ウルトラニャン
日本のアニメ映画(ウルトラシリーズ)
ウルトラニャンは1997年に公開された日本のアニメ映画およびその主人公の名称。『ウルトラニャン 星空から舞い降りたふしぎネコ』と、その翌年に続編の『ウルトラニャン2 ハッピー大作戦』の2作品が製作された。
- 第1作『ウルトラニャン 星空から舞い降りたふしぎネコ』
- 1997年4月12日全国松竹系にて公開。同時上映:『ウルトラマンゼアス2 超人大戦・光と影』。
- 第2作『ウルトラニャン2 ハッピー大作戦』
- 1998年3月14日全国松竹系にて公開。同時上映:『ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』。
第1作『ウルトラニャン 星空から舞い降りたふしぎネコ』
編集星空から舞い降りたふしぎネコのニャンと少女はるかの出会いと猫密売者との戦いを描く。
- 主題歌「SWEET LOVE」(作詞:石岡美紀 / 作曲:MIYUKI / 編曲:山本健司 / 歌:ナディア)
- CDでは「MY SWEET LOVE SONG」と表記されている。シングルは発売されず、『ウルトラマンゼアス2 サウンドトラック』にて初商品化。
第2作『ウルトラニャン2 ハッピー大作戦』
編集第1作目の続編。猫とカラスの対立を描く。そのため、人間側のドラマは少なめとなっている。
ウルトラニャン
編集- ニャン / 超ネコ戦士ウルトラニャン
- 地球の姉妹星の猫座の尻尾に当たるフェリス星からやってきた宇宙猫。オスで人間年齢は約22歳。『ニャン・チェン・フォム』と呼ぶ物に命を与える超能力を持っており、ニャンテール(尻尾)を撫でることにより好きなものに変えることができる。ただし尻尾を捕まえられると一瞬でパワーがなくなってしまう弱点も持つ。
- マネキウム光線
- 招き猫のように組んだ腕から放つ必殺の光線技。ニャン・チェン・フォムをパワーアップさせたもので、強力であるが生命エネルギーの消費が激しい。
- ニャンフライト - 空中飛行。最高速度881km/h
- ニャンジャンプ - 陸上跳躍。最高高度45m
- ニャンダッシュ - 陸上走行。最高速度194km/h
- ニャンスイム - 水中潜行。最高速度41km/h
- ニャンドリル - 地中進行。最高速度56km/h
登場人物
編集- ニャン
- 声 - 亀井芳子
- 地球とネコ座の尻尾にあたるフェリス星出身の宇宙猫。地球とフェリス星の繋がりと猫の使命を取り戻すべく、星空と共に地球にやって来た。有事の際は、ウルトラニャンに変身する。
- 地球に着いて早々に左足を怪我し、駅裏の空きビルで休んでいた時に、はるかと出会い、彼女に手当をしてもらった。これが許で、はるかと仲良くなる。犬神事件解決後は、マンションがペット禁止なために飼えないはるかの代わりに、ユキの家でお世話になる。
- 第2作目では、はるかのマンションのペット禁止が廃止されたらしく、はるかの部屋で飼われている。風呂嫌いであることも判明。ノブナガ一派のペンキ攻撃で尻尾のリングが変色してしまったが、はるかとのハッピーで元に戻った。
- はるか
- 声 - 押谷芽衣
- 小学生の少女で活発な性格で好奇心旺盛。猫が大好きな女の子。ユキやショウからは「はるちゃん」と呼ばれている。霧の夜に現れた化け猫退治のために空きビルに足を運び、化け猫の正体が怪我をしていたニャンだと知ると、ニャンを手当てして、友達になる。
- 第2作目では、魚嫌いなことが判明するが、ニャンともっと仲良くなりたい一心で魚を食べ続けたことで魚嫌いを克服した。
- モモ
- 声 - 氷上恭子
- ユキの家で飼われている雌猫。紫のリボンがトレードマーク。犬神と猿田に捕まりそうになった際に、ニャンに助けられたことから彼に恋心を抱き、熱烈なアプローチを始める。
- 第2作目では、博士や小助と共に、乳母車を改造した飛行機で竜二一家を救う姿も見せた。
- ユキ
- 声 - 増田ゆき
- はるかの親友。家は「寿司文」という寿司屋で、木に登って降りられなくなったモモを助けてくれたはるかたちに寿司をご馳走してあげた。
- 第2作目では、動物アレルギーでないことから、アレルギー中のはるかに代わり、しばらくの間、ニャンを預かることにした。
- 博士
- 声 - 北村弘一
- 物知り博士な長老猫。普段は神社に住んでいる。ニャンが来た直後、フェリス星の存在をユキたちに語って聞かせた。
- 第2作目では、ドーベルマンの警護の下、ノブナガ一派と和平会談をするが、ノブナガ一派のペンキ攻撃で話し合いは一度は台無しになってしまう。
- 小助
- 声 - 近藤玲子
- 山田という人間に飼われている猫。生意気なところがある。情報通。
- 第2作目では、ゴミ捨て場でランマルたちに襲われた際には、竜二に助けられる。
- アンコ
- 声 - 定岡小百合
- 幼い双子猫の母猫。駐車場をねぐらとする。ふくよかで母親らしい落ち着きを持つ。
- 第2作目では、流れ者の夫の竜二にあきれながらも、彼のことを愛しており、ノブナガ一派に連れ去られた子猫たちを救うために夫婦で力を合わせた。
- ダブ
- 声 - 奥島和美
- アンコの子供の1人でドラの双子の兄弟。人間年齢は約3歳。
- ドラ
- 声 - 黒田弥生
