パスティーシュ
パスティーシュ(仏: pastiche)は、作風の模倣のこと[1]。音楽・美術・文学などにおいて、先行する作品の要素を模倣したり、寄せ集め、混成すること[2]。パスティシュとも表記する[2]。イタリア語ではパスティッチョ(pasticcio=「(食品の)パイ」「こね混ぜたもの」)、パスタも同じ語源。
先駆者に影響を受けて文体や雰囲気などの作風が似ること(例:「宝塚風の舞台」)[1]。故意に似せた技法を「文体模写」と訳す(例:奥泉光『「吾輩は猫である」殺人事件』)。先行作品の登場人物を流用して物語を構成する作品もある(例:江戸川乱歩『黄金仮面』)[注 1]。
また、広い意味でのパロディ[1]もパスティーシュと呼ばれる。 パブリックドメインの小説や昔話などのパスティーシュ小説を一般公募する文学賞として、Book Shorts(ブックショート)が2014年から始まった。
脚注
編集- ^ a b c 『著作権とは何か』福井健策 集英社新書 2005年 ISBN 4-08-720294-1 P45 - 47 パスティーシュ(作風の模倣)。
- ^ a b 「パスティーシュ」 - 大辞林 第三版、三省堂。
注釈
編集- ^ 『奇巌城』『ルパン対ホームズ』『黄金仮面』『名探偵なんか怖くない』等。『ルパン三世』『金田一少年の事件簿』『二十面相の娘』『エノーラ・ホームズの事件簿シリーズ』『緋弾のアリア』のように子孫や親族などの人物が登場する作品もある。
参考文献
編集- 『著作権とは何か』福井健策 集英社新書 2005年 ISBN 4-08-720294-1 P45 - 47 パスティーシュ(作風の模倣)
- 清水良典「パスティーシュ=清水義範 (特集:現代作家のキーワード)―(パロディ・パスティーシュ(脱テクスト))」「国文学」Vol.41, No.10 (1996/08) pp. 118~119(學燈社 ISSN 0452-3016)