スクールバンドschool band)は、広義には学校単位で運営される音楽団体のことを指す。狭義には音楽教育及び人間教育の一環として小学校中学校高等学校(さらには大学)のクラブ活動として活動している吹奏楽団、またはそれに近い編成の楽団のことを指す。音楽大学や音楽を専攻する学生のみによる団体を除外する場合もある。

日本のスクールバンド

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小学校、中学校、高等学校においては、主にクラブ活動として活動している吹奏楽金管バンドマーチングバンド(ドラムアンドビューグルコーを含む)、ビッグバンド、またはそれらに近い編成の楽団のことを指し、小学校では器楽合奏団のことを指すこともある。音楽大学以外の大学においては、応援団や体育会所属のサークルとしてスポーツ応援活動やパレードマーチング・ショーに取り組んでいる吹奏楽団やマーチングバンド、学生会(学友会)や文化会所属のサークルとして独立した音楽活動に取り組んでいる吹奏楽団やマーチングバンド、その両方に取り組んでいる吹奏楽団やマーチングバンドのことを指す。

戦後、1951年(昭和26年)に文部省学習指導要領で特別教育活動(現 特別活動)について公示したことで、全国の小学校、中学校、高等学校で、スクールバンドが設置できるようになった。クラブ活動の必修化が、1968年(昭和43年)に小学校、1969年(昭和44年)に中学校、1970年(昭和45年)に高等学校で実施されたことと、学齢人口が増加したこと(団塊ジュニア学齢に達したこと)に伴いスクールバンドの数が増加した。各コンクールへの出場を通して演奏の技術水準が飛躍的に向上し、プロおよびアマチュア音楽愛好家の広い裾野としての役割を果たしてきた。

2018年問題に象徴される少子化や、コロナ禍を機とする部員減少、学校における働き方改革による練習時間短縮、部活動の地域移行[1]など様々理由により、スクールバンド全体の活動規模縮小が懸念されている。その一方で小編成スクールバンドのために、東日本学校吹奏楽大会日本管楽合奏コンテストS部門が開催されたり、全日本吹奏楽コンクール課題曲公募要項で編成条件を小編成対応にしたり[2]、課題曲演奏における規制緩和の実施が行われている。

日本のスクールバンドの特徴

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年齢や活動時間がほぼ同じで、その活動は一年を通して行われ、学校内外の各種行事への参加の機会も多く、子供たちは豊富な演奏の場を経験できる。多くのスクールバンドは活動の中心をコンクール参加としている。スクールバンドによっては、音楽の追究よりも勝敗にこだわっていたり、参加行事をこなすことに重点を置いていたり、音楽面よりも人格形成に重点を置いていたりするために、音楽的理解が深められていないことがある。 1951年(昭和26年) 学習指導要領において「特別教育活動(のちの特別活動)は、生徒たち自身の手で計画され、組織され、実行され、かつ評価されねばならない。」と定められて以来、吹奏楽部などのスクールバンドでも「自発的、自治的な活動」、「自主的な生活態度」などをキーワードに活動が展開されてきたため、日本では吹奏楽指導についてアメリカのように統一された系統的な指導方法や練習システムは確立されていない。また、スクールバンドの顧問を担う教員は必ずしも音楽科教員である必要はなく音楽科教員以外でも担っている場合があるうえ、一部の大学を除いて音楽大学や音楽科教員を養成する大学では吹奏楽指導法の授業はないため、ほとんどは顧問を務めるようになってから指揮法や合奏法を自己研鑽して習得している。解決策として中学校では2017年度(平成29年度)より部活動指導員が制度化され、学校が外部指導者として専門家を利用できるようになった[3]。 授業ではなく異年齢集団として活動しているため、日本独特の「上下関係システム"Jougekankei System"」という年長者が年少者を指導する練習体系がある。

「スクールバンド」の名称使用について

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1930年(昭和5年) 東京府立第一商業高等学校(現東京都立第一商業高等学校)ほかを指導していた廣岡淑生(後の全国中学校吹奏楽研究協議会会長、日本吹奏楽指導者協会会長、全日本吹奏楽連盟会長)が、東京音楽学校(現東京藝術大学)での音楽教育研究大会で研究発表「スクールバンドに就いて」を行った。これは「スクールバンド」の名称が使用されたものとして最も古い記録である(2024年12月31日現在)。「スクールバンドに就いて」で廣岡は、「我国のバンドに付いては軍楽隊位なもので、民間のバンドとしては、大方のものはヂンダンヂンダンとやって居るに過ぎないのである。我国のスクールバンドに付いて考えてみると、運動会用の器具に等しいのである。そこで是からは音楽教育として、学校の一機関として、そうした地位に於いて教育の目的に向かって縦横に馳駆しなければならぬ。」と述べ、「スクールバンド」という名称を日露戦争を機に増えた軍楽隊ジンタ(ヂンタ)等の実用音楽と区別し、学校生徒・児童の発達段階に応じた音楽教育及び人間教育の一環と捉えて指導にあたった。その後も廣岡は1933年(昭和8年)「季刊ブラスバンド vol.1」No.4(管楽器研究会)で「スクールバンドの現在と将来」、1933年(昭和8年)「音楽教育の思潮と研究」(田村虎蔵先生記念刊行会編 目黒書店 1933年)で「スクールバンド」、1935年(昭和10年)「学校音楽」六月号(共益商社書店)で「学校合奏団指導」と題し、同様のことを論じた。

歴史

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明治:日露戦争(1904年(明治37年)〜1905年(明治38年))の頃、出兵する兵士を送るため、少年少女たちによる音楽隊や楽隊が全国で組織される。

軍事教練のために結成[4]


大正〜昭和・戦前:街頭での出征兵士への壮行演奏や国威高揚を目的とした演奏だけでなく、学校行事等での式典演奏を行うスクールバンドが現れ、学校の音楽会で行進曲以外にも編曲されたクラシック音楽も演奏されるようになった。昭和に入り、各地域で吹奏楽連盟が組織されたことで、クラシック音楽を演奏する大演奏会や競技会が開催されるようになった。

指導者の西村は留学したコロンビア大学で目の当たりにした学校行事等で中心的な役割を担うスクールバンドの効用を実感し、学校創立と同時にバンド編成の準備を進めた。入学式や卒業式、応援など学校行事での演奏のほか、近隣の小学校の運動会での演奏などコミュニティバンドとして活動した記録が残っている。
指導者の廣岡は「スクールバンド」という名称を用い、これまでの軍楽やジンタ等の実用音楽と区別し、学校生徒・児童の発達段階に応じた音楽教育及び人間教育の一環と捉えて指導にあたった。

