ダンベイキサゴ
ニシキウズガイ科の巻貝
ダンベイキサゴ(團平喜佐古)、学名 Umbonium giganteum は、古腹足目ニシキウズガイ科に分類される巻貝の一種[1]。本州・四国・九州の沿岸砂底に生息し、食用に漁獲もされている。漁獲地近辺ではナガラミ、キシャゴなど多くの地方名がある。
ダンベイキサゴ | |||||||||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Umbonium giganteum (Lesson,1831) |
成貝は殻幅40mmほどでキサゴより大きく、日本産キサゴ類では最大種である。貝殻は中央部が低く盛り上がった饅頭形をしている。外側に細い螺溝があるが、上面は溝などがなくツルツルしていて光沢がある。寿命は5年以上と考えられる[2]。産卵期は4 - 6月、11 - 1月である[2]。
殻の色は青灰色で、縫合(巻きの繋ぎ目)に沿って藍色斑が並ぶパターンが多く、キサゴやイボキサゴに比べると個体変異が少ない。殻底には他のキサゴ類と同様に滑層が広がるが、キサゴやイボキサゴは赤い部分が多いのに対し、本種では灰色や白の部分が多い。
男鹿半島・鹿島灘から九州南部までの沿岸に分布する[1]。外洋に面した砂浜に生息するが、キサゴやイボキサゴが波打ち際からいるのに対し、本種はやや沖合いの水深5-30mほどの砂底に多い。半ば砂に埋まりながらブルドーザーのように砂底を這い、デトリタスや藻類などを濾過摂食する。休息する時は殻が隠れる程度に砂に潜る。人間以外の敵はガザミなどのカニ類がいる。
分布域では九十九里浜・相模湾・駿河湾・浜名湖など各地で食用に漁獲され、市場にも流通する。漁獲期は初夏で、軽く茹でてショウガ醤油に浸すなどの料理がある。酒肴や副菜などに用いられる。
脚注
編集- ^ a b 柴田輝和「九十九里海域におけるダンベイキサゴの産卵期」『日本水産学会誌』第59巻第8号、日本水産学会、1993年、1309-1312頁、doi:10.2331/suisan.59.1309、ISSN 1349-998X。
- ^ a b “千葉県 沿岸重要水産資源 平成29年度資源評価票 ダンベイキサゴ” (PDF). 千葉県. 2022年12月10日閲覧。
参考文献
編集- 檜山義夫監修『野外観察図鑑 改訂版 6 貝と水の生物』旺文社 ISBN 4010724269
- 奥谷喬司・楚山勇『新装版 山渓フィールドブックス 海辺の生きもの』山と渓谷社 ISBN 4635060608
- 奥谷喬司編著『日本近海産貝類図鑑』(ニシキウズガイ科解説 : 佐々木猛智)東海大学出版会 2000年 ISBN 9784486014065