マーシュランド
『マーシュランド』(スペイン語: La isla mínima)は、2014年にスペインで制作されたスリラー映画。監督はアルベルト・ロドリゲス。題名はラス・マリスマス(グアダルキビール湿地)を意味している。スペインでは2014年9月26日に公開された。2014年2月の第29回ゴヤ賞では作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞など、10部門(最多)で受賞した[1]。日本ではクロックワークスが配給し、「ワールド・エクストリーム・シネマ2015」の一部として、2015年10月17日から東京都渋谷区のヒューマントラストシネマ渋谷で公開され、11月14日から神戸市のCinema KOBEで、12月5日から沖縄県中頭郡北谷町のミハマ7プレックスで公開された[1]。
マーシュランド | |
---|---|
La isla mínima | |
監督 | アルベルト・ロドリゲス |
脚本 |
アルベルト・ロドリゲス ラファエル・コボス |
出演者 |
ラウール・アレバロ ハビエル・グティエレス ネレア・バロス アントニオ・デ・ラ・トーレ |
音楽 | フリオ・デ・ラ・ロサ |
撮影 | アレックス・カタラン |
編集 | ホセ・M・G・モジャーノ |
製作会社 |
アティピカ・フィルムズ サクモロンテ・フィルムズ アトレスメディア・シネ |
配給 |
ワーナー・ブラザース クロックワークス[1] |
公開 |
2014年9月26日 2015年10月17日[1] |
上映時間 | 105分[1] |
製作国 | スペイン |
言語 | スペイン語 |
プロット
編集1939年から1975年まで続いたフランコ独裁体制の爪痕がいまだに残っている、1980年のスペイン・アンダルシア州にある小さな町が舞台である。首都マドリードからラス・マリスマス(グアダルキビール湿地)近くの町に左遷された刑事のペドロは、町の祭礼中に強姦されて殺害された2人の少女の事件を捜査する。ペドロはベテラン刑事のフアンとコンビを組み、過去にも似たような少女の失踪事件が起こっていることに気付く。ふたりの捜査方針の違い、貧困、差別、汚職、小児性愛、麻薬密売など多くの問題に行く手を阻まれながら、ペドロとフアンは冷酷な犯罪者と対面する。[2][1]
キャスト
編集- ラウール・アレバロ(ペドロ・スアレス刑事役)
- ハビエル・グティエレス(フアン・ロブレス刑事役)
- アントニオ・デ・ラ・トーレ(被害者の父親ロドリゴ役)
- ネレア・バロス(被害者の母親ロシオ役)
- ヘスス・カストロ(女たらしの好青年キニ役)
- メルセデス・レオン(猟師宿の女主人カーサ・ソト氏役)
- アデルファ・カルボ(フェルナンダ役)
- マノロ・ソロ(ジャーナリスト役)
- サルバドール・レイナ(ヘスス役)
- ヘスス・カロサ(ミゲル役)
- フアン・カルロス・ビリェヌエバ(アンドラーデ判事役)
- アルベルト・ゴンサレス(アルフォンソ・コラレス役)
- マヌエル・サラス(セバスティアン・ロビラ役)
- セシリア・ビリャヌエバ(マリア役)
- アナ・トメノ(マリーナ役)
評価
編集ABC紙の批評家であるパブロ・パソスは『マーシュランド』を2014年最高のスペイン映画のひとつと絶賛し、社会政治学的な伏線を持った息が詰まる警察物のスリラー映画と定義している[3]。またABC紙のパソスは、2014年にアメリカ合衆国で放送された刑事ドラマ『TRUE DETECTIVE』との類似性を指摘しているが、『マーシュランド』の撮影は『TRUE DETECTIVE』の放映より前に開始されている[4]。
受賞とノミネート
編集2014年9月のサン・セバスティアン国際映画祭では作品賞を含む4部門にノミネートされ、主演男優賞(ハビエル・グティエレス)など3部門で受賞した。第2回フェロス賞ではドラマ部門作品賞や監督賞など5部門で受賞した。
2015年2月の第29回ゴヤ賞では、主演男優賞にはラウール・アレバロとハビエル・グティエレスが揃ってノミネートされたほか、のべ17部門にノミネートされた[5]。作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、新人女優賞、作曲賞、撮影賞、編集賞、美術賞の10部門(最多)で受賞した。