昭和・戦後:全日本吹奏楽コンクール全日本マーチングコンテスト全日本小学校バンドフェスティバル全国小学校管楽器合奏フェスティバル等が開催される。中学校と高等学校、大学においては、吹奏楽コンクール課題曲の編成に準じた編成を整えていくようになり、団体によってはソプラノ・サックスやフリューゲルホルンのほか、イングリッシュホルンコントラバスクラリネットハープマリンバなど高価の楽器を揃えるようになる。小学校においては、各団体の方針に基づいて吹奏楽だけでなく、金管バンドマーチングバンドビッグバンド、器楽合奏など多様な編成での活動が盛んになる。全日本吹奏楽コンクール等で優秀な成績を収めた団体が海外のイベントに招待され演奏したり、海外のコンテストに出場し優秀な成績を収めたことで、日本のスクールバンドのレベルの高さを世界に伝えることとなった。

1954年(昭和29年) 合唱と合奏の2つの団体部門を追加。
1962年(昭和37年) NHK全国学校音楽コンクール合奏の部として開催。
1968年(昭和43年) 全国学校合奏コンクールとして開催。
2012年(平成24年) 日本学校合奏コンクールとして開催。
1997年(平成9年) 座奏形式もマーチング形式も「全日本マーチングフェスティバル 小学校バンドの部」に統一され、「全日本マーチングフェスティバル パレードコンテスト中学の部/同高校の部/フェスティバル中学の部/同高校・一般の部」の前日に同会場で開催。
2019年(令和元年) 「全日本小学生バンドフェスティバル」に名称変更。小学生による地域バンドや合同バンドが出場できるようになった。
2024年(令和6年) 10月26日ステージパフォーマンス部門(全日本吹奏楽コンクール大学・職場一般の部と同会場)と11月16日マーチング部門(全日本マーチングコンテストと同会場)に分けて開催。


平成:全日本高等学校選抜吹奏楽大会日本管楽合奏コンテスト全日本高等学校吹奏楽大会in横浜シンフォニックジャズ&ポップスコンテスト全日本ポップス&ジャズバンドグランプリ大会全日本ブラスシンフォニーコンクール全国ポピュラーステージ吹奏楽コンクール等、従来の吹奏楽コンクールだけではなく、様々な目的をもったコンテストが開催されるようになる。


令和:地域バンドへの移行が始まる。

全日本吹奏楽連盟の加盟団体数の推移

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[8]

小学校、中学校、高等学校においてクラブ活動として吹奏楽団や金管バンドマーチングバンドを設置しているほとんどの学校が、全日本吹奏楽連盟の下部組織吹奏楽連盟に加盟している。

年度 小学校 中学校 高等学校 大学 職場 一般 合計 備考
昭和43年度
1968年度
44 1,846 1,158 59 144 57 3,308
昭和54年度
1979年度
238 3,057 2,053 112 96 382 5,938
平成元年度
1989年度
842 5,722 3,326 207 102 955 11,154
平成22年度
2010年度
1,125 7,188 3,792 331 88 1,771 14,295 大学と合計が最多
平成25年度
2013年度
1,173 7,192 3,810 323 75 1,692 14,265 小学校が最多
平成26年度
2014年度
1,145 7,214 3,823 313 80 1,666 14,241 中学校と高校が最多
令和6年度
2024年度
840 7,086 3,616 281 66 1,472 13,361 平成元年度以降で小学校が最少


吹奏楽コンクール参加状況

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[9]

年度 中学校
50名以下の部門
中学校
35名以下の部門
不参加 中学校
50名以下の部門
中学校
35名以下の部門
不参加
2017 2,831 3,877 498 39.3% 53.8% 6.9%
2023 2,230 4,183 673 31.5% 59.0% 9.5%
年度 高等学校
55名以下の部門
高等学校
35名以下の部門
不参加 高等学校
55名以下の部門
高等学校
35名以下の部門
不参加
2017 1,526 1,706 570 40.1% 44.9% 15.0%
2023 1,197 1,634 785 33.1% 45.2% 21.7%
年度 大学
55名以下の部門
大学
35名以下の部門
不参加 大学
55名以下の部門
大学
35名以下の部門
不参加
2017 141 21 137 47.2% 7.0% 45.8%
2023 133 16 132 47.3% 5.7% 47.0%
  • 35名以下の部門は、支部によって人数の上限が異なる
  • 35名以下の部門には都道府県によっては人数制限なしのフリー部門も含まれる
  • 大学の部で35名以下(小編成)の部門を設置しているのは、北海道支部のみ

活動状況

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一部の学校を除き、小学校、中学校、高等学校では、授業日は授業外の時間帯(朝の始業前、昼休み、放課後)に活動、授業日以外は各学校毎によって活動状況が異なる。音楽高等学校や高等学校の音楽科、普通科音楽コース等においては、授業として活動できる時間帯がある。

「文化部活動の実態把握に関する調査」アンケート結果(文化庁2018年(平成30年))

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[10][11]

調査対象校・調査対象の選定基準
 中学校  : 全国中学校総合文化祭の直近2か年の出場校44校中のうち、吹奏楽10校
 高等学校 : 文化部活動事例集の直近2か年の執筆協力校37校のうち、吹奏楽17校

  • 一週間当たりの平日の平均的な活動日数
0日 1日 2日 3日 4日 5日
0% 0% 0% 3.7% 37.0% 59.3%


  • 一週間当たりの土曜日の平均的な活動時間
活動なし 1時間未満 1〜2時間未満 2〜3時間未満 3〜4時間未満 4〜5時間未満 5〜6時間未満 6〜7時間未満 7時間以上
3.7% 0% 0% 18.5% 14.8% 14.8% 14.8% 14.8% 18.5%


  • 長期休業期間中の一週間当たりの平均的な活動日数
0日 1日 2日 3日 4日 5日 6日 7日
0% 0% 0% 7.4% 14.8% 37.0% 33.3% 7.4%


文化部活動等の実態調査 報告書(文化庁2020年(令和2年)3月)

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[12]

調査概要
 調査手法 : インターネットリサーチ(WEBアンケート調査)
 調査時期 : 2020年1月20日(月)〜2020年1月29日(水)
 調査対象者 : 全国の部活動に所属している国公私立、国立大学付属の中学校段階、高等学校段階の学校生徒の保護者
 回収数 : 中学校段階の保護者10,000名、高等学校段階の保護者10,000名

表示注意事項
 本報告書の集計結果は原則として小数第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合がある。
 複数回答の集計結果は合計が100%を超える場合がある。


  • 部活動の種別における吹奏楽部員の割合
割合 回答数
中学生 10.4% 1,036
高校生 6.3% 634


  • 吹奏楽部の1日の活動時間 【平日(月曜〜金曜)(夏休み等の長期休業中以外の期間)】
30分未満 30分〜1時間未満 1時間〜2時間未満 2時間〜3時間未満 3時間〜4時間未満 4時間〜5時間未満 5時間〜6時間未満 6時間〜7時間未満 7時間〜8時間未満 8時間〜9時間未満 9時間〜10時間未満 10時間〜11時間未満 11時間〜12時間未満 12時間 以上
中学生 1.6% 7.9% 50.7% 33.5% 5.2% 0.1% 0.2% 0.1% 0.2% 0% 0.3% 0.1% 0% 0.1%
高校生 0.6% 3.3% 38.0% 40.2% 13.6% 2.5% 1.1% 0.3% 0% 0.2% 0% 0% 0% 0.2%


