ハコエビ(箱海老)Linuparus trigonusイセエビ科に分類されるエビの一種。温暖でやや深い海の砂泥底に生息し、食用にもなる大型種である。方言呼称としてゾウエビ(象海老)、ドロエビ(泥海老)などもある。

ハコエビ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 軟甲綱 Malacostraca
: 十脚目 Decapoda
: イセエビ科 Palinuridae
: ハコエビ属 Linuparus
White1847
: ハコエビ L. trigonus
学名
Linuparus trigonus
(Von Siebold, 1824)
英名
Sandy-mud spiny lobster
Japanese spear lobster

特徴

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成体の体長は30-40cmほどで、イセエビに匹敵する大型種である。は堅く、全面に小顆粒があり、つやがない。外見はイセエビにも似るが、イセエビに比べてや突起は少ない。頭胸甲の中ほどに頸溝があって、前後が明らかに仕切られる。頸溝より後ろでは背面中央と左右に計3本の(キール)が走り、体の断面が五角形をなす。腹部の各節には1本の横溝があるが、後半の第4-6腹節では背面中央の稜線で中断される。体色はほぼ赤褐色だが、生体の甲の縁や関節部は黄白色で縁取られる。

第2触角は扁平で先が尖り、体長と同じくらいの長さがある。イセエビ科は第2触角つけ根の関節から触角を後方に曲げられるのが普通だが、ハコエビ属は触角を後方に曲げられず、常に前方に突き出している。第2触角の間に細く短い第1触角がある。また、メスは第5歩脚の先端に小さなをもつ。

属名 Linuparus は、イセエビ属 Panulirus と同様にヨーロッパイセエビ属 Palinurusアナグラムである。種小名 trigonusは「三つの角を持つ」という意味で背面の3稜に因み、和名もまたその角張った体型がを想起させることに由来する。英名の一つ"Japanese spear lobster"は前に突き出た触角をに見立てたものである。

アフリカ東岸から日本ハワイオーストラリアまで、インド洋と西太平洋熱帯亜熱帯海域に広く分布する。日本では島根県千葉県以西の沿岸域に分布する。

水深20-300mほどのやや深い海の砂泥底に生息するが、日本近海では水深70-120mに多い。アフリカ東岸では水深324mの岩礁域から漁獲された記録もある。

日本では刺し網底引き網などで漁獲され食用になるが、イセエビやウチワエビほどの漁獲量はなく、市場に出回ることは少ない。

近縁種

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ハコエビ属 Linuparus には4種が属する[2]

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ MacDiarmid, A., Butler, M., Cockcroft, A. & Wahle, R. (2013). "Linuparus trigonus". IUCN Red List of Threatened Species. Version 2014.3. International Union for Conservation of Nature.
  2. ^ "Linuparus White, 1847". World Register of Marine Species. 2015年1月30日閲覧

参考文献

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