ノックスクート
ノックスクート (NokScoot) は、かつてタイ王国・バンコクにあるドンムアン空港を拠点に運航した格安航空会社。運航時のブランドスローガンは、"Fly Awesome" (最高の空の旅を)[2]。
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法人番号 | 7700150004335 | |||
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設立 | 2013年10月 | |||
運航開始 | 2015年5月 | |||
運航停止 | 2020年6月26日[1] | |||
ハブ空港 | ドンムアン空港 | |||
親会社 |
ノックエア (49%) スクート (49%) フエアンナミトルカンパニー (2%) | |||
保有機材数 | 7機 (2020年6月現在) | |||
就航地 | 10都市 (2020年6月現在) | |||
本拠地 | タイ バンコク | |||
代表者 | Piya Yodmani | |||
外部リンク | 公式サイト - ウェイバックマシン(2020年5月18日アーカイブ分) |
概要
編集タイの格安航空会社「ノックエア」 (49%) とシンガポールの格安航空会社「スクート」 (49%) 、フエアンナミトルカンパニー (2%) の共同出資により、長距離国際線を運航する格安航空会社として設立された[3][4]。正確には新規設立ではなく、タイの航空会社「ピートエア (Pete Air)」をノックエアとスクートが買収し名称変更するという方法が採られており、これは就航準備期間をより短くするためである[5][6]。ブランドロゴには、ネットワークを拡大し、世界中を目にしたいという会社の意向を表現した「ノックスクートバード」と呼ばれる鳥のキャラクターが制定され、コーポレートカラーにはノックエアとスクート両社のコーポレートカラーでもある黄色が採用された[4]。
2015年3月には初の日本行き路線となるバンコク-成田線の運航を予定していたものの[7]、同月に国連国際民間航空機関(ICAO)がタイ航空局に対し安全審査体制において「重大な安全上の懸念」があると指摘したことを受け、国土交通省が認可を中断。これにより就航を延期せざるを得なくなった[8][9]。
2017年10月、ICAOがタイ航空局の「重大な安全上の懸念」を解除したことに伴い、路線の拡大計画を発表。今後、半年をめどに新機材を導入し、バンコク/ドンムアン空港から日本、中国、インド、韓国へ新路線を開設することが報じられた[10]。
2018年4月20日、国土交通省より外国人国際航空運送事業の経営許可を受け[11]、6月1日よりドンムアン空港 - 成田国際空港間に就航[12]。
2020年6月、経営不振等により清算。事業を終了した。経営不振の理由としては、同社が設立以来通年黒字を達成できていない中[13]、航空業界における競争環境の激化に見舞われたことに加え、新型コロナウイルス感染症による渡航制限や需要急減により業績がさらに悪化したことが挙げられている[1][14]。なおこれに伴い、清算に向けた作業を行う少人数を除く従業員425人が解雇され、残りの従業員も清算完了後に解雇されることとなった[14][15]。
沿革
編集- 2014年8月20日 : 設立。
- 2015年6月2日 : ドンムアン空港 - 南京禄口国際空港間就航。
- 2015年10月25日 : ドンムアン空港 - 台湾桃園国際空港間就航。
- 2016年1月15日 : ドンムアン空港 - 天津浜海国際空港間就航。
- 2016年4月4日 : ドンムアン空港 - 瀋陽桃仙国際空港間就航。
- 2016年9月23日 : ドンムアン空港 - 大連周水子国際空港間就航。
- 2017年11月22日 : ドンムアン空港 - 西安咸陽国際空港間就航。
- 2018年6月1日 : ドンムアン空港 - 成田国際空港間就航。
- 2018年10月29日 : ドンムアン空港 - 関西国際空港間就航[16]
- 2020年6月26日 : 取締役会で事業終了と会社清算を決議。
保有機材
編集ノックスクートは、スクートの親会社であるシンガポール航空から入手したボーイング777-200ER型機のみを運航しており[17]、最初の航空機は2014年11月に保有機材に加わった[18]。機体塗装は、親会社のスクートとノックエアの塗装を組み合わせたものを採用している[19]。
機材 | 運航機数 | 発注機数 | 座席数 | 備考 |
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ボーイング777-200ER | 7[20][21] | 0 | 415[22] | シンガポール航空に返却[23] |
就航路線
編集2020年6月30日時点[24]
国 | 都市 | 空港 | 備考 | その他参照 |
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タイ | バンコク | ドンムアン空港 | ハブ空港 | |
中国 | 瀋陽 | 瀋陽桃仙国際空港 | ||
青島 | 青島流亭国際空港 | |||
天津 | 天津浜海国際空港 | |||
南京 | 南京禄口国際空港 | |||
台湾 | 台北 | 台湾桃園国際空港 | ||
日本 | 大阪 | 関西国際空港 | スクートと共同で運航 | [25] |
札幌 | 新千歳空港 | [26][27] | ||
東京 | 成田国際空港 | スクートと共同で運航 | ||
インド | デリー | インディラ・ガンディー国際空港 | [28] |
過去の運航路線
編集サービス内容
編集運航時はスクートと同様に、座席指定、機内預け手荷物、機内食、各種付加サービスは有料となっていた。
また、優先的なチェックインや搭乗案内、無料の機内食といったサービスが受けられるScootBiz というビジネスクラス相当の機内クラスが用意されていた[31]。