  • 吹奏楽部の1日の活動時間 【土曜・日曜(夏休み等の長期休業中以外の期間)】
30分未満 30分〜1時間未満 1時間〜2時間未満 2時間〜3時間未満 3時間〜4時間未満 4時間〜5時間未満 5時間〜6時間未満 6時間〜7時間未満 7時間〜8時間未満 8時間〜9時間未満 9時間〜10時間未満 10時間〜11時間未満 11時間〜12時間未満 12時間 以上
中学生 3.9% 0.9% 5.5% 18.5% 35.5% 16.0% 8.2% 5.1% 4.3% 1.3% 0.2% 0.1% 0.2% 0.3%
高校生 5.7% 0.6% 6.0% 11.7% 20.7% 11.5% 13.7% 12.0% 9.1% 3.2% 3.3% 1.3% 0.5% 0.8%


  • 吹奏楽部の週何日の休みの日数 【平日(月曜〜金曜)(夏休み等の長期休業中以外の期間)】
1日 2日 3日 4日 5日 なし
中学生 57.8% 12.2% 2.2% 1%未満 1%未満 26.3%
高校生 32.8% 8.4% 2.5% 1%未満 1%未満 54.7%


  • 吹奏楽部の週何日の休みの日数 【土曜・日曜(夏休み等の長期休業中以外)】
1日 2日 なし
中学生 79.7% 6.9% 13.3%
高校生 59.1% 8.2% 32.6%


  • 吹奏楽部の1日の活動時間 【平日(月曜〜金曜)(夏休み等の長期休業中)】
30分未満 30分〜1時間未満 1時間〜2時間未満 2時間〜3時間未満 3時間〜4時間未満 4時間〜5時間未満 5時間〜6時間未満 6時間〜7時間未満 7時間〜8時間未満 8時間〜9時間未満 9時間〜10時間未満 10時間〜11時間未満 11時間〜12時間未満 12時間 以上
中学生 1.4% 1.1% 6.7% 17.5% 33.7% 15.3% 10.0% 6.8% 5.2% 1.6% 0.1% 0.2% 0.2% 0.3%
高校生 2.4% 2.4% 5.5% 10.9% 18.0% 12.6% 14.2% 12.9% 11.7% 5.5% 1.4% 1.7% 0.3% 0.5%


  • 吹奏楽部の1日の活動時間 【土曜・日曜(夏休み等の長期休業中)】
30分未満 30分〜1時間未満 1時間〜2時間未満 2時間〜3時間未満 3時間〜4時間未満 4時間〜5時間未満 5時間〜6時間未満 6時間〜7時間未満 7時間〜8時間未満 8時間〜9時間未満 9時間〜10時間未満 10時間〜11時間未満 11時間〜12時間未満 12時間 以上
中学生 4.9% 1.2% 4.8% 14.8% 32.7% 16.4% 10.3% 6.9% 5.5% 1.7% 0.3% 0.1% 0.2% 0.2%
高校生 7.4% 0.6% 5.0% 9.1% 16.2% 12.3% 15.0% 11.7% 12.6% 6.0% 1.3% 1.7% 0.6% 0.3%


  • 吹奏楽部の2019年(令和元年)の夏休み期間中の連続した休みの日数
2日間未満 2日間 3日間 4日間 5日間 6日間 7日間 8日間 9日間 10日間 11日間 12日間 13日間 14日間 15日間以上
中学生 3.3% 3.8% 8.7% 7.4% 16.5% 5.4% 20.5% 3.4% 2.2% 12.6% 0.6% 1.4% 0.1% 3.1% 11.0%
高校生 6.0% 5.5% 13.4% 10.9% 18.9% 3.5% 17.0% 2.4% 0.9% 10.1% 0.2% 0.5% 0.3% 2.5% 7.9%

バンド編成の推移

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アメリカでは授業として吹奏楽活動が実施されているためバンドの規模や各パート毎の人数に目安があるが、日本では任意の特別活動として吹奏楽活動が実施されているため学校規模によってバンドの規模や各パート毎の人数は異なり、さらに地域性に因る幅もある。数名のバンドから100名を超えるバンドまで様々である。

1905年(明治38年) 高知市立高知商業学校(現高知市立高知商業高等学校)音楽隊の編成

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楽器名 楽器数
Clarinet 2
Trunpet 1
Baritone 1
Bass 1
Snare Drum 1
Bass Drum 1

1944年(昭和19年) 静岡県立見付高等女学校(現静岡県立磐田北高等学校)管楽隊の編成

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楽器名 楽器数
Piccolo 2
Flute 2
E♭ Clarinet 2
B♭ Clarinet 5
Cornet 4
Trunpet 3
Altohorn 3
Valve Trombone 3
Baritone 3
小バス 3
Snare Drum 1
Bass Drum & Cymbals 1

同校に「管楽隊購入経過調書」が残っている。

1937年度(昭和12年度)〜1940年度(昭和15年度) 楽器メーカー推奨の編成

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楽器名 ニッカン 20名
(1937年)
タナベ 20名
(1938年)
ヲグラ 15名
(1940年)
Piccolo C/Db 1 1 1
Flute (1)
Oboe 1
E♭ Clarinet 1
B♭ Clarinet 4 3 1
B♭ Clarinet(13keys) 2
E♭ Alto Saxophone 1
A/B♭ Cornet 3 3 2
A/B♭ Trumpet 1 2 1
Altohorn 2 2
Trombone 2 2 2
Baritone in B♭ 1 1 1
小バス 2 1 2
E♭ Bass 1
Contrabass in B♭ 1
Snare Drum 1 1 1
Bass Drum & Cymbals 1 1 1
Total 20 20 15
  • 喇叭鼓隊など
楽器名 ニッカン 17名
喇叭鼓隊
(1937年)
タナベ 18名
旋律喇叭隊
(1938年)
ヲグラ 15名
喇叭鼓隊
(1940年)
指揮杖 1 1
ピッコロ 2
旋律クラリネット 4
小喇叭(または長喇叭) 6 6
中喇叭 4 4
大喇叭 1 1
ピストン喇叭 4
バリトン喇叭 2
小太鼓 4 3 4
大太鼓 & シンバル 1 1
大太鼓 1
シンバル 2
合計 17 18 17


楽器名 <ア> <イ> <ウ> <エ> <オ> <カ> <キ>
Piccolo 1 1 1 1 1 1 1
Flute 1 1 2 2 2 1 2
Oboe 1 1 2 1 1 1
Bassoon 1 1 2 1 1 1
E♭ Clarinet 1 1 1 1 1 1
B♭ Solo Clarinet 1
B♭ Clarinet 3 3 3 3 3 3 3
E♭ Alto Clarinet 1
B♭ Bass Clarinet 1 1 1 1
B♭ Soprano Saxophone 1
E♭ Alto Saxophone 1 2 1 2 2 2 2
B♭ Tenor Saxophone 1 1 1 1 1 1 1
E♭ Baritone Saxophone 1 1 1 1 1
B♭ Trumpet 3 3 3 3 2 3
B♭ Cornet 3
F Horn 3 4 4 4 4 2 4
Altohorn
Trombone 3 3 3 3 3 2 3
Baritone in B♭ 1 1
小バス/Euphonium 1 1 1 1 1 1
Basses 1 1 1
Bass in E♭ 1
Bass in B♭ 1
Tuba 1 1 1
String Bass 1 1
Electric Bass Guitar 1
Drums 1
Timpani 1 1 1 1
Snare Drum 1 1 1 1
Bass Drum 1 1 1 1
Cymbals 1 1 1
Suspended Cymbal 1 1 ●,▲
Tom-tom
Triangle 1 1
Tambourine 1
KAGURA Bells(or Sleigh Bells)
Wood Block 1
Conga 1
Glockenspiel 1 1 1
Xylophone 1 1 1
Vibraphone 1

[21]

楽器名 パート数
Piccolo(Flと持ち替え可) 1
Flute 2
Oboe 2
Bassoon 2
E♭ Clarinet 1
B♭ Clarinet 3
E♭ Alto Clarinet 1
B♭ Bass Clarinet 1
E♭ Alto Saxophone 2
B♭ Tenor Saxophone 1
E♭ Baritone Saxophone 1
B♭ Trumpet 3
F Horn 4
Trombone 3
Euphonium 1
Tuba 1
(String Bass) 1
Timpani 1
Percussions 5名
以内

( )はオプション


2025年度(令和7年度) 課題曲の編成

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[22]

次の[A]または[B]の何れかとする。

[A] [B]
Piccolo (Piccolo)
Flute 1-2 Flute
Oboe (Oboe)
Bassoon (Bassoon)
E♭ Clarinet (E♭ Clarinet)
B♭ Clarinet 1-3 B♭ Clarinett 1-2
E♭ Alto Clarinet (E♭ Alto Clarinet)
B♭ Bass Clarinet B♭ Bass Clarinet
E♭ Alto Saxophone 1-2 E♭ Alto Saxophone 1-2
B♭ Tenor Saxophone B♭ Tenor Saxophone
E♭ Baritone Saxophone E♭ Baritone Saxophone
B♭ Trumpet 1-3 B♭ Trumpet 1-2
F Horn 1-4 F Horn 1-2
Trombone 1-3 Trombone 1-2
Euphonium Euphonium
Tuba Tuba
String Bass (String Bass)
Percussion(5名以内で演奏が可能であること) Percussion(4名以内で演奏が可能であること)
  • ( )の楽器はオプションとして加えること。その際、( )以外の楽器と同じ旋律等を演奏させること(同一旋律等の他楽器演奏中に休符があっても構わない) 。

打楽器について

[A] [B]とも次の打楽器の中から選択すること(記載以外は不可) 。

Timpani(23” 26” 29” 32”), Snare Drum, Bass Drum, Crash Cymbals, Suspended Cymbal, Tom-tom, Tam-tam, Triangle, Tambourine, Sleigh Bells, Maracas Castanets, Wind-Chime, Conga, Bongo, Claves, Drum-Set, Wood Block, Vibra-slap, Glockenspiel, Xylophone, Vibraphone

関連団体

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アメリカカナダのスクールバンド

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[23]

アメリカカナダなどでは、音楽の授業として活動している吹奏楽またはそれに近い編成の楽団のことを指す。

アメリカのスクールバンドの特徴

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正規の授業として「吹奏楽」があり、専門の指導者(音楽教育学士の学位とバンドマスターの資格所有者)によって小学校、中学校、高等学校、大学と一貫して指導される。また音楽教育の基準として指導内容が系統づけられており、スクールバンド活動として、基礎的な技能の習得、上級の技能の習得、各楽器毎の技能の習得について細やかな指導内容が示してある。アメリカでは、スクールバンドと音楽は一心同体であり、スクールバンドが裾野として支えられているからこそ大学とかプロの頂点に立つバンドが存在している。また、スクールバンドは小学校から高等学校までの全人教育の一環として確立した地位を与えられている。 吹奏楽コンクール(コンテスト、フェスティバル)は、州毎によって独自に運営され開催されている。各州での吹奏楽コンクールは1920年代から始まり、以前は課題曲を設定し細かく厳密に審査していたが、今日ではバンドのカラーを重視し、音楽的に優れたバンドを評価するようになった。また初見視奏を課すことが一般的である。

小学校バンド・中学校バンド

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中学校に入学する前に楽器を習う子供もいますが、米国およびカナダの音楽教育プログラムの生徒は、一般的に6年生または7年生から毎日の吹奏楽の授業を始めます。多くの吹奏楽プログラムは、4年生または5年生から始まり、通常は学年に基づいて吹奏楽団を構成します。その後、楽器ごとの指導をより良くするために、セクションに分割されることがあります。初心者の生徒は、音階やアンブシュアなどの基本を簡単に教えることができるように、他の楽器を学ぶ前に1年間リコーダーを演奏することが求められる場合があります。その他の要件には、基本的な音楽理論や記譜法などを理解するためにピアノやギターを学ぶことが含まれる場合があります。

学校の最年少の生徒で構成される「初心者」バンドは、通常、年に2~3回のコンサートを開催し、地域や州のコンテストに参加することもあります。これらのバンドには、多くの重複したパートと単純なリズムを含む、覚えやすい曲が与えられます。生徒は、12の長音階を暗記しなければならないこともあります。学校の規模に応じて、初心者バンドの後に1~3つの「上級」バンドが存在する場合があります。これらのバンドは通常、高校バンドと同様に分けられます。一部の学校では、生徒にオーディションを受けさせ、楽器の能力に応じてバンドに配置する必要があります。他の学校では、授業での演奏に基づいて生徒を割り当てます。また、生徒を年齢や学年レベルに応じて分類するだけの場合もあります。これらの決定のほとんどは、指揮者が行います。これらの上級バンドは、高校の試合や壮行会で演奏し、地元の高校バンドを補助しますが、小規模な学校では、常にこれらのイベントに参加します。初心者バンドは、通常、選択科目の枠で行われます。

高校バンド

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高校バンドは、一般的に、中学校バンドよりも音楽的に難しい課題を生徒に課します。音楽は、より複雑なパッセージ、入り組んだリズム、より複雑なフレージングなど、はるかに難しくなります。選曲もスタイルがさまざまです。バランスの取れた吹奏楽団は、本格的な「プログラム音楽」からより軽い「ポップスタイル」の音楽まで、幅広い音楽を演奏できることが求められます。多くの高校生にとって、スクールバンドは学校で受けられる音楽教育の主な形態です。行進曲は、吹奏楽部のレパートリーに最初に大きく貢献しました。現在、行進曲以外にも吹奏楽部用に書かれた曲は数多くありますが、上級アンサンブルのレパートリーに含めるべき歴史的なスタンダード曲がいくつかあります。これらの曲の中で最も有名なものには、ホルストの「第1組曲変ホ長調」と「第2組曲変ヘ長調」、グレインジャーの「子供たちのマーチ」や「リンカンシャーの花束」などがあります。 アメリカで最初の高校バンドは1856年に設立されたボストン・ファーム・アンド・トレード・スクールバンドである。アメリカで現在も活動している最も古い高校バンドは1872年に設立されたクリスチャン・ブラザーズ高校クリスチャン・ブラザーズ・バンドメンフィス)である。

大学バンド

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高等教育機関では、多くの大学が吹奏楽プログラムを正式なコースとして提供しており、多くの場合、より広範な音楽カリキュラムに組み込まれています。これらのコースは、学生に音楽の才能を伸ばすための体系的な教育プラットフォームを提供し、音楽理論、演奏技術、アンサンブル表現の理解を深めます。 これらの大学バンドは、規模が大きく、音楽の熟練度が高いという点で、高校バンドと一線を画しています。大学バンドのメンバーが増え、技術レベルが多様化することで、より豊かで複雑な音楽体験が実現します。大学の環境では、音楽の概念をより専門的かつ高度に探求できるため、これらのプログラムに参加する学生は通常、音楽の才能と熱意のレベルが高くなります。

その他のスクールバンド

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生徒には、他にも多くのスクールバンドに接する機会があります。これらのほとんどは、小グループが毎日または学校時間中に集まるかどうかに関係なく、毎日のバンドの授業を指導するディレクターの管轄下にあります。

マーチングバンド

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多くの学校、特にアメリカの高校にはマーチングバンドがあります。学校のマーチングバンドには、11人から500人を超える生徒が含まれます。マーチングバンドは夏の終わりから秋の初めにかけて頻繁に練習し、学校のフットボールの試合に参加して、スタンドで音楽を演奏し、ハーフタイムマーチング・ショーをすることが最も多いです。ショーは通常6分から10分ですが、多くのコンテストでは時間制限があります。バンドはマーチング・シーズン(通常はフットボールシーズンと同じ時期)を通してマーチングバンドのコンテストに参加することがよくあります。コンテストの難しさは様々です。地域によっては、個々の学校が主催する小規模なローカル大会が多数開催されています。地域大会を主催するところもあります。バンズ・オブ・アメリカなどの大会はアメリカ全土に知られており、専門的なアリーナで開催されます。 マーチングバンドはショーに加え、パレードに参加することもよくあります。多くの場合、これは市や町の自治体のパレードに限られますが、メイシーズ・サンクスギヴィング・デイ・パレードや元旦のトーナメント・オブ・ローズ・パレードなど、よく知られたパレードに参加するために遠征するバンドもあります。

ジャズバンド

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多くの学校には、コンサート・プログラムに加えてジャズ・プログラムがあります。学校によって、ジャズバンドの時間帯は異なります。学校時間中に実際の授業として集まるところもあれば、週に2~3回、放課後または登校前に練習するところもあります。学校時間中に授業として集まると、生徒の学業の授業とスケジュールが重なることがよくあります。ジャズバンドは、多くの場合、自習室、自由時間、または昼休みの一部にリハーサルを行います。ジャズ・アンサンブルの一般的な楽器には、トランペット、トロンボーン、アルト・サックス、テナー・サックス、バリトン・サックス、ドラム・セット(「トラップ・セット」と呼ばれることが多い)、ギター、ベース ギター、ピアノ、クラリネット、そして多くの場合、ビブラフォンまたはマリンバが含まれます。多くの地域でジャズ・フェスティバルが開催されますが、これらの人気はアメリカ国内のさまざまな地域によって大きく異なります。ジャズバンドは、バンド・プログラム全体のアンバサダー・アンサンブルとして使用されることが最も多いです。さらに、ジャズ教育は学校の音楽科内の専門分野として人気が高まっていると見られています。

室内楽アンサンブル

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学校には、実際の授業として集まる室内楽アンサンブルはほとんどありません。通常は、地域、州、予算によって異なります。これらのグループのほとんどは、コンテストやリサイタルのために指揮者または生徒自身が結成した臨時のアンサンブルです。例としては、クラリネット四重奏、木管五重奏、金管五重奏、二重奏、三重奏などがあります。木管または金管セクション全体、またはバンドの打楽器セクションで構成されるグループが結成されることもあります。

全地域バンド

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おそらく個々の学校とは関係ありませんが、全地域バンドは各学校の最上級の演奏者のためのオーディションのみのグループです。最もローカルな「全郡」または「全地区」(学区を指す場合) から、より権威のある「全州」まで、さまざまな「全地域」バンドがあります。多くの州では、郡と州のバンドの間にレベルがあり、地域によって名前が異なります。これらのイベントは、参加する学生に大いに楽しんでもらえることがよくあります。コンサートでは音楽作品の難易度が上がることが多く、学校では見られない挑戦を提供します。また、学生は同じ楽器の新しい演奏者と出会い、自分のバンド体験談を共有することもできます。全地域バンドは通常、週末で終わリますが、コンサートを行う前に1週​​間以上集まるバンドもあります。 全州とは関係ありませんが、フロリダ州には「フェスティバル・オブ・ウィンズ」と呼ばれる州全体のバンド・フェスティバルがあり、12月の最初の週末にタンパサウスフロリダ大学で開催されます。また、フロリダアラバマジョージアには「トライステート」と呼ばれるバンド・フェスティバルがあり、「フェスティバル・オブ・ウィンズ」と同じ時期にフロリダ州タラハシーフロリダ州立大学で開催されます。

モダンバンド

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モダンバンドは、アメリカの公立学校で教えられている楽器と声楽の音楽プログラムです。楽器には通常、アコースティック・ギターエレキ・ギターエレキ・ベースキーボードボーカル、コンピューター、打楽器が含まれます。モダンバンドのレパートリーは、ポップ、ロック、ディスコ、レゲエ、ヒップホップなど、商業的に支配的で現代的な音楽スタイルを取り入れながら進化しています。 モダンバンド・プログラムを提供している主な公立学校システムには、ニューヨーク市教育局、ロサンゼルス統一学区、シカゴ公立学校などがあります。モダンバンドは、公立学校の音楽教育界における新しい動きです。「モダンバンド」という用語は、音楽教育の非営利団体Music Willによって造られました。Music Willは、経済的に困難な地域の学区と提携して音楽​​プログラムの拡大に取り組んでいます。


バンド編成

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楽器 小学校バンド・中学校バンド
の初心者バンド
高校バンド
Piccolo - 0-1
Flute 8-10
Oboe opt. 1-2
English Horn - 0-1
Bassoon opt. 1-2
E♭ Clarinet - 0-1
B♭ Clarinet 8-24
E♭ Alto Clarinet - 0-1
B♭ Bass Clarinet - 1-2
EE♭ Contra-Alto Clarinet - 0-1
BB♭ Contrabass Clarinet - 0-1
E♭ Alto Saxophone 4-6
B♭ Tenor Saxophone 2-3
E♭ Baritone Saxophone 1-2
B♭ Trumpet 8-10
F Horn 4-6
Trombone
Bass Trombone 1名を含む場合もある
3-9
Euphonium or Baritone 1-4
Tuba 1-4
String Bass
or Electric Bass Guitar
- 0-1
Drums 1
Timpani 1
Snare Drum
Bass Drum
Cymbals
crash,ride,suspended
Tambourine
Slide Whistle
Multi Tenor Drums
or Quads Drums
-
Tom-toms -
Glockenspiel
(Orchestra Bells)
2
Xylophone
Marimba -
Vibraphone -
Tubular Bells(Chimes)


シンガポールのスクールバンド

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[24]

シンガポールのスクールバンドは、シンガポールの小学校[注 5]、中学校[注 6]、高校(後期中等学校)[注 7]で行われる課外活動(CCA)の1つです。課外活動として、バンドは生徒の総合的な教育の不可欠な部分を形成し、生徒の資質を養い、急速に変化する世界に適応して成功できるように準備することを目指しています。他のCCAと同様に、シンガポールのスクールバンドのプログラムは、団結心と責任感を育み、専門化の機会を備えた幅広い基盤を持ち、国民的価値観と技術を植え付け、社会的統合を促進するという、シンガポール教育省(MOE)のCCAの指導原則に従っています。

一般的に、小学校や中学校のバンドには入団基準はありませんが、高校のバンドでは経験豊富な演奏者を望む場合があります。スクールバンドの平均規模は約60人ですが、バンドによっては100人から160人になることもあります。

一般情報

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  • 活動プログラム

スクールバンドは、さまざまな機会に音楽を届けるため、校内の式典に出席したり、校外での公演に参加したりすることが多い。さらに、スクールバンドは地元や海外の音楽祭のコンテストにも参加する。生徒たちは、フットドリルやミュージックドリルのどちらかでバンドのリハーサルを経験する中で、規律、チームワーク、責任、約束の価値を学ぶことができる。また、コンテストに参加する中で、生徒たちは謙虚さを保ちながら成果を祝うことや、敗北を潔く受け入れることも学ぶ。これらは、スクールバンドのメンバーがプログラムを通じて得る経験である。

MOEが運営するシンガポール青少年管弦楽団 (SYO) は、スクールバンドの生徒を受け入れ、メンバーである生徒の課外活動として公式に認定しています。専門的に訓練された音楽家(シンガポール交響楽団の出身者や音楽学校の卒業生)が、ほとんどの学生音楽家に対して、1対1で全面的に補助金付きの指導を行っています。

シンガポールのスクールバンドが今日までに達成した音楽水準は、いくつかのスクールバンドが参加するよう招待された国際的に認められたコンテストやイベントに例証することができます。一例としては、2000年にオーストラリアで開催されたシドニーオリンピックの開会式において、選抜された6つのスクールバンドのメンバーが21ヵ国から集った2,000人の青少年による国際マーチングバンドに参加しました。

  • 専門家協会

シンガポールのスクールバンドは、専門団体であるシンガポール吹奏楽指導者協会(the Band Directors' Association (Singapore), BDAS)によって調整されています。最初のスクールバンド指導者会議は1990年8月29日に開催され、その後1995年2001年2004年にも開催されました。BDASは、バンド・プログラム、カリキュラム、監督、指導の開発と改善を主な目的として、吹奏楽指導者に一連の目標を定めています。

歴史

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1965年シンガポール教育省は、小中学校両方で課外活動プログラム(ECA)(1999年に課外活動またはCCAに改名)の一環として吹奏楽プロジェクトを初めて立ち上げました。これは、リー・クアンユー首相の指示によって支援され、スクールバンドの結成は「最優先事項」とみなされるべきであると指示されました。当初、このプロジェクトは、支援を受けた中学校4校のブラスバンドと、主にボーイズ・ブリゲイドボーイ・スカウトの旗の下で活動していた小学校9校のビューグルと笛によるバンドから始まりました。その後、6年以内にスクールバンドの数は急増し、1971年には中学校77校のブラスバンド、小学校78校のビューグルと笛によるバンドになりました。2000年の時点で、小学校44校、中学校132校、高校14校が独自のスクールバンドを持ち、その年には12,000人の学生が吹奏楽活動に参加していました。この数字は、2000年にCCA音楽に参加した学生の約27.5%がバンドに参加していたことを意味します。このように、スクールバンド活動は1965年に始まって以来進化しており、年々、スクールバンドの数と質の両方が向上しています。

シンガポール政府は、その後、スクールバンドを設立したが、その本来の目的は、吹奏楽にECAとして参加する生徒の集団規律、団結心、国民意識を育むことだった。スクールバンドは、学校精神の向上にも貢献し、式典での学校プログラムを強化するものであった。さらに、シンガポール政府は1960年代の国民の大半が音楽に疎いことを考慮し、学校に通う子供たちに音楽への興味を抱かせるためにスクールバンドを設立したいと考えた。

吹奏楽プロジェクトの初期に直面した課題には、スクールバンドの指導者や教師の不足が含まれていました。このような課題は、音楽教育に興味のある人々を奨励するための現職研修と奨学金によって克服されました。

こうした困難を乗り越え、シンガポールの吹奏楽プロジェクトが開始されてから25年後の1990年に、ECAセンターは、かつて約2万人の学生がスクールバンドのメンバーであり、スクールバンド運動の恩恵を受けていただろうと推定しました。

シンガポール青少年フェスティバル

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シンガポール青少年フェスティバル(SYF)は1966年に初めて開催されました。開会式は1967年ジャラン・ベサール・スタジアムで開催されました。初期のフェスティバルでは音楽とダンスのみが活動の中心でしたが、徐々にフィールドスポーツ、芸術、そして後にはマスゲームへと広がりました。

SYF中央審査は、その後、1968年に導入されました。これは、ほとんどの学校の舞台芸術グループがそれぞれのレベルで競い合う、毎年恒例のイベントであり続けています。吹奏楽プロジェクトが開始されてから3年後の1968年に、スクールバンドがSYF中央審査で競い合うようになりました。教育省のCCA支部は、小学校、中学校、高校の吹奏楽(コンサートバンド)の中央審査、中学校のディスプレイバンド(フロアドリルを行うマーチングバンド)の中央審査とマーチングバンドの評価を隔年で開催しています。毎年のSYFへのスクールバンドの関与は明らかで、2001年のSYFコンサートバンドの中央審査には、中学校バンド117校と高校バンド14校、7,709人が参加しました。

