フェデックス
フェデックス・コーポレーション(英:FedEx Corporation)は、アメリカ合衆国テネシー州メンフィス市に本社を置く、フェデックスグループの持株会社である。世界的な物流企業であり、主に航空貨物輸送事業を行うフェデックス・エクスプレスなどを傘下にもつ。
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | NYSE: FDX |
本社所在地 |
アメリカ合衆国 テネシー州メンフィス市 北緯35度6分20.9秒 西経89度51分32.8秒 / 北緯35.105806度 西経89.859111度座標: 北緯35度6分20.9秒 西経89度51分32.8秒 / 北緯35.105806度 西経89.859111度 |
設立 | 1971年 |
業種 | 空運業 |
法人番号 | 8700150003055 |
事業内容 | 各種運送 |
代表者 | ラジ・スブラマニアム(社長 兼 CEO) |
従業員数 | 505,000名(2024年) |
主要子会社 | フェデックス・エクスプレス |
関係する人物 | フレデリック・W・スミス(会長・創業者) |
外部リンク | fedex.com |
歴史
編集同社は1971年にアメリカ合衆国アーカンソー州リトルロックでフレデリック・W・スミスによって設立されたフェデラル・エクスプレス・コーポレーション(Federal Express Corporation)を前身とする。
1997年10月2日、フェデラル・エクスプレスを子会社とする持株会社「FDX コーポレーション」を設立した[1]。
1998年1月、キャリバー・システム社(Caliber System, Inc.)を買収し、この子会社である小包宅配便業務を行うRPS(Roadway Package System)、速達配達業務を行うロバーツ・エクスプレス(Roberts Express)や、物流サービスを提供するキャリバー・ロジスティクス(Caliber Logistics)などを傘下に置いた。この買収により同社は速達配送以外のサービスを提供するようになった[1]。
2001年1月、「FDX コーポレーション」は社名を「フェデックス・コーポレーション」に変更し、子会社名も変更した。航空貨物事業を行っていた「フェデラル・エクスプレス」を「フェデックス・エクスプレス」に、「RPS」は「フェデックス・グランド」に変更するなどサービスを「フェデックス」に統一した[1]。
2004年2月、書類のコピーおよびプリント・サービスを提供する1,200店舗を持つアメリカのチェーン店「キンコーズ」(Kinko's)を買収し子会社化[1]。
2016年5月、オランダの国際物流大手「TNTエクスプレス」を買収し子会社化[1]。
2022年6月1日、創業者のフレデリック・W・スミスが CEO を退任し、取締役会長に就任。後継として前社長兼 COO のラジ・スブラアニアムが就任[2]。
2024年6月1日、子会社の「フェデックス・エクスプレス」「フェデックス・グランド」「フェデックス・サービス」の3社を「フェデラル・エクスプレス・コーポレーション」に統合[3][4]。
子会社とロゴ
編集子会社名 | 色 |
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フェデックス・エクスプレス | オレンジ |
フェデックス・カスタム・クリティカル | 青と赤 |
フェデックス・グランド | 緑 |
フェデックス・フリート | 赤 |
フェデックス・ロジスティクス | 灰色 |
フェデックス・サービス | 灰色 |
フェデックス・オフィス | 青 |
フェデックスのロゴは1994年に、当時ランドーアソシエイツに勤めていたリンドン・リーダー(Lindon Leader)[5]がデザインした。 Eとxの間の空白には右向きの矢印(→)を隠し絵的に見出すことができる。矢印を配置するため、UniversとFuturaの特徴を併せ持った独自の書体をデザインした[6]。
2000年代初頭、ロゴの「Ex」は各子会社によって異なる色が用いられており、会社全体を表す時は灰色が用いられていた。しかし2016年8月にすべてのロゴの色をオレンジ色に統一すると発表し、子会社ごとの色違いロゴは廃止された[7]。
- フェデックス・エクスプレス(FedEx Express) - フェデックス・ブランドの下で貨物航空機(カーゴ機)の運行を担当する、航空貨物輸送会社。
- フェデックス・グランド(FedEx Ground)- アメリカとカナダで日時指定の郵便や小包を配送する輸送会社。
- フェデックス・フリート(FedEx Freight) - アメリカとカナダでLTL(小口貨物輸送)を行う輸送会社。
- フェデックス・オフィス(FedEx Office) - 旧フェデックス・キンコーズ、日本の「フェデックス キンコーズ(FedEx Kinko's)」は2012年にコニカミノルタビジネステクノロジーズに売却され、キンコーズ・ジャパン株式会社に商号変更。
命名権と冠イベント
編集アメリカ合衆国のメリーランド州ランドーバー郊外にあるNFLワシントン・レッドスキンズの本拠地スタジアム「ジャック・ケント・クック・スタジアム」の命名権を、フェデックスが1999年11月に取得してスタジアム名が「フェデックスフィールド」となった。しかし同社は2024年に命名権を破棄し、現在はノースウェスト・スタジアムとなっている[8]。 また、同国テネシー州メンフィス市中心部に2004年オープンしたフェデックスフォーラムは、NBAメンフィス・グリズリーズとメンフィス大学男子バスケットボールチームの本拠地となっている。
フェデックス・セントジュード・クラシックは、メンフィス市で毎年6〜7月に開催されていた世界ゴルフ選手権のひとつである。1986年からフェデックスがスポンサーを務めているが、2007年からはスタンフォード・フィナンシャル・グループが新スポンサーとなり、フェデックスはスポンサーを降りる予定になっていた。その代わりに年間チャンピオンシップシリーズのフェデックスカップのスポンサーになった。2011年にはセントジュード・クラシックのスポンサーに復帰している。2019年からブリヂストン招待選手権の代わりに世界ゴルフ選手権の1戦として開催、大会名もフェデックス・セントジュード・インビテーショナルに変更される。更に2022年よりフェデックスプレーオフ第一戦としてザ・ノーザントラストに代わってフェデックス・セントジュード選手権として開催。
