧松元町役場)
地図北緯31度36分 東経130度26分 / 北緯31.6度 東経130.44度 / 31.6; 130.44座標: 北緯31度36分 東経130度26分 / 北緯31.6度 東経130.44度 / 31.6; 130.44
日本の旗 日本
都道府県 鹿児島県の旗 鹿児島県
市町村 鹿児島市
地域 松元地域
人口情報2020年(令和2年)4月1日現在)
 人口 2,489 人
 世帯数 1,081 世帯
設置日 1889年4月1日
郵便番号 899-2703 ウィキデータを編集
市外局番 099
ナンバープレート 鹿児島
町字ID[1] 0026000
運輸局住所コード[2] 46500-1776
ウィキポータル 日本の町・字
鹿児島県の旗 ウィキポータル 鹿児島県
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1889年(明治22年)の町村制施行から2004年(平成16年)に松元町鹿児島市に編入されるまで上伊集院村・松元町の役場が置かれており行政上の中心地であった[7][8]。かつての松元町の区域にあたる鹿児島市松元地域の区域からなる「松元都市計画区域」において都市中心核に位置づけられている[9]

地理

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鹿児島市の西部、谷口川の上流域から中流域に位置している。上谷口川沿いの浸食平野に水田が開け、集落が散在している[10]

町域の北方には福山町松陽台町石谷町、南方には四元町、南方から東方にかけては春山町、西方には直木町日置市伊集院町下谷口がそれぞれ接している。

北部を鹿児島県道35号永吉入佐鹿児島線及び鹿児島県道24号鹿児島東市来線鹿児島本線がそれぞれ東西に通っている。また薩摩松元駅付近を起点とする鹿児島県道291号松元川辺線が南方向に通っており、南九州市方面に接続している。

また、鹿児島市立松元中学校鹿児島市役所松元支所などの公共施設や松元町の中心駅となる薩摩松元駅鹿児島市立松元小学校が集中しており、市町村合併以前は松元町の中心部であった。東部には上伊集院駅が位置する。

河川

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  • 松元川
  • 谷口川

歴史

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上谷口村の成立と近世

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上谷口という地名は江戸時代より見え、薩摩国日置郡伊集院郷(外城)のうちであった[11]天明年間の「伊集院由緒記」には「上谷口村、下谷口村、右二ヵ村前代谷口村と申す一ヵ村にて、上下に相分り候由。何年間に相分り為申訳、相知不申候。」と記されている[12]。「元禄郷帳」、「天保郷帳」ではともに「谷口村」であり、「薩藩政要録」によれば領内においては上谷口村・下谷口村として扱われており[10]、「旧高旧領取調帳」によれば谷口村が上谷口村と下谷口村(現在の日置市伊集院町下谷口)に分村していることがわかる[11]

上谷口村の村高は「伊集院郷土史」によれば866石余[11]、「由緒再撰調」では866石余[13]、「旧高旧領取調帳」では907石余であった[10][11]

村内は折尾、田原春、柿元、松元、入田本坊、前田、内田などの字に分かれていた[11]。鎮守には柿本人麻呂を祀っていた柿本神社があったが、1914年(大正3年)に入佐(現在の入佐町)の大鳥神社に合祀された[10][11]

1884年(明治17年)には伊集院郷のうち上谷口村、福山村、直木村、入佐村、春山村、石谷村の各村に置かれていた戸長役場が廃止され、上谷口村に6村を管轄する戸長役場が設置された[14]

町村制施行以後

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1937年(昭和12年)頃の饅頭石駅(現在の上伊集院駅)の構内

1889年(明治22年)4月1日町村制が施行されたのに伴い、伊集院郷のうち上谷口村、春山村、石谷村、福山村、直木村、入佐村の6村の区域より日置郡上伊集院村が成立した[15]。それまでの上谷口村は上伊集院村の大字上谷口」となった[11][15]。また、上伊集院村役場が大字上谷口字内田に設置された[14]。上伊集院村役場は1894年(明治27年)に999番地(現在の松元駅前郵便局)に移転し[14]1927年(昭和2年)には990番地・987番地・988番地を購入し移転した[16]