部門 奇数年 偶数年
吹奏楽(コンサートバンド) 中学校・高校 小学校
金管バンド 中学校・高校 小学校
アンサンブル(木管,金管) 中学校・高校 小学校
アンサンブル(打楽器) 中学校・高校 小学校
ディスプレイバンド(フロアドリル) - 中学校


ノルウェーのスクールバンド

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[25]

スクールバンドは、地元の学校に所属する子供や若者のための、通常は管楽器と打楽器で構成される音楽隊です。学校の音楽グループは、希望者に楽器やドリルのトレーニングを提供します。スクールバンドの奏者は通常7歳から19歳で、15歳になるとアマチュアバンドを始めることができます。 ノルウェーのスクールバンドは、プロの音楽生活を送れる音楽家を募集する重要な教育機関です。楽団は主に保護者が運営し、専門家を雇用しています。

背景

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現代的なノルウェーの吹奏楽団の形は1850年代にプロイセンで軍楽にチューバとサックスが追加されたときに誕生しました。ノルウェーでは、早くも10年後に男子アマチュアが軍楽隊が結成され、1901年に最初の少年軍楽隊が設立されました。ノルウェーの少女が正式に参加を許可されたのは1956年になってからでした。住民の数から見ると、ノルウェーは世界で最も活発な吹奏楽演奏家がいる国です。 ノルウェーの音楽隊は、5月17日のノルウェー憲法記念日の祝賀行事で中心的な役割を果たしています。

バンド編成

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スクールバンドには、吹奏楽やブラスバンドがあります。違いは、吹奏楽では楽団が金管楽器、木管楽器、打楽器で構成されているのに対し、ブラスバンドでは金管楽器と打楽器のみであることです。スクールバンドの最も一般的な形式は吹奏楽です。

楽器 人数
Piccolo & Flute 2-6
(Oboe) 0-1
(Bassoon) 0-1
Clarinet 6-12
Saxophone[(Soprano), Alto, Tenor, Baritone] 3-7
Trumpet & Cornet 5-10
F Horn(or Altohorn) 2-5
Trombone 3-5
Euphonium 1-4
Tuba 1-4
Percussion 3-8

( )はオプション


台湾のスクールバンド

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[26]

台湾のスクールバンドは、台湾の小学校[注 8]3年生以上、中学校[注 9]、高校[注 10]で行われる授業「綜合活動」に含まれる「団体活動」における「社団」と呼ばれるクラブ活動の1つである[27][28]。週に小学校で80分(40分×2)、中学校で135分(45分×3)、高校で100-150分(50分×2または3)の授業時間のほか、昼休みや放課後、土日に活動することもある。日本の部活動の練習日数・時間と比べると少ない。

埔里ではベネズエラエル・システマを参考にした「蛹の声」音楽育成計画(EI Sistema Puli エル・システマ埔里)を実施し、地域内の小学校と中学校の管弦楽団、弦楽団、チェロ合奏団、吹奏楽団、金管バンド、リコーダー合奏団と、首席団員(20歳以上の職業音楽家)と正団員(16歳以上の音楽科学生)ほかによる埔里Butterfly交響楽団を連携させて活動している[29][30]

歴史

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戦前

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1895年以降日本統治時代の台湾では、正式な西洋音楽教育が導入された。音楽は台湾の大学教育の中心となるカリキュラムの一部に含まれ、必修科目となり、内地同様に楽団が設立された。

戦後

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台湾全国学生音楽コンクール

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[31]

小学生、中学生、高校生、大学生を対象とした音楽コンクール。児童器楽、吹奏楽、マーチング等のほかに管弦楽や合唱、絲竹室内楽(中国楽器室内楽)ほかの部門がある。予選と決勝大会があり、個人種目は台湾全土を対象とするが、団体種目は台湾を北地区、中地区、南地区の3地区に分けたそれぞれの地域内を対象とする。マーチング部門と打楽器アンサンブル部門以外の部門では、指定曲(課題曲)と自由曲を演奏する。マーチング部門は、自由曲をメドレー形式で演奏する。打楽器アンサンブル部門は、自由曲2曲を演奏する。指定曲には日本人の作曲家による作品が選ばれることがある[32]

目的

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  • 生徒の音楽への関心を育み、音楽リテラシーを向上させること。
  • あらゆるレベルの学校での音楽教育を強化すること。

組織

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  • 全国学生音楽コンクール委員会とし、下部組織がある。
  • 管轄は教育省。
  • 主催は、予選:市・県教育局、県・市、決勝大会:国立台湾芸術教育センター。
  • 決勝大会の主管は、新竹県政府教育局(北地区)、雲林県政府(中地区)、台南市政府教育局(南地区)、高雄市政府教育局(個人)
  • 共催は、教育省国民・就学前教育局、市および郡政府の教育局、郡および市、高雄市政府文化局、国立高雄師範大学

スクールバンドが出場できる部門

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部門 校種 参加資格
児童器楽 小学校A/小学校B 15名〜60名まで。補員は3名まで。身分に関係なく指揮者1名。
吹奏楽 小学校A/小学校B/中学校A/中学校B/高校A/高校B/大学A/大学B 10名〜80名まで。補員は3名まで。身分に関係なく指揮者1名。
マーチング
70名以下
小学校A/小学校B/中学校A/中学校B/高校A/高校B フィールドの広さは幅80ヤード、奥行40ヤード。
「70人以下」のチームの参加児童・生徒人数および生徒指揮者の人数に下限はありません。
身分に関係なく複数名の指揮者をおくことができる。
マーチング
71名以上
小学校A/小学校B/中学校A/中学校B/高校A/高校B フィールドの広さは幅80ヤード、奥行40ヤード。
「71名以上」チームの参加児童・生徒人数および生徒指揮者の上限は150名です。
身分に関係なく複数名の指揮者をおくことができる。
室内楽
木管5重奏
中学校A/中学校B/高校A/高校B/大学A/大学B フルート1名、オーボエ1名、クラリネット1名、ファゴット1名、ホルン1名。補員は1名まで。
室内楽
金管5重奏
中学校A/中学校B/高校A/高校B/大学A/大学B トランペット2名、ホルン1名、トロンボーン1名、チューバ1名。補員は1名まで。
打楽器アンサンブル 小学校A/小学校B/中学校A/中学校B/高校A/高校B/大学A/大学B 6名〜25名まで。補員は3名まで。身分に関係なく指揮者1名をおくことができる。
フルート独奏 中学校A/中学校B/高校A/高校B/大学A/大学B 一人1部門のみ
オーボエ独奏 中学校A/中学校B/高校A/高校B/大学 一人1部門のみ
クラリネット独奏 中学校A/中学校B/高校A/高校B/大学 一人1部門のみ
バスーン独奏 中学校A/中学校B/高校A/高校B/大学 一人1部門のみ
サキソフォン独奏 中学校A/中学校B/高校A/高校B/大学 一人1部門のみ
ホルン独奏 中学校A/中学校B/高校A/高校B/大学 一人1部門のみ
トランペット独奏 中学校A/中学校B/高校A/高校B/大学 一人1部門のみ
トロンボーン独奏 中学校A/中学校B/高校A/高校B/大学 一人1部門のみ
チューバ独奏 中学校A/中学校B/高校A/高校B/大学 一人1部門のみ
マリンバ独奏 中学校A/中学校B/高校A/高校B/大学 一人1部門のみ
  • 各校種グループのAは音楽の授業・学部・学科・研究所に在籍する生徒・学生が対象。Bは音楽以外の授業・学科・学科・研究会に在籍する生徒・学生が対象。
  • ユーフォニアム独奏部門を今後、設置予定。