サッカーではUEFAチャンピオンズリーグの公式スポンサーとして2021/2022シーズンから務めている。(2018/2019〜2020/2021シーズンまではUEFAヨーロッパリーグの公式スポンサーを務めていた。※2015/16〜2017/18までのメインスポンサーを含む)
日本法人は、長野県塩尻市の塩尻営業所に社会人野球チームの本拠地登録をしており、都市対抗野球出場を目指して北信越代表として挑戦している(FedEx硬式野球部)。
フェデラルエクスプレス ジャパン
編集フェデラルエクスプレス ジャパン合同会社(英: Federal Express Japan GK)は、千葉県千葉市美浜区中瀬のワールドビジネスガーデン マリブウエストに本社を置く、フェデックスの日本法人である。
本社が入居するワールドビジネスガーデン マリブウエスト(右) | |
種類 | 合同会社 |
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市場情報 | 非上場 |
本社所在地 |
日本 〒261-0023 千葉県千葉市美浜区中瀬2丁目6番地1 ワールドビジネスガーデン マリブウエスト |
設立 | 1984年8月 |
業種 |
国際航空貨物取扱業 航空運送業 通関業 倉庫業 |
法人番号 | 5040001008612 |
事業内容 | 国際航空貨物取扱 |
外部リンク | https://www.fedex.com/ja-jp/home.html |
概要
編集日本国内における貨物の配達は、フェデックスの営業所が直轄している地域は直接配達するほか、2015年12月以降は30kg以下の貨物に限り日本郵便が行う[9]。2015年12月以前は営業所直轄地域を除き主にセイノースーパーエクスプレス(沖縄県のみ日本通運)が行っていた[10]。
2003年 - 2004年には、水素・燃料電池自動車実証プロジェクト(JHFC)の一環としてゼネラルモーターズから燃料電池自動車"Hydrogen 3"(オペル・ザフィーラがベース)を借り受け、東京都江東区の有明営業所で配送車として使用していた[11]。
沿革
編集航空事故・事件
編集脚注
編集出典
編集- ^ a b c d e “FedEx Our History” (英語). FedEx. 2024年11月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月12日閲覧。
- ^ “FedEx names Raj Subramaniam as CEO, replacing founder Fred Smith” (英語). (2022年3月28日) 2024年12月17日閲覧。
- ^ 「フェデックス、24年までに組織再編。北米で配送効率化」『日本海事新聞 電子版』2023年4月7日。2024年12月17日閲覧。
- ^ “FedEx Q4 FY24 Earnings Presentation”. FedEx (2024年6月28日). 2024年12月17日閲覧。
- ^ Lindon Leader, Federal Express Corporation, leader creative 2012年12月9日閲覧。
- ^ Lindon Leader (16 November 2004). "The Man Behind the FedEx Logo" (Interview). Interviewed by Steven. The Sneeze.
- ^ Birkner, Christine (2016年8月24日). “FedEx Is Making All of Its Logos Purple and Orange, Its Most Recognized Color Scheme” (英語). 2024年12月17日閲覧。
- ^ Jhabvala, Nicki; Maske, Mark (2024年2月28日). “FedEx ends naming-rights deal for Commanders' stadium two years early” (英語). The Washington Post. ISSN 0190-8286. オリジナルのFebruary 28, 2024時点におけるアーカイブ。 2024年2月28日閲覧。
- ^ “フェデックス、日本郵便との協力体制による 輸入貨物の配送サービスを開始”. FedEx 日本 (2015年12月21日). 2016年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月20日閲覧。
- ^ 直接集配地域外エリアにおける業務委託提携会社変更のお知らせ(2009年8月1日)
- ^ “東京でも配送業務に使われた燃料電池車 / GM ハイドロジェン3, 2001年式(平成13年) – 日本自動車博物館|乗りもののまち 小松”. www.motorcar-museum.jp. 2024年12月18日閲覧。
- ^ “法人プロフィール”. デジタル庁 経済産業省. 2024年9月27日閲覧。
- ^ “関空の米フェデックス貨物拠点で起工式 来年春操業”. MSN産経west. (2013年1月17日). オリジナルの2013年1月17日時点におけるアーカイブ。 2022年9月30日閲覧。
- ^ “フェデックス、北太平洋地区ハブを関西国際空港に開設”. フェデックス (2014年4月8日). 2014年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月30日閲覧。
- ^ 『フェデックス会社名変更等のお知らせ』(プレスリリース)フェデラルエクスプレスジャパン合同会社、2016年12月1日。オリジナルの2016年12月6日時点におけるアーカイブ 。2017年12月2日閲覧。
- ^ 株式会社ロジスティクス・パートナー「フェデックス、TNT/日本法人を統合」『物流ニュースのLNEWS』2020年7月1日。2024年12月18日閲覧。
関連項目
編集- DHL(競合他社)
- ユナイテッド・パーセル・サービス(競合他社)
- FedEx硬式野球部(社会人野球)
- キャスト・アウェイ - 2000年公開の映画。フェデックスで働く主人公を乗せた同社の機体が太平洋で墜落し、流れ着いた無人島での4年間を描いた作品。