ヨナラ水道
沖縄県八重山郡竹富町にある海峡
ヨナラ水道(与那良水道[1]、ヨナラすいどう)は、沖縄県八重山郡竹富町の西表島野原崎と小浜島細崎との間の海峡(水道)。石垣島と西表島の間に広がるサンゴ礁である石西礁湖の切れ目の一つである。地元ではユナラドゥー(与那良渡)ともいう[2]。
地理
編集約2万年前の氷期の河谷跡が、海面上昇によって海峡となった。幅約500-750m、長さ約5km、水深は10-30mで北側が深い[2]。小浜航門[3]、小浜水道[4]と書いた記録もあり、航路や荒天時の避難所として重視されていた[2]。
自然
編集竹富島西側から浜島・嘉弥真島・小浜島の北側を経てヨナラ水道までの石西礁湖北部の海域は、2016年4月15日に「竹富島タキドゥングチ・石西礁湖北礁・ヨナラ水道海域公園地区」として西表石垣国立公園の海域公園地区に指定されている[5][6][7]。
ヨナラ水道はマンタ・ウェイとも呼ばれ、ナンヨウマンタ(マンタ)の回遊するスクーバダイビングのポイントとして人気が高い。一時期は、土地改良事業によるサンゴの被害[8]、オニヒトデの大発生、マンタの乱獲のために減少したが、近年、復活しているとされる[9]。
また、ハタの一種のナミハタ(サッコーミーバイ)の産卵海域であり、2010年から、4-5月の産卵期には期間を設けて保護区とされ、漁業が全面的に禁止されるとともに、ダイビングや船舶の停船の自粛が要請される[10][11][12][13]。2016年には、オニヒトデの幼生が高密度で分布することが明らかになっている[14][15]。
脚注
編集- ^ “サンゴの「白化」広がりで有効な対策なく「大切な観光資源失う」と危機感”. 八重山毎日新聞. (2007年8月17日)
- ^ a b c 日本歴史地名大系(オンライン版) 小学館 (『日本歴史地名大系』 平凡社、1979年-2002年 を基にしたデータベース)
- ^ 『寰瀛水路誌』[要ページ番号]
- ^ 『日本水路誌』 2巻、水路部、1894年8月4日、335頁 。
- ^ “西表石垣国立公園を拡張 平久保サガリバナ群落編入”. 八重山毎日新聞. (2016年4月8日)
- ^ “西表石垣国立公園 公園計画書” (PDF). 環境省 (2016年4月15日). 2018年8月30日閲覧。
- ^ “西表石垣国立公園 総括図5(1/25,000)” (PDF). 環境省 (2016年4月15日). 2018年8月30日閲覧。
- ^ “マンタに住みよい環境を”. 八重山毎日新聞. (2008年1月16日)
- ^ “『マリンダイビング』創刊記念YEAR特集第2弾 マンタと『マリンダイビング』の50年”. Marine Diving web(マリンダイビングウェブ). 2018年3月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年8月30日閲覧。
- ^ “ナミハタの帰巣性を確認 西海区水産研究所など”. 八重山毎日新聞. (2014年3月22日)
- ^ “4月から資源管理へ 今年7年目”. 八重山毎日新聞. (2015年3月26日)
- ^ “5カ所に保護区設置 漁業やレジャーなど自粛を”. 八重山毎日新聞. (2017年4月2日)
- ^ “八重山漁協が保護区設定”. 八重山毎日新聞. (2019年4月3日)
- ^ “世界初、オニヒトデ幼生の「巣」発見 石西礁湖”. 沖縄タイムス+. (2016年4月20日). オリジナルの2018年8月30日時点におけるアーカイブ。
- ^ “オニヒトデ幼生高密度で分布 世界初、石西礁湖で集団発見”. 八重山毎日新聞. (2016年4月20日)