スクールバンド向け作品の作曲コンクール等

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日本

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小学校・中学校・高等学校の吹奏楽活動における様々な編成(小編成〜大編成、管楽器を含む自由な編成)に対応する新しいレパートリーの開発と普及を目的として実施。また、学校現場の実態に即した教材的要素に適応する若い優秀な作曲家の育成も目的とする。
  • 21世紀の吹奏楽“響宴” スクールバンド・プロジェクト (“21世紀の吹奏楽”実行委員会)
教育的な内容の吹奏楽作品の開発・発信を目的とした委嘱プロジェクト
技術的にはグレード2.5〜3程度の、しかし音楽的には内容の高い作品
コンクールや学校行事おける演奏に好適な作品
音楽の形式やスタイル、表現の基礎を学ぶことができる作品
25名かそれ以下で演奏可能な作品
演奏時間6〜8分の作品(ただし作品の内容や目的に応じて、さらに長くとも、あるいは短くとも結構)

海外

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ミッドウェスト・クリニック英語版(英語版)の中で、優勝作品が初演される34歳以下を対象とした作曲コンテスト。
偶数年は中学生バンド向け作品部門、奇数年は高校生バンド向け作品部門とする。
賞金は高校バンド向け作品部門が3,000ドル、中学校バンド向け作品部門が2,000ドルとする。
優勝作品は12月に開催されるミッドウェスト・クリニックで初演される。
応募作品は高校バンドに適した6分以内、または中学校バンドに適した4分以内の作品とする。


 
ギニア・カーボベルデ独立アフリカ党 、セネガル、 ジガンショール の高等学校バンド、1973


参考文献

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脚注

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注釈

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  1. ^ 小・中・大のピストンのない三種の喇叭と、大太鼓、小太鼓、シンバルによる編成。
    1931年(昭和6年)ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団での留学から帰国した陸軍戸山学校軍楽隊山口常光の発案により小喇叭を長く伸ばし、旗を取り付けることができるようにした「長喇叭」が編成に加わる。
    一方、海軍軍楽隊と結び付きが強かった田邊吹奏楽器製造所(タナベ)は、顧問に海軍軍楽隊隊長を退役した瀬戸口藤吉を迎え入れ、「旋律喇叭隊」という編成の普及を試みる。
  2. ^ 貴族院議員、宮内省式部次長、陸軍政務次官、大政翼賛会総務であった子爵岡部長景が会長に就任。
  3. ^ 演奏人数が3名以上15名以下
  4. ^ 当時、軍楽隊および軍楽隊に似た演奏を主とする場合のことを「ブラスバンド」と称した。
  5. ^ 6年制
  6. ^ 4-5年制
  7. ^ 2年制
  8. ^ 国民小学:6年制
  9. ^ 国民中学:3年制
  10. ^ 普通型高級中等学校技術型高級中等学校:3年制

出典

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  1. ^ 公立中の部活動「地域移行」、運営団体を1月から募集 神戸市教委 - 朝日新聞
  2. ^ 編成[B]全日本吹奏楽コンクール課題曲 募集要項 - 全日本吹奏楽連盟
  3. ^ 「部活動指導員」の概要 - 文部科学省
  4. ^ ラジオ放送を通じて日本の吹奏楽の変遷を探る p.211 - 東京音楽大学リポジトリ
  5. ^ 田辺楽器について - 音楽隊資料館
  6. ^ 海軍 テナーサックス 日本管楽器製 - 音楽隊資料館
  7. ^ 文化部活動の地域移行について - 文化庁
  8. ^ 2023 年度実態調査報告 - 全日本吹奏楽連盟
  9. ^ 2023 年度実態調査報告 - 全日本吹奏楽連盟
  10. ^ 「文化部活動の実態把握に関する調査」アンケート結果」 - 文化庁
  11. ^ 文化部活動に関する実態調査―文化庁まとめ 「週5日活動」が最多 日数多いほど長時間の傾向 - 北海道通信社
  12. ^ 文化部活動等の実態調査 報告書 - 文化庁
  13. ^ 行進曲「大日本」(原典版)(齊藤丑松)【吹奏楽】 - ネクサス音楽出版
  14. ^ 行進曲「大空」~March BIG SKY~ - ミュージックエイト
  15. ^ 【吹奏楽/オリジナル】吹奏楽のための"小狂詩曲" 自筆譜に基づく原典版(大栗裕) - ティーダ出版
  16. ^ 1966年(昭和41)の吹奏楽コンクール課題曲 - 永山音楽室報道部
  17. ^ ポップス描写曲「メイン・ストリートで」/岩井直溥【吹奏楽販売楽譜】 - ブレーン
  18. ^ 吹奏楽のための序曲(間宮芳生)【吹奏楽】 - ネクサス音楽出版
  19. ^ 管楽器のためのソナタ/伊藤康英【吹奏楽販売楽譜】 - ブレーン
  20. ^ ブライアンの休日(内藤淳一)【吹奏楽】 - ネクサス音楽出版
  21. ^ 課題曲Vとして、高校の部、大学の部、職場一般の部の出場団体が選択できた。
  22. ^ 全日本吹奏楽コンクール課題曲 募集要項 (第35回朝日作曲賞) - 全日本吹奏楽連盟
  23. ^ 英語版Wiki「スクールバンド」
  24. ^ 英語版Wiki「シンガポールのスクールバンド」
  25. ^ ノルウェー語版Wiki「スクールバンド」
  26. ^ 英語版Wiki「台湾の音楽」
  27. ^ 12年間の国民教育カリキュラムのシラバス - 台湾国家教育研究院
  28. ^ 台湾の前期中等教育における「団体活動」の特色 - 日本特別活動学会紀要
  29. ^ [http://www.pdhsk.com/EI%20Sistema%20Puli.pdf 2016「蛹の声」音楽育成計画 (EI Sistema Puli エル・システマ埔里)の紹介] -
  30. ^ 音楽の翼に乗って、飛翔!-「埔里 Butterfly 交響楽団」の誕生
  31. ^ 113学年度全国学生音楽コンクール【決勝大会】実施要項 - 国立台湾芸術教育センター
  32. ^ 112学年度全国学生音楽コンクール【決勝大会】指定曲公告 - 国立台湾芸術教育センター