メイストーム
メイストームとは、4月後半から5月にかけて日本海や北日本付近で発達する低気圧、およびこれによる暴風のこと[1]。この語は和製英語である[2]。別名は「春の嵐」[3]。
概要
編集毎年春先になると日本海や北日本周辺海域で温帯低気圧が台風並に発達し、広い範囲に荒天をもたらして山や海では登山者や船の遭難事故をしばしば起こすことがある。
この言葉の語源となったのは1954年5月9日から10日にかけて北日本近海で急激に発達し、漁船の集団遭難をもたらした低気圧である[1]。華北から日本海に進んできたこの低気圧は、9日9時には988ヘクトパスカルであったが翌10日9時には北海道東方に出て952ヘクトパスカルまで発達した。このため北海道周辺海域では風速15 - 30メートル毎秒の暴風となり、ちょうどサケ・マス漁の時期であったため多くの漁船が出漁中で、361人が犠牲になった。
この他、1956年には台風3号とこの台風から変わった熱帯低気圧がメイストームとなった。2011年には、台風1号・2号およびこれらから変わった熱帯低気圧・温帯低気圧がメイストームとなった。2012年4月初め、中心気圧が964ヘクトパスカルに発達した低気圧は大きな被害をもたらした[3]。
脚注
編集出典
- ^ a b 気象科学事典, p. 501「メイ・ストーム」(著者: 宮澤清治)
- ^ 熊本地方気象台 (2012)
- ^ a b “台風並みの暴風となる「春の嵐」「メイストーム」 気象情報や警報・注意報に注意して安全対策を”. 政府広報オンライン (2012年3月17日). 2019年3月21日閲覧。
参考文献
編集- 日本気象学会 編『気象科学事典』東京書籍、1998年。ISBN 4-487-73137-2。
- “気象ひとくちメモ 「メイストーム」” (PDF). 熊本地方気象台 (2012年4月13日). 2013年2月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月21日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- “メイストームって何だろう?”. 奈良地方気象台 (2011年6月). 2013年2月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年3月8日閲覧。