映画祭/映画賞 | 部門 | 対象者 | 結果 |
---|---|---|---|
サン・セバスティアン国際映画祭[6] | 作品賞 | ノミネート | |
主演男優賞 | ハビエル・グティエレス | 受賞 | |
撮影賞 | アレックス・カタラン | 受賞 | |
I Premio Feroz Zinemaldia | 受賞 | ||
第2回フェロス賞[7] | ドラマ部門作品賞 | 受賞 | |
監督賞 | アルベルト・ロドリゲス | 受賞 | |
脚本賞 | アルベルト・ロドリゲス ラファエル・コボス |
ノミネート | |
主演男優賞 | ラウール・アレバロ | ノミネート | |
ハビエル・グティエレス | 受賞 | ||
助演男優賞 | アントニオ・デ・ラ・トーレ | ノミネート | |
助演女優賞 | ネレア・バロス | ノミネート | |
作曲賞 | フリオ・デ・ラ・ロサ | 受賞 | |
予告編賞 | 受賞 | ||
ポスター賞 | ノミネート | ||
第29回ゴヤ賞[8] | 作品賞 | 受賞 | |
監督賞 | アルベルト・ロドリゲス | 受賞 | |
脚本賞 | ラファエル・コボス アルベルト・ロドリゲス |
受賞 | |
主演男優賞 | ラウール・アレバロ | ノミネート | |
ハビエル・グティエレス | 受賞 | ||
助演男優賞 | アントニオ・デ・ラ・トーレ | ノミネート | |
助演女優賞 | メルセデス・レオン | ノミネート | |
新人女優賞 | ネレア・バロス | 受賞 | |
作曲賞 | フリオ・デ・ラ・ロサ | 受賞 | |
撮影賞 | アレックス・カタラン | 受賞 | |
編集賞 | ホセ・M・G・モジャーノ | 受賞 | |
プロダクション賞 | マヌエラ・オコン | ノミネート | |
美術賞 | ペペ・ドミンゲス | 受賞 | |
衣裳デザイン賞 | フェルナンド・ガルシア | ノミネート | |
メーキャップ・ヘアスタイル賞 | ジョランダ・ピーニャ | ノミネート | |
音響賞 | ダニエル・デ・サジャス ナチョ・ロジョ=ビリャノバ ペラージョ・グティエレス |
ノミネート | |
特殊効果賞 | ペドロ・モレーノ フアン・ベントゥーラ |
ノミネート | |
フォトグラマス・デ・プラータ | 作品賞 | 受賞 | |
第28回ヨーロッパ映画賞 | 観客賞 | 受賞 |
脚注
編集- ^ a b c d e f マーシュランド ワールド・エクストリーム・シネマ2015 クロックワークス
- ^ “La isla minima”. eCartelera. 2015年10月22日閲覧。
- ^ “"La isla mínima": llega la mejor película española del año” (Spanish). ABC (26 September 2014). 2015年10月22日閲覧。
- ^ “Una intriga seca en un mundo húmedo” (Spanish). ABC (26 September 2014). 2015年10月22日閲覧。
- ^ スペイン・アカデミー賞10部門受賞、映画『マーシュランド』渋谷で限定上映 小さな街を襲う凶悪事件 Fashion Press,
- ^ “Palmarés de la 62 edición del Festival de San Sebastián” (Spanish). Festival de San Sebastián (2015年10月22日). 2014年12月17日閲覧。
- ^ “Lista de nominados a los Premios Feroz 2015” (Spanish). Premios Feroz (2014年12月17日). 2014年12月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月16日閲覧。
- ^ “Candidaturas - La isla minima” (Spanish). Premios Goya. 2015年10月22日閲覧。