この他、フライトパス(Flight Pass)という各種サービスが割引で利用できる回数券を販売していた[32]。
脚注
編集- ^ a b “NokScoot goes out of business”. Bangkok Post. (2 June 2020) 26 June 2020閲覧。
- ^ “NokScoot Reveals Brand Identity and Readies for Marketing Activities”. NokScoot. 2016年5月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月23日閲覧。
- ^ “ノックエア、長距離路線LCCのノックスクート設立を承認”. FlyTeam. (2014年6月20日)
- ^ a b “ノックスクート、ブランドロゴ制定”. Aviation Wire. (2014年9月12日)
- ^ “ピートエアがノックスクートに社名変更 ノックエアらが株式取得で就航準備期間を短縮”. Traicy. (2014年8月21日)
- ^ “ノックスクート、2015年1月から3月に777-200で就航へ”. FlyTeam. (2014年8月22日)
- ^ “タイLCCノックスクートが清算手続き 従業員は解雇”. Aviation Wire (2020年6月27日). 2023年12月23日閲覧。
- ^ “ノックスクート、就航延期 ICAO判断影響か”. Aviation Wire (2015年3月25日). 2023年12月23日閲覧。
- ^ “国交省、タイ航空会社の新規就航など認可中断-XWは延期、XJは札幌線調整中”. トラベルビジョン (2015年3月31日). 2023年12月23日閲覧。
- ^ “ノックスクート、2018年第1四半期に成田線就航へ ネットワーク拡大を計画”. FlyTeam. (2017年10月12日)
- ^ 外国人国際航空運送事業の経営許可 (PDF) - 国土交通省
- ^ “ノックスクート、東京/成田〜バンコク/ドンムアン線就航 6月1日から”. Traicy. (2018年4月20日)
- ^ “タイLCCノックスクートが会社清算 日本にも就航”. 日本経済新聞 (2020年6月26日). 2023年12月23日閲覧。
- ^ a b “タイLCCノックスクートが清算手続き 従業員は解雇”. Aviation Wire (2020年6月27日). 2023年12月23日閲覧。
- ^ “タイLCCノックスクートが清算、新型コロナの影響で経営がさらに悪化、回復見込めず”. トラベルボイス (2020年6月30日). 2023年12月23日閲覧。
- ^ “アジア系LCC、日本に続々 旺盛な訪日需要追い風”. 日本経済新聞. (2018年8月22日)
- ^ “Thai low-cost airline NokScoot shuts down amid losses”. 朝日新聞(英語版) (2020年6月27日). 2023年12月23日閲覧。
- ^ “Thailand's NokScoot takes delivery of first B777” (英語). ch-aviation (26 November 2014). 2023年12月23日閲覧。
- ^ “PICTURES: NokScoot reveals livery” (英語). FlightGlobal (24 November 2014). 2023年12月23日閲覧。
- ^ NokScoot fleet details - AirFleets.net
- ^ NokScoot Fleet Details and History - PlaneSpotters.net
- ^ HS-XBB: NokScoot Boeing B777-200Flightera、2023年12月23日閲覧。
- ^ “NokScoot becomes victim of COVID-19 pandemic”. Aviation Week (2020年6月29日). 2023年12月23日閲覧。
- ^ “就航都市”. NokScoot. 2020年6月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月23日閲覧。
- ^ “ノックスクート 大阪(関西)-バンコク(ドンムアン)線 XW111便 搭乗レポート (就航初便)”. LCCjp (2018年11月2日). 2023年12月23日閲覧。
- ^ “ノックスクート、新路線 札幌(新千歳)-バンコク(ドンムアン)線 10月27日就航!記念運賃は片道9,000円から”. LCCjp (2019年8月28日). 2023年12月23日閲覧。
- ^ “【就航】ノックスクート、札幌―バンコク線が就航10/27”. タイ国政府観光庁 (2019年10月28日). 2023年12月23日閲覧。
- ^ “NokScoot makes first foray into India”. Media Infoline (2018年12月12日). 2023年12月23日閲覧。
- ^ “NokScoot’s First Shanghai Flight Touches Down in Pudong”. Lookeast Magazine (2019年2月28日). 2023年12月23日閲覧。
- ^ a b “Route Map”. NokScoot. 23 August 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。3 May 2018閲覧。
- ^ “ScootBiz”. NokScoot. 2018年4月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月23日閲覧。
- ^ “Flight Pass”. NokScoot. 2020年3月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月23日閲覧。