オレオレジン
オレオレジン(Oleoresin)は、樹脂と精油または脂肪からなる半固体状の抽出物であり、これらを製造する際の溶媒を蒸発させることで得られる[1]。天然から得られるオレオレジンは、バルサムとしても知られる。
性質
編集水蒸気蒸留で得られる精油と比べて、オレオレジンは、樹脂、蝋、脂肪等の、より重く揮発性が低い親油性化合物が豊富に含まれる。Gummo-オレオレジンは、粗バルサムから得られ、水溶性多糖(ガム)を含む。オレオレジンの処理は大規模に行われ、特に中国では、1990年代には年間40万トンも処理された。しかし、作業は労働集約的であり、アメリカ合衆国のような人件費の高い国では行われていない[2]。
バジル、トウガラシ(パプリカ)、カルダモン、セロリ、シナモン、チョウジ、フェヌグリーク、ショウガ、オランダセンニチ、ラブダヌム、メース、マジョラム、パセリ、黒コショウ、白コショウ、オールスパイス、ローズマリー、セージ、セイボリー、タイム、ウコン、バニラ、ベイツリー等のスパイスから得られる。溶媒は、非水性の極性(アルコール)または非極性(炭化水素、二酸化炭素)溶媒が用いられる[3]。
利用
編集多くは、香料や香水に用いられるが、ハシシオイルのように医療に用いられるものもある。トウガラシスプレーは、催涙剤として用いられる。石鹸や食品着色料として用いられることもある。
出典
編集- ^ Commission, British Pharmacopoeia (2009), “EXTRACTS”, British Pharmacopoeia, 3, ISBN 978-0-11-322799-0
- ^ Lars-Hugo Norlin (2005), "Tall Oil", Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Weinheim: Wiley-VCH, doi:10.1002/14356007.a26_057。
- ^ George A. Burdock (2010), Fenaroli's Handbook of Flavor Ingredients (6th ed.), Taylor & Francis, ISBN 978-1-4200-9077-2