よこざわけい子

日本の女性声優、女優、ナレーター (1952-)

よこざわ けい子(よこざわ けいこ、1952年9月2日[注 1][5] - )は、日本声優女優ナレーター[6]新潟県新潟市中央区出身[4]。芸能プロダクションゆーりんプロ代表取締役[2]。旧芸名横沢 啓子(読み同じ)[1]

よこざわ けいこ
よこざわ けい子
プロフィール
本名 難波 啓子
(なんば けいこ)[1][2](旧姓:横沢[3]
性別 女性
出生地 日本の旗 日本新潟県新潟市中央区[4]
生年月日 (1952-09-02) 1952年9月2日(72歳)
血液型 O型[5]
職業 声優女優ナレーター[6]
事務所 ゆーりんプロ(代表取締役)[2]
配偶者 あり[3]
公称サイズ(時期不明)[5]
身長 / 体重 152 cm / 42 kg
活動
活動期間 1972年 -
デビュー作 クリステン(『タイムボカン[7]
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経歴

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中学校の英語教師であった横沢久八の娘として、新潟市に生まれる。

元々は声優志望ではなかったが、芸能界に入った切っ掛けは、両親が新潟方言で苦労した経験から娘には標準語を話してほしいと考え、児童劇団に入団させたため。劇団自体は入団後3年で解散したが、自身はその間に得た知遇でラジオドラマのレギュラーを担当していた[9]

幼稚園の時、バレエ、ピアノ、図画を習っていたが、ピアノは嫌いでバレエもあまり好きではなく図画だけは好きであった[3]。その頃から音楽は嫌いなものであったという[3]

中学、高校時代、役者を意識したことについては学芸会などで、舞台をふむと、快感があったが、その程度であった[3]。容姿に自信があったら、女優になりたかったが、自信がなかったため、「別にそういう道は……」と思っていた[3]。ただし、両親が、「せっかくそういうものをやってきたんだから、アナウンサーとか、そういうのになりなさい」と言っていたという[3]

中学時代に、タイムトンネルなどが流行していた頃で、そういうのに憧れて、白衣を着たく、科学者になりたかったという[3]。その時、「なるなる」と言っていたところ、母が教師に言いつけてしまい、教師に呼ばれ、「キミはアナウンサーになった方がいいと思うよ」と言っていた[3]

新潟県立新潟高等学校卒業。「自分がやってきたことを生かせる声優になろうかな」と思い、幅広い役が演じられると考えて声優を志し、日本大学藝術学部放送学科に進学[7]。声優の勝田久の勧めで俳協の「付属養成所」(現・俳協演劇研究所)に入り、養成所在籍中の1974年にNHK総合テレビドラマ『花ぐるま』でドラマデビュー[10]。収録のため1年間は大阪府との往復をしなくてはいけない状況だったため、同大学藝術学部放送学科を1974年に中退[7][10]。当初は顔出しのテレビドラマ出演が中心であった[7]

声優の仕事にシフトするきっかけになったのは、アグネス・ラムのCMの吹き替えであった[7]。その時は声のイメージが合う人物がいなかったようで最後の最後に呼ばれていたが、吹き替えを担当することになったという[7]。その後は当時所属していた東京俳優生活協同組合にも「声の仕事もやるんだ」と思ってくれたようであったという[7]

顔出しのテレビドラマの仕事と声の仕事の仕事も半々で受けていた時期もあった[7]。しかしテレビドラマにかかる時間が多くなってしまい、両立は少し難しいということになり、本来したかった声優の仕事を中心にしていくことにしていた[7]。声優業を開始した当初はNHKで放映されていた洋画吹き替えが中心であったという[7]

1975年に『タイムボカン』で声優デビュー[7]。初ヒロインは『ポールのミラクル大作戦』のニーナ役[7][11]

1979年からテレビ朝日版『ドラえもん』でドラミを演じ、2005年の声優陣一新まで務めた。1982年には『おかあさんといっしょ』の人形劇にこにこぷん』のぴっころ役に抜擢され、10年に渡って演じた。この他、1980年代の数多くの作品で主役・ヒロイン役を担当した。

東京俳優生活協同組合を経て[6]1988年ゆーりんプロを設立。以後は声優活動の第一線からは退き、自身が経営するよこざわけい子 声優・ナレータースクールでの後進の指導に主軸を移す。

「ゆーりんプロ」の名は、自身の娘のために作った絵本「雪ん子ゆーりん」に由来しており、公式サイトの写真では過去に声をあてたぴっころの着ぐるみと共に写っている。「ゆーりんプロ」所属の俳優、養成所研究生らによって行われる演劇公演の脚本、演出も手がける。

人物・エピソード

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声種ソプラノ[12]。ちょっと甘ったるい声を持つ[11]

アニメでは明るくておきゃんな女の子役で知られる[11]

声優デビューした当初から「藤子アニメの主役を獲得する」「子供向け番組に出演する」ことを目標としていたが、30代までに希望が叶い、ゆーりんプロのスクール設立を機に自身で演じる機会は一区切りつけたと語っている[9]

天空の城ラピュタ』のシータ役を担当した際、監督の宮崎駿から演技について苦言を呈された一方、『エスパー魔美』の佐倉魔美を担当した際は作者の藤子・F・不二雄から「(声や演技が)健康的で良い」と評されたという[13]

中学時代は軟式テニス部に所属[3]。大学時代はフィギュアスケートクラブに所属していたが、足を少し上げて滑べる程度と述べている[3]

妹がいる[3]。夫はテトラポットをどのように設置すれば侵食しないかを分析するほか、人工海浜を作ったり、設計、コンサルタントを行う企業に勤めているサラリーマンである[3]。前述の通り、娘がいる[3]

演じたキャラクターについて

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  • 『にこにこぷん』のぴっころは10年間演じているうちに、声が地声だということもあり、イコールになったと語っている[14]
  • 『THE かぼちゃワイン』のエルは自身とは全く異なる見た目の大きな女の子だったため、役をものにするのにかなり苦労したが、それだけ印象の深い作品になったと語っている[14]
  • はいからさんが通る』の花村紅緒は、個人的に強く志望していた役だったが、同局の同時間帯で放映していた『若草のシャルロット』でヒロインを演じていたため、2作品連続でのヒロイン役は前例が無いということでオーディションを受かったものの落選してしまった。しかし再オーディションをしてもイメージに合う声優がいなかったので、最終的に自身が演じさせてもらえることになったと語っている[15]
  • 『エスパー魔美』の佐倉魔美役に選ばれた時は本当に嬉しかったと語っている。藤子不二雄作品と言えば自身の中でステータスであり、その主役に至ってはベテランの声優しか選ばれないと思っていたので、出演することが自身にとっての目標の1つだった。それまでは自身の実力よりも1歩先の演技を振られることが多かったが、様々な経験を繰り返してきたことによりちょうど演技に自信がもてるようになった時期に得た役なので、「本当に楽しく演じさせていただいた」と述べている[16]
  • 同じく藤子作品の『ドラえもん』のドラミちゃんは、優等生で可愛らしいが1歩間違うと嫌味な役になると憂慮していた。しかし設定変えることはできないので、極力鼻に付かないように可愛らしさを強調して演じたと述べている[16]
  • 『天空の城ラピュタ』も自身にとっては代表作であるが、時間をかけて次第に役を自身のものにできたテレビシリーズとは異なり、映画作品だと演じるのは単発のみであり、基本的に思い出としては浅くなってしまうが、日本を代表する宮崎駿作品に出演できたことは、現在でも自身の財産であると述べていた[16]

出演

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太字はメインキャラクター。

テレビアニメ

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1975年
1976年
1977年
1978年
1979年
1980年
1981年
1982年
1983年
1984年
1985年
1987年
1988年
1989年
1990年
1992年
1994年
2011年
  • 日常(ナレーション)

劇場アニメ

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1980年
1982年
1984年
1985年
1986年
1987年
1988年
1989年
1990年
1991年
1993年
1994年
1995年
1996年
1997年
1998年
2001年
2018年

ゲーム

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1992年
1993年
1995年
1997年
2000年
2001年
2005年
2018年
2021年

吹き替え

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映画

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ドラマ

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  • ウルトラマンG
  • サラの夏休み(ワンダ〈ベティ・アン・カー〉)
  • 新黒馬物語(ジェニー〈スティシー・ドーニング〉)
  • ナイトライダー シーズン2 #13(キャサリン・グレンジャー〈ダフネ・リー・アッシュブルック〉)
  • パイパー農園SOS!(ヘレン〈ルーシー・ゴレル・バーンズ〉[39]

アニメ

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特撮

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テレビドラマ

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テレビ番組

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その他のコンテンツ

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関連人物

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以下の人物は同郷かつ同じ大学の学科の卒業生である。

参考文献

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  • 『声優名鑑』成美堂出版、1999年7月。ISBN 441500878X [42]

脚注

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注釈

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  1. ^ 一時は1956年9月2日生まれと公表していた時期もある[8]

シリーズ一覧

  1. ^ 鋼の冒険心』(1997年)、『2 エピソード1「ロールちゃん危機一髪!」の巻』(1999年)、『2 エピソード2 大いなる遺産』(2000年)
  2. ^ X』(2018年)、『T』(2019年)、『DD』(2020年 - 2024年)

出典

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  1. ^ a b 掛尾良夫 編「女性篇」『声優事典 第二版』キネマ旬報社、1996年3月30日、563-564頁。ISBN 4-87376-160-3 
  2. ^ a b c 会社概要”. ゆーりんプロ. 2020年8月5日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n 「声優インタビュー 横沢啓子さんの巻」『月刊OUT』1984年10月号、みのり書房、1984年10月1日、95-100頁。 
  4. ^ a b よこざわ けい子”. エキサイトニュース. エキサイト. 2023年11月12日閲覧。
  5. ^ a b c よこざわ けい子”. 日本タレント名鑑. 2021年9月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月21日閲覧。
  6. ^ a b c よこざわ けい子”. タレントデータバンク. 2020年8月5日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i j k l よこざわけい子さん「天才じゃなくていい。努力の積み重ねが実を結ぶ」”. 声優グランプリWEB. 声優道. 主婦の友インフォス. p. 1 (2020年3月18日). 2022年12月29日閲覧。
  8. ^ 『声優名鑑 アニメーションから洋画まで…』近代映画社、1985年、169頁。 
  9. ^ a b 安藤隆啓、『声優道 名優50人が伝えたい仕事の心得と生きるヒント』株式会社主婦の友社、2019年、96-99頁
  10. ^ a b 河北新報 1982年8月9日夕刊 10面「登場」コーナー
  11. ^ a b c 小川びい『こだわり声優事典'97』徳間書店〈ロマンアルバム〉、1997年3月10日、154頁。ISBN 4-19-720012-9 
  12. ^ 『声優の世界-アニメーションから外国映画まで』朝日ソノラマファンタスティックコレクション別冊〉、1979年10月30日、109頁。 
  13. ^ 『ドラえもんぴあ』より[要文献特定詳細情報]
  14. ^ a b c d 主婦の友社『声優道 名優50人が伝えたい仕事の心得と生きるヒント』よこざわけい子「天才じゃなくていい。努力の積み重ねが実を結ぶ」P97。
  15. ^ 主婦の友社『声優道 名優50人が伝えたい仕事の心得と生きるヒント』よこざわけい子「天才じゃなくていい。努力の積み重ねが実を結ぶ」P97-98。
  16. ^ a b c d 主婦の友社『声優道 名優50人が伝えたい仕事の心得と生きるヒント』よこざわけい子「天才じゃなくていい。努力の積み重ねが実を結ぶ」P98。
  17. ^ 作品データベース ポールのミラクル大作戦”. タツノコプロ 公式サイト. タツノコプロ. 2022年12月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月14日閲覧。
  18. ^ あしたへアタック!”. 日本アニメーションOFFICIAL SITE. 日本アニメーション. 2022年11月22日閲覧。
  19. ^ 作品データベース”. タツノコプロ 公式サイト. タツノコプロ. 2022年11月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月14日閲覧。
  20. ^ シートン動物記 くまの子ジャッキー”. 日本アニメーション. 2023年5月27日閲覧。
  21. ^ 若草のシャルロット”. 日本アニメーションOFFICIAL SITE. 日本アニメーション. 2022年11月22日閲覧。
  22. ^ はいからさんが通る”. 日本アニメーションOFFICIAL SITE. 日本アニメーション. 2016年6月3日閲覧。
  23. ^ キャラクター”. 科学冒険隊タンサー5. サンライズ. 2022年11月22日閲覧。
  24. ^ こぐまのミーシャ”. 日本アニメーションOFFICIAL SITE. 日本アニメーション. 2023年6月25日閲覧。
  25. ^ シートン動物記 りすのバナー”. 日本アニメーション. 2023年5月27日閲覧。
  26. ^ スタッフ&声のしゅつえん”. ドラえもん. テレビ朝日. 2003年1月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年10月27日閲覧。
  27. ^ まえがみ太郎”. 日本アニメーションOFFICIAL SITE. 日本アニメーション. 2016年6月29日閲覧。
  28. ^ 宇宙戦士バルディオス”. 株式会社 葦プロダクション 公式サイト. 葦プロダクション. 2022年11月22日閲覧。
  29. ^ CHARACTER ソロシップをとりまく人々”. 伝説巨神イデオン. サンライズ. 2022年11月22日閲覧。
  30. ^ Theかぼちゃワイン”. 東映アニメーション. 2022年9月18日閲覧。
  31. ^ プロゴルファー猿”. メディア芸術データベース. 2016年10月1日閲覧。
  32. ^ 作品データベース”. タツノコプロ 公式サイト. タツノコプロ. 2024年2月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月14日閲覧。
  33. ^ オヨネコぶーにゃん”. メディア芸術データベース. 2022年12月9日閲覧。
  34. ^ 悪魔島のプリンス 三つ目がとおる”. 手塚治虫公式サイト. 手塚プロダクション. 2016年5月8日閲覧。
  35. ^ レディレディ!”. 東映アニメーション. 2016年7月10日閲覧。
  36. ^ TVシリーズ”. PATLABOR OFFICIAL WEB PATWEB. バンダイナムコフィルムワークス. 2024年7月14日閲覧。
  37. ^ 天空の城ラピュタ”. 金曜ロードSHOW!. 2016年6月3日閲覧。
  38. ^ 新OVAシリーズ(NEW OVA SERIES)”. PATLABOR OFFICIAL WEB PATWEB. バンダイナムコフィルムワークス. 2024年7月14日閲覧。
  39. ^ パイパー農園SOS!”. NHKアーカイブス. 2022年11月20日閲覧。
  40. ^ 月刊アニメージュ 1979年5月号 pp.134-135「声優24時」第11回 横沢啓子
  41. ^ 『これであなたも声優! 入門編』コスミックインターナショナル、13・14頁頁。 
  42. ^ 311頁より

外部リンク

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