1913年(大正2年)10月11日には上谷口を鉄道が通り、川内線(現在の鹿児島本線)に饅頭石駅が設置された[17]。饅頭石駅は1949年(昭和24年)12月15日に上伊集院村議会の議決による請願により上伊集院駅に改称した[18]1954年昭和29年)2月11日には上谷口の小字である「松元」の名称が駅名となった薩摩松元駅が上伊集院村の請願駅として開設された[18]

1960年(昭和35年)4月1日には上伊集院村の名称が松元村に変更され[19]、同日松元村が町制施行し松元町となった[20]。松元町という町名は当時の村役場が大字上谷口の字松元に所在していたこと、前述の薩摩松元駅が村の中心部に設置されたことが理由として挙げられている[21]。また、自治体名の改称に伴って大字上谷口にある「上伊集院村立上伊集院中学校」は「松元町立松元中学校」[22]、「上伊集院村立上伊集院小学校」は「松元町立松元小学校」にそれぞれ改称された[23]

1987年(昭和62年)3月9日には松元町役場が2883番地(現在の鹿児島市役所松元支所)に新築移転し、松元町保健センターも併設された[24]

2001年平成13年)に上谷口のうち字茂谷の一部が大字直木字馬渡に編入され[25]2003年平成15年)7月4日には大字上谷口、大字福山(現在の福山町)、大字石谷(現在の石谷町)の各一部より新たに大字松陽台(現在の松陽台町)が設置された[26]

2004年(平成16年)2月2日に大字上谷口のうち境迫の全域及び新竿の一部が大字春山(現在の春山町)に編入され、大字直木(現在の直木町)及び大字上谷口の一部より大字四元(現在の四元町)が新たに設置された[27][28]

同年11月1日松元町日置郡郡山町鹿児島郡吉田町桜島町揖宿郡喜入町と共に鹿児島市に編入された[29]。合併に際して設置された法定合併協議会である鹿児島地区合併協議会における協議によって、松元町の区域の大字については「字の区域を廃止し、当該廃止された字の区域に相当する区域により新たに町の区域を設定し、その名称については表示案に基づき、各町の意向を尊重し合併までに調整するものとする」と協定された[30]

前述の協定に基づいて、合併前の10月26日鹿児島県告示である「  町の区域の設定及び字の廃止」が鹿児島県公報に掲載された[4]。この告示の規定に基づき、それまでの大字上谷口は廃止され、大字上谷口の全域を以て新たに鹿児島市の町「上谷口町」が設置された[31]

町・字域の変遷

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変更後 変更年 変更前
大字直木字馬渡(編入) 2001年平成13年) 大字上谷口字茂谷(一部)
大字松陽台(新設) 2003年平成15年) 大字上谷口(一部)
大字福山(一部)
大字石谷(一部)
大字春山(編入) 2004年平成16年) 大字上谷口字境迫(全域)、字新竿(一部)
大字四元(新設) 大字上谷口(一部)
大字直木(一部)

人口

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以下の表は国勢調査による小地域集計が開始された1995年以降の人口の推移である。

上谷口町の人口推移
人口
1995年(平成7年)[32]
2,208
2000年(平成12年)[33]
2,266
2005年(平成17年)[34]
2,428
2010年(平成22年)[35]
2,361
2015年(平成27年)[36]
2,299

施設

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鹿児島市立松元中学校
 
鹿児島市立松元小学校
 
松元平野岡体育館

公共

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教育

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郵便局

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  • 上伊集院郵便局[50]
  • 松元駅前郵便局[51]

寺社

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文化財

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市指定

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小・中学校の学区

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市立小・中学校に通う場合、学区(校区)は以下の通りとなる[56]