- アンコの子供の1人でダブの双子の兄弟。人間年齢は約3歳。
- はるかの母
- 声 - 岡本茉利
- はるかの母親。はるかに対しては、内緒で空きビルに向かったり、ニャンを隠して飼っていたことを叱るが、犬神事件に巻き込まれたはるかの身を案じる姿も見せている。
- 第2作目では、はるかが魚嫌いを克服したことを喜ぶ姿を見せた。
- マモル
- 声 - 喜田あゆみ
- はるかの友達。はるか同様に好奇心旺盛。はるかやショウと共に、化け猫退治に向かった際には、化け猫に驚き、ショウと共に逃げ出してしまう。その後の犬神事件では、はるかを救出している。第1作のみの登場。
- ショウ
- 声 - 津村まこと
- はるかの友達。気が弱いが、はるかやマモル同様に好奇心旺盛なところも。宿題をいつも忘れている。第1作のみの登場。
- 犬神
- 声 - 嶋崎靖
- 「犬神ペットセンター」という猫密売を行っている男。はるかたちが秘密基地としている空き屋の事務所の地下室に捕まえた猫たちを閉じ込めている。ニャンを捕まえ、はるかも袋に閉じ込めるが、ユキたちにはるかを救出されてしまう。ユキからの通報で駆け付けた警察から逃走し、その途中で車が海に落ちてしまうが、ウルトラニャンの力で車がクジラになったことで助かり、警察に逮捕された。第1作のみの登場。
- 猿田
- 声 - 真殿光昭
- 犬神の部下で犬神のことは「社長」と呼んでいる。犬神同様に逮捕される。第1作のみの登場。
- 竜二
- 声 - 納谷六朗
- アンコの夫の虎猫。旅好きでギターを背負っている。小助からは「竜二の兄貴」と呼ばれている。第2作のみの登場。
- ノブナガ
- 声 - 大塚明夫
- 北の山の森に棲んでいたカラス軍団のボス。開発工事で森が死にかけたことから、はるかが暮らす町に移り住むようになるが、そこでアレルギーを起こしてしまい、その原因が猫だと決めつけ、町の猫や犬たちに襲いかかり、猫丸公園を自分たちの住処にしようとする。アレルギーの本当の原因は、烏森スーパー進学塾の弁当にあり、それが猫アレルギーに繋がった。そのアレルギーは魚を食べることで治せることを知ったウルトラニャンたちの尽力でアレルギーが治り、猫たちと和解する。和解後は、アンコの双子を背に乗せて飛ぶ姿を見せている。第2作のみの登場。
- ゴエモン
- 声 - 坂東尚樹
- ノブナガ一派の一員のカラス。頭には穴の開いた帽子を被り、タバコをふかす。飄々とした態度だが、ノブナガ一派では珍しく、争いごとは嫌いな平和主義者。ニャンの頼みを聞いて、交渉の場を設ける。魚が好物だったことからアレルギーにはならず、解決のための魚を猫たちと共に集める姿も見せた。第2作のみの登場。
- ランマル
- 声 - 幸田直子
- ノブナガの右腕的存在のメスカラス。好戦的な性格で小助に襲いかかったり、ダブとドラを誘拐したりした。和解・改心後は、ノブナガやゴエモンと共に、ダブとトラを喜ばせている姿を見せている。第2作のみの登場。
- 先生
- 声 - 樫井笙人
- はるかやユキが通っている「烏森スーパー進学塾」の教師。この塾の弁当は、化学薬品や栄養剤の副作用で猫アレルギーを起こし、この弁当を食したはるかやノブナガ一派は魚を食べなかったことからアレルギーが治らずにいた。カラス騒動解決後、弁当問題から塾は閉鎖された。第2作のみの登場。
スタッフ
編集- 監督 - ときたひろこ
- 脚本 - 村井さだゆき(第1作)、會川昇(第2作)
- キャラクターデザイン - 高木信一郎
- 絵コンテ - ときたひろこ、木村哲(第2作)
- 作画監督 - 安藤正浩
- 美術監督 - 田尻健一
- 色彩設計 - 西香代子
- 撮影監督 - 岡崎英夫
- 編集 - 瀬山武司
- 音楽 - 山本健司(第1作)、池毅(第2作)、戸塚修(第2作)
- 音響監督 - 宇井孝司
- 制作プロデューサー - 浅利義美、大橋浩一郎
- プロデューサー - 鈴木清、森島恒行(第1作)、石松茂樹(第1作)、吉田剛(第2作)、川城和実(第2作)
- アニメーション制作 - トライアングルスタッフ
- 製作 - 円谷プロダクション、ソニー・ミュージックエンタテインメント(第1作)、電通(第1作)、松竹(第2作)、バンダイビジュアル(第2作)
- 配給 - 松竹
漫画
編集- てれびくん 1998年連載 犬木栄治
映像ソフト化
編集- VHSはそれぞれの併映作品に同時収録されている。
- 第2作は上映年の1998年にバンダイのVHSレーベル「ばっちしVシリーズ」から単体での発売もされた。 収録時間は30分。
- DVDは第2作のみ、VHSと同じく『ティガ&ダイナ』と同時収録されている。第1作は未DVD化(併映作品の『ゼアス2』は前作『ウルトラマンゼアス』との同時収録)。
その他
編集- 上記映画公開後に児童誌の『めばえ』の1999年分6月号からも展開が行われ、そちらでは、ウルトラニャンは登場せず、はるかがニャンのリングと自身の左腕のふしぎなブレスレットとハッピーパワーで大人に変身し、いたずらネコの女王ゴーニャと部下ニャーゴの悪事を解決していく、魔法少女的展開が描かれた。
- 映画『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』に、ニャンの着ぐるみが登場するシーンがある。