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ちょっとアナログとデジタルