イミダゾリン
イミダゾリン (imidazoline) は、イミダゾールから誘導される含窒素複素環化合物である。環にはイミン結合が含まれ、4位と5位の炭素はイミダゾールと異なって単結合である。イミダゾリンはグアニジンやアミジンと類似の構造を持っている。
2-イミダゾリン | |
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4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール | |
別称 2‐Imidazoline 2-イミダゾリン | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 504-75-6 |
PubChem | 68156 |
日化辞番号 | J182.256J |
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特性 | |
化学式 | C3H6N2 |
モル質量 | 70.09 g mol−1 |
関連する物質 | |
関連物質 | クロニジン ナファゾリン その他はCategory:イミダゾリン参照 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
イミダゾールの場合と同様に、イミダゾリンを基本骨格とする物質も、多くの遷移金属の安定カルベンとして使われる。市販の第2世代グラブス触媒の構造の中にも見られる。
生物学的役割
編集多くのイミダゾリンは生理活性を持っている[1]。生理活性を持つイミダゾリンは、窒素原子に挟まれる炭素原子にアリル基やアルキル基が置換していることが多い。ナファゾリンなどが知られている。
受容体
編集→詳細は「イミダゾリン受容体」を参照
イミダゾリン受容体には、I1、I2、I3 などのいくつかの受容体がある。
I1-イミダゾリン受容体はホスファチジルコリンの加水分解を引き起こし、ジアシルグリセロール、アラキドン酸、エイコサノイドなどを生成する[2]。さらにナトリウム-水素対向輸送体を阻害し、カテコールアミン合成を促進する。I1-イミダゾリン受容体のシグナル伝達経路はインターロイキンのものに類似している[2]。
出典
編集- ^ N. MacInnes and S. Duty (2004). “Locomotor effects of imidazoline I2-site-specific ligands and monoamine oxidase inhibitors in rats with a unilateral 6-hydroxydopamine lesion of the nigrostriatal pathway”. Br J Pharmacol 143 (8): 952-959. doi:10.1038/sj.bjp.0706019.
- ^ a b PAUL ERNSBERGER (1999). “The I1-Imidazoline Receptor and Its Cellular Signaling Pathways a”. Annals of the New York Academy of Sciences (Wiley Online Library) 881 (1): 35-53. doi:10.1111/j.1749-6632.1999.tb09339.x . ( 要購読契約)