どんちっち三魚
どんちっち三魚(どんちっちさんぎょ)は、島根県浜田市がピーアールしている「どんちっち」ブランドのうち、魚につけられたものをとくに指す場合に使われる言葉である[1][2][3]:24,193。
概要
編集魚における「どんちっち」は島根県浜田市産物ブランド化戦略会議事務局が2003年に定めたブランド名のこと[4]で、浜田港で水揚げされるマアジ・ノドグロ・カレイに「どんちっち」というブランド名を付けてピーアールに取り組んでいる[5]。 三魚に科学的データに基づいた厳しいブランド規格を設定し、それに合格した魚にのみ「山陰浜田港・どんちっち」のブランドシールを貼って商品として売り出すことで、ブランド化で魚価が向上するとともに、他港の船が三魚を浜田港へ水揚げするようになった[6]。
魚の種類
編集- 浜田市で水揚げされた黒アジのブランドアジ[9]:12[10]:198。
- 概ね4月から9月の期間に島根県西部沖の漁場で巻き網漁船で漁獲され、浜田漁港に水揚げされたマアジ。サイズは50グラム以上、平均脂質含有量は10パーセント以上のもののみが「どんちっちアジ」となる[11][12]。
- 普通の黒アジの脂の含有量がおよそ3.5-7%なのに対して、どんちっちアジは10-15%もある[9]:12
- 規格をクリアしたマアジには、仲買の事業者名や代表者名などの生産者情報を記したシールを貼って出荷している[12]。
- 他のブランドアジが一本釣りなどで獲られているため高額で取引されているのに対して、どんちっちアジは撒き餌漁で獲られているため比較的安い[9]:13[10]:198。
- アジの「どんちっち」のブランドは元々は高値で売ることを目的にしたものではなく、値崩れを防ぐためのものである。ブランド化して他のアジとの差別化を明確にすることで大漁の時でも値崩れを防いでいる[13]:62-63。
- また、ゆるキャラの「しまねっこ」の好きな食べ物は「どんちっちアジ」という設定になっている[14][15]。、
- どんちっちノドグロ[16]
- どんちっちカレイ[20]
テーマソング
編集浜田市水産業振興協会が制作したテーマソング「どんちっち」[22]がある。2006年に発表され、作詞は「おさかな天国」を作詞した井上輝彦、歌は富岡美保で、曲はサンバ調で軽快なリズムに乗せて歌われている[23]。
脚注
編集- ^ 「全国豊かな海づくり大会で”どんちっち”3魚を全国にPRへ--浜田市 /島根」『毎日新聞』2003年5月21日、地方版/島根版、23面。「会長の善田奎右・浜田魚商協同組合理事長が「10月5日に浜田漁港で開かれる全国豊かな海づくり大会を絶好の機会に、昨年9月、浜田ブランドに決定した”どんちっち”3魚(マアジ・カレイ類・ノドグロ)を全国にPRしたい」、宇津徹男市長が「水産物は鮮度、衛生管理が重要課題」とそれぞれあいさつ。」
- ^ a b 「高級魚ノドグロ、小中学校給食に 島根・浜田で11月以降 /山口県」『朝日新聞』2021年9月16日。「島根県浜田市を代表する「どんちっち三魚」の一つで、市の魚にも選定されている高級魚のノドグロが、市内の小中学校の給食で提供されることになった。」
- ^ a b “第2次浜田市総合振興計画” (PDF). 島根県立大学 (2016年3月). 2022年4月19日閲覧。
- ^ 「[旬を訪ねて]浜田ののどぐろ 日本海の赤い宝石」『読売新聞』2007年11月13日、西部朝刊 西釣り版、26面。「◇どんちっち 浜田市水産物ブランド化戦略会議が2003年に採用したブランド名。伝統芸能の石見神楽のはやしの音に由来する。のどぐろと、市魚で水揚げ量が国内有数のカレイ、よく脂が乗ったものがとれるアジの3種類を指定。」
- ^ 「浜田の水産物ブランド化で会議=島根」『読売新聞』2003年5月21日、大阪朝刊 島根版、27面。「浜田市の浜田漁港で水揚げされるマアジとノドグロ、カレイに、「どんちっち」というブランド名を付けてPRに取り組む「同市水産物ブランド化戦略会議」の総会が20日、同市役所であり、ブランド名を使う業者の手続きを定めた使用規約が決まった。」
- ^ 岩町功. “浜田港の「みなと文化」” (PDF). 一般財団法人みなと総合研究財団. p. 72-10. 2022年4月13日閲覧。
- ^ “浜田の水産ブランド“どんちっち”~どんちっちアジ”. 浜田市 (2019年1月23日). 2022年4月8日閲覧。
- ^ 福地享子 (2009年6月). “アジの脂を測る機械が登場。マグロの体脂肪もわかる!?”. dancyu. プレジデント社. 2012年7月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月8日閲覧。
- ^ a b c 九十九森『江戸前の旬』 85巻、さとう輝(イラスト)、日本文芸社、2016年10月8日。ISBN 978-4537134919。
- ^ a b 九十九森『江戸前の旬』 108巻、さとう輝(イラスト)、日本文芸社、2021年6月9日。ISBN 978-4537143782。
- ^ a b c d “どんちっち三魚 浜田市水産物ブランド化戦略会議”. 消費者情報. 島根県. 2022年4月11日閲覧。
- ^ a b 「浜田「どんちっちアジ」ブランド向上へ、新機器導入 脂質、瞬時には測定=島根」『読売新聞』、大阪朝刊 島根版、28面。
- ^ a b 九和かずと『築地魚河岸三代目』 42巻、はしもとみつお(画)、鍋島雅治(原案協力)、小学館〈ビッグコミックス〉、2014年5月5日、29-100頁。ISBN 978-4-09-186173-3。
- ^ 「ひこにゃんに負けないぞ しまねっこ、よろしく 新ゆるキャラ、県内観光PR/島根」『朝日新聞』2010年1月16日、朝刊 島根・1地方版、28面。
- ^ 「新ゆるキャラで島根PR、観光連盟が「しまねっこ」。」『日本経済新聞』2010年1月19日、地方経済面 中国A版、11面。
- ^ “浜田の水産ブランド“どんちっち”~どんちっちノドグロ”. 浜田市 (2019年1月23日). 2022年4月8日閲覧。
- ^ 『大人の日帰り旅 中国 四国 2022』JTBパブリッシング、2021年3月10日、52頁。ISBN 978-4533144486。
- ^ “浜田市の花・木・魚”. 浜田市. 2022年4月11日閲覧。
- ^ 「(ぶらり舌まかせ:29)ノドグロ、脂ノリノリ【大阪】」『朝日新聞』2016年2月22日、夕刊 2総合版、10面。「09年、市の魚をカレイからノドグロに変えた。」
- ^ “浜田の水産ブランド“どんちっち”~どんちっちカレイ”. 浜田市 (2019年1月23日). 2022年4月8日閲覧。
- ^ “「うまみ凝縮!干物日本一! “どんちっちカレイ”〜島根・浜田市〜」”. うまいッ!. 日本放送協会 (2022年2月21日). 2022年4月11日閲覧。
- ^ 浜田市公式チャンネル (10 May 2021). どんちっちイメージソング“どんちっち” (YouTube). 2022年4月19日閲覧。
- ^ 「浜田のブランド魚、おいしさCDに 水産振興協が150枚作成=島根」『読売新聞』2006年6月9日、大阪朝刊 島根版、29面。
外部リンク
編集- 島根県浜田市
- 石井信孝. “浜田の水産ブランド「どんちっち」の取組みについて” (PDF). 広島県. 2022年4月13日閲覧。