キジハタ
キジハタ(雉羽太、学名:Epinephelus akaara[1])は、スズキ目ハタ科に分類される魚の一種。日本から中国沿岸の温暖な海域に分布し、高級食材として扱われる。
キジハタ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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キジハタ
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保全状況評価 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
ENDANGERED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Epinephelus akaara (Temminck et Schlegel, 1843) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
キジハタ(雉羽太) 本文参照 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Redspotted grouper Hong Kong grouper |
特徴
編集30cmほどのものが比較的多く見られ、最大全長で60cm近くなる個体もいる。ハタとしては小型から中型の部類である。雌性先熟の性転換をおこない、自然環境では全長約40cmでメスからオスに転換する。
体色はオレンジ色で、朱色の斑点が全身に見られる。また、背中の中央に黒っぽい大きな斑点が1つある。ノミノクチ E. trimaculatus とよく似ているが、ノミノクチは斑点が暗赤色であることから区別出来る。
目は緑色で、キジハタの語源となったキジ色をしている。
青森県以南から朝鮮半島南部、中国、台湾までの沿岸域に分布する。岩場に砂場が混じったような環境を好み、内湾の人工護岸周辺にも生息する。群れを作らず単独で生活し、昼は岩陰や洞窟の中にひそんでおり、夜に泳ぎだして獲物を探す。主な餌は、小型の個体は甲殻類で、成長に伴い魚中心となる。
繁殖期は初夏で、小さい卵を少しずつ産む。性転換サイズになるには10年前後かかると考えられる。またクエ・マハタと人工的に種間交雑させることができる[2]。
別名
編集主に関西、瀬戸内海でアコウ・アコ(赤魚、茂魚)、山陰でアカミズ(赤水)、長崎県・福岡県などでアカアラ(赤荒)、愛知県でアズキマス(小豆鱒)と呼ばれる。福岡県・北九州エリア・山陰地方では、アコウと呼ぶ場合が多い。なお、関東地方でアコウ(赤魚)と呼ばれる魚はアコウダイという別の種である。
シーボルトが長崎で採集した標本より学名が付けられ、その時の地方名「アカアラ」がそのまま種名 "akaara" となっている。
利用
編集高級魚として珍重される。旬は初夏で、日本では造り、煮付けとして食べることが多い。鍋料理にも適する。身はややピンク色をした白身で、刺身ではさっぱりとしているが、熱を通すと弾力とうまみが出てくる。 細かい鱗をきれいに落として皮を煮付けると美味である。 50cmを超える個体になると、骨が非常に硬くなる。
香港では「紅斑」(広東語 ホンパーン)と呼ばれ、ハタ類の中ではサラサハタに次いで珍重されており、主に蒸し魚として食べられる。
脚注
編集- ^ 中村潤平, 本村浩之「ハタ科Serranidaeとされていた日本産各種の帰属,および高次分類群に適用する標準和名の検討」『IchthyNatural History of Fishes of Japan』第19巻、鹿児島大学総合研究博物館、2022年、26-43頁、doi:10.34583/ichthy.19.0_26、2022年11月24日閲覧。
- ^ 宮原治郎, 荒川敏久, 高屋雅生「マハタ属交雑種(キジハタ×マハタ,キジハタ×クエ)の幼魚期の成長と形態」『長崎県水産試験場研究報告』第15号、長崎県総合水産試験場、1989年3月、5-11頁、ISSN 0388-8401、CRID 1050564288577011456。