町丁 番・番地 小学校 中学校
上谷口町 142、3256 鹿児島市立東昌小学校 鹿児島市立松元中学校
1695番地のうち2、4~9号、1696番地3~6号、
1697番地1、3、5、6、10 - 13号、
1699番地2、4、5、10 - 16、18、19、21~25、
27、29~45、47、48、50~56、63、76~85、
104、111~113、117、118、124、160~165号
1712番地1 - 3、6、7、9 - 24、28 - 30、
1718番地3~7、1719番地2、3、2188番地5、
2193番地1、4号、2199番地5号、2247番地2~5号
鹿児島市立春山小学校
上記を除く全域 鹿児島市立松元小学校

交通

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薩摩松元駅
 
上伊集院駅

鉄道

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九州旅客鉄道鹿児島本線

道路

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主要地方道
一般県道
広域農道

バス

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鹿児島市コミュニティバス「あいばす」
  • 松元平野岡体育館・平野・内田三文字・松元駅前・松元支所・松元駅前・柿元・田原春・柿元陶苑前・上伊集院駅前

脚注

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  1. ^ 日本 町字マスター データセット”. デジタル庁 (2022年3月31日). 2022年4月29日閲覧。
  2. ^ 自動車登録関係コード検索システム”. 国土交通省. 2021年4月26日閲覧。
  3. ^ 鹿児島市の町名”. 鹿児島市. 2020年10月25日閲覧。
  4. ^ a b 平成16年鹿児島県告示第1775号(町の区域の設定及び字の廃止、  原文
  5. ^ 鹿児島県鹿児島市上谷口町の郵便番号”. 日本郵便. 2021年8月27日閲覧。
  6. ^ 年齢(5歳階級)別・町丁別住民基本台帳人口(平成27~令和2年度)”. 鹿児島市 (2020年4月1日). 2020年5月8日閲覧。
  7. ^ 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 1983, p. 1072.
  8. ^ 松元町郷土誌編さん委員会 1986, p. 509.
  9. ^ 松元都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針”. 鹿児島県. 2021年8月27日閲覧。
  10. ^ a b c d 芳即正 & 五味克夫 1998, p. 303.
  11. ^ a b c d e f g 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 1983, p. 208.
  12. ^ 松元町郷土誌編さん委員会 1986, p. 149.
  13. ^ 松元町郷土誌編さん委員会 1986, p. 229.
  14. ^ a b c 松元町郷土誌編さん委員会 1986, p. 330.
  15. ^ a b 松元町郷土誌編さん委員会 1986, p. 87.
  16. ^ 松元町郷土誌編さん委員会 1986, p. 331.
  17. ^ 松元町郷土誌編さん委員会 1986, p. 542.
  18. ^ a b 松元町郷土誌編さん委員会 1986, p. 543.
  19. ^ 村の名称変更(昭和35年総理府告示第105号、昭和35年3月31日付官報第9981号、  原文
  20. ^ 村を町とする処分(昭和35年総理府告示第106号、昭和35年3月31日付官報第9981号所収、  原文
  21. ^ 鹿児島県総務部参事室 1967, p. 776.
  22. ^ 松元町郷土誌編さん委員会 1986, p. 679.
  23. ^ 松元町郷土誌編さん委員会 1986, p. 859.
  24. ^ 松元町郷土誌編さん委員会 1986, p. 1164.
  25. ^ 平成13年鹿児島県告示第913号(字の区域の変更、平成13年6月8日付鹿児島県公報第1684号の2所収)
  26. ^ 平成15年鹿児島県告示第863号(字の区域の設定及び変更、  原文
