タラワ
座標: 北緯1度25分 東経173度02分 / 北緯1.417度 東経173.033度
タラワ(英語: Tarawa)は、キリバス共和国の首都であり、中部太平洋にある環礁の名称。日米では太平洋戦争中の激戦地として知られる。
タラワ Tarawa | |
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ボンリキ国際空港 | |
位置 | |
タラワの位置 | |
位置 | |
タラワの位置 | |
座標 : 北緯1度19分45秒 東経172度58分42秒 / 北緯1.32917度 東経172.97833度 | |
行政 | |
国 | キリバス |
行政区 | ギルバート諸島 |
地区 | タラワ |
地理 | |
面積 | |
地区域 | 33.7 km2 |
標高 | 3 m (10 ft) |
人口 | |
人口 | (2008年現在) |
地区域 | 40,311人 |
概要
編集バイリキ島はタラワ環礁内では比較的小さな島だが、キリバス共和国およびタラワ環礁の政治の中心地であり、実質的な首都機能を果たす。ただしキリバス共和国議会はアンボ島にあるほか、いくつかの行政官庁はベシオ島やビケニベウ島に分かれて設置されており、いわゆる一極集中型の首都ではない。
地理
編集地形
編集島嶼
編集バイリキ島、ボンリキ島、ベシオ島、アンボ島、ビケニベウ島など計24の島々から成り、うち8島は無人島である。以前はイギリス領ギルバート諸島の首府であった。
生態系
編集環礁にラグーン、サンゴ礁、潮間帯の干潟が多く、ボーンフィッシュなどの魚類、アオウミガメなどのウミガメ、甲殻類、オオシャコガイ、海藻および植物など様々な生物が生息している。特に北部のノート村一帯のヤエヤマヒルギ(Rhizophora stylosa)が優占種のマングローブ林はキリバスでマングローブが見られる数少ない地域である。2013年にラムサール条約登録地となった[1]。
気候
編集タラワ(ボンリキ国際空港)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 35.0 (95) |
33.0 (91.4) |
35.0 (95) |
34.5 (94.1) |
34.5 (94.1) |
33.5 (92.3) |
34.5 (94.1) |
34.5 (94.1) |
34.5 (94.1) |
35.0 (95) |
35.0 (95) |
35.0 (95) |
35.0 (95) |
平均最高気温 °C (°F) | 30.7 (87.3) |
30.6 (87.1) |
30.7 (87.3) |
30.7 (87.3) |
30.8 (87.4) |
30.8 (87.4) |
30.9 (87.6) |
31.0 (87.8) |
31.1 (88) |
31.2 (88.2) |
31.3 (88.3) |
30.9 (87.6) |
30.9 (87.6) |
日平均気温 °C (°F) | 28.2 (82.8) |
28.1 (82.6) |
28.1 (82.6) |
28.2 (82.8) |
28.4 (83.1) |
28.3 (82.9) |
28.2 (82.8) |
28.3 (82.9) |
28.4 (83.1) |
28.6 (83.5) |
28.5 (83.3) |
28.2 (82.8) |
28.3 (82.9) |
平均最低気温 °C (°F) | 25.3 (77.5) |
25.3 (77.5) |
25.2 (77.4) |
25.3 (77.5) |
25.5 (77.9) |
25.3 (77.5) |
25.1 (77.2) |
25.2 (77.4) |
25.3 (77.5) |
25.4 (77.7) |
25.4 (77.7) |
25.3 (77.5) |
25.3 (77.5) |
最低気温記録 °C (°F) | 21.5 (70.7) |
22.5 (72.5) |
22.5 (72.5) |
22.5 (72.5) |
21.0 (69.8) |
21.0 (69.8) |
21.0 (69.8) |
21.5 (70.7) |
22.5 (72.5) |
22.0 (71.6) |
22.5 (72.5) |
22.0 (71.6) |
21.0 (69.8) |
降水量 mm (inch) | 271 (10.67) |
218 (8.58) |
204 (8.03) |
184 (7.24) |
158 (6.22) |
155 (6.1) |
168 (6.61) |
138 (5.43) |
120 (4.72) |
110 (4.33) |
115 (4.53) |
212 (8.35) |
2,052 (80.79) |
平均降水日数 (≥0.3 mm) | 15 | 12 | 14 | 15 | 15 | 14 | 16 | 18 | 15 | 11 | 10 | 17 | 172 |
% 湿度 | 81 | 80 | 81 | 82 | 81 | 81 | 80 | 79 | 77 | 77 | 79 | 81 | 80 |
平均月間日照時間 | 220.1 | 192.1 | 207.7 | 201.0 | 229.4 | 219.0 | 229.4 | 257.3 | 243.0 | 260.4 | 240.0 | 189.1 | 2,688.5 |
平均日照時間 | 7.1 | 6.8 | 6.7 | 6.7 | 7.4 | 7.3 | 7.4 | 8.3 | 8.1 | 8.4 | 8.0 | 6.1 | 7.4 |
出典:Deutscher Wetterdienst[2] |
人口
編集住民の大半はミクロネシア人である。1990年時点での人口は約2万8千人で、ボンリキ島が最大の面積・人口を誇り、タラワ環礁唯一の国際空港(ボンリキ国際空港)がある。
歴史
編集近代
編集- 太平洋戦争中の激戦地として知られ、1943年11月20日から開始されたタラワの戦いでは、この島を要塞化した日本軍とアメリカ軍との間で壮絶な戦いが繰り広げられた。現在も、日本軍関連の施設がベシオ島のいたる所に残っており、戦没者の慰霊碑もある。
現代
編集- 2003年に閉鎖されていた在キリバス中華人民共和国大使館が、2020年に再び設置された[3][4]。
- 2023年1月1日、在キリバス日本国大使館が新設された[5]。
政治
編集行政
編集大統領邸
編集- 南タラワが行政の中心地として発展しており、大統領邸などが所在する。
行政区画
編集タラワ環礁は大きく
- 南タラワ
- ベシオ
- 北タラワ
- という3つの行政区に分けられる。
議会
編集南タラワはバイリキ島からタナエア島にかけての地域であり、テイナイナノ都市評議会(TUC)という機構が管轄する、キリバス共和国の実質的な首都かつタラワ環礁の政治的中心である。
ベシオは経済の中心ベシオ島を区域とし、ベシオ町評議会(BTC)が管轄する。そして残りの地域が北タラワに分類される。
経済
編集ベシオ島はタラワ環礁の経済の中心地で、主要な港湾を抱えることから、コプラや真珠を輸出している。この島はかつて、日米間で戦闘が行われた激戦の島でもある。
第一次産業
編集農業
編集漁業
編集第三次産業
編集商業
編集- 主な商業施設
- キリバススーパーマーケット
貿易業
編集教育
編集大学
編集交通
編集空路
編集空港
編集バス
編集タラワには鉄道はなく、主な交通手段はバスである。また、停留所もなく、通りかかったバスに手を上げて停車してもらい、乗車する方式をとっている。
道路
編集ベシオとバイリキの間の交通手段はかつては浅瀬を干潮時に歩いて渡っていたが、近年連絡路コーズウェイが完成したため、現在は自動車による交通も可能となった。 なお、バイリキからベシオへ入る場合は有料であるが、逆にベシオからバイリキへ行く場合は無料である。
航路
編集港湾
編集- ベシオ港 - 貿易港として機能している。
文化・名物
編集スポーツ
編集- 競技施設
- バイリキ国立競技場
登場する作品
編集- 「孤島の落日」人生交差点第四部「すべての始まり」 (2022年 推敲堂著 ネクパブ・オーサーズプレス ISBN 978-4-8020-7857-3) 太平洋戦争におけるタラワ環礁での戦闘を、日本海軍特別陸戦隊員だった「私」の手記として描いた戦記小説。
出典
編集- ^ “Nooto-North Tarawa | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2013年3月4日). 2023年4月15日閲覧。
- ^ “Klimatafel von Tarawa, Int. Flugh. Bonriki / Kiribati (Gilbert-Inseln)” (German). Baseline climate means (1961–1990) from stations all over the world. Deutscher Wetterdienst. 29 September 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。29 September 2019閲覧。
- ^ “キリバス共和国”. 外務省 (2021年6月23日). 2022年12月29日閲覧。
- ^ “China opened an embassy on a tiny, remote Pacific island during the pandemic. Here's why”. CNN travel. (2020年6月27日) 2022年12月29日閲覧。
- ^ 我が国在外公館等の新規開設 | 外務省