  27. ^ 松元町企画振興課 2004.
  28. ^ 平成16年鹿児島県告示第70号(同年1月16日発行「鹿児島県公報」第1950号所収。  原文)。
  29. ^ 市町の廃置分合(平成16年総務省告示第591号、  原文
  30. ^ 合併協定項目一覧”. 鹿児島市. 2020年10月29日閲覧。
  31. ^ 合併後の住所表示”. 鹿児島市. 2020年10月29日閲覧。
  32. ^ 国勢調査 / 平成7年国勢調査 小地域集計 / 小地域集計 46鹿児島県”. 総務省統計局. 2021年8月27日閲覧。
  33. ^ 国勢調査 / 平成12年国勢調査 / 小地域集計 46鹿児島県”. 総務省統計局. 2021年8月27日閲覧。
  34. ^ 国勢調査 / 平成17年国勢調査 / 小地域集計 46鹿児島県”. 総務省統計局. 2021年8月27日閲覧。
  35. ^ 国勢調査 / 平成22年国勢調査 / 小地域集計 46鹿児島県”. 総務省統計局. 2021年8月27日閲覧。
  36. ^ 国勢調査 / 平成27年国勢調査 / 小地域集計 46鹿児島県”. 総務省統計局. 2021年8月27日閲覧。
  37. ^ 松元支所”. 鹿児島市. 2021年8月27日閲覧。
  38. ^ 鹿児島市長寿あんしん相談センター松元”. 鹿児島市. 2021年8月27日閲覧。
  39. ^ 松元地区保健センター”. 鹿児島市. 2021年8月27日閲覧。
  40. ^ 消防署等の所在地・電話番号”. 鹿児島市消防局. 2021年8月27日閲覧。
  41. ^ 南日本新聞 2015, p. 989.
  42. ^ 公民館図書室の所在地・電話番号・FAXを教えてください。”. 鹿児島市. 2021年8月27日閲覧。
  43. ^ a b c d e f 南日本新聞 2015, p. 1014.
  44. ^ 自転車等駐車場”. 鹿児島市. 2021年8月27日閲覧。
  45. ^ 市営上伊集院駅自転車等駐車場”. 鹿児島市. 2021年8月27日閲覧。
  46. ^ 南日本新聞 2015, p. 951.
  47. ^ 南日本新聞 2015, p. 950.
  48. ^ 南日本新聞 2015, p. 942.
  49. ^ 松元学校給食センター”. 鹿児島市. 2021年8月27日閲覧。
  50. ^ 上伊集院郵便局”. 日本郵便. 2021年8月27日閲覧。
  51. ^ 松元駅前郵便局”. 日本郵便. 2021年8月27日閲覧。
  52. ^ 松元町郷土誌編さん委員会 1986, p. 722.
  53. ^ 松元町郷土誌編さん委員会 1986, p. 717.
  54. ^ 南日本新聞 2015, p. 1068.
  55. ^ 松元町郷土誌編さん委員会 1986, p. 739.
  56. ^ 小・中学校の校区(学区)表”. 鹿児島市役所. 2020年9月26日閲覧。

参考文献

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  • 鹿児島県総務部参事室『鹿児島県市町村変遷史』鹿児島県、1967年。 
  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会「角川日本地名大辞典 46 鹿児島県」『角川日本地名大辞典』第46巻、角川書店、日本、1983年3月1日。ISBN 978-4-04-001460-9 , Wikidata Q111291392
  • 松元町郷土誌編さん委員会『松元町郷土誌松元町、1986年3月31日http://www.city.kagoshima.lg.jp/kikakuzaisei/kikaku/seisaku-s/shise/shokai/shishi/matsumoto.html , Wikidata Q111435644
  • 芳即正五味克夫日本歴史地名大系47巻 鹿児島県の地名』平凡社、1998年。ISBN 978-4582910544 
  • 松元町企画振興課『松元町閉町記念誌』松元町、2004年。 
  • 南日本新聞『鹿児島市史Ⅴ』 5巻、鹿児島市、2015年3月27日http://www.city.kagoshima.lg.jp/kikakuzaisei/kikaku/seisaku-s/shise/shokai/kagoshima-05.html , Wikidata Q111372912

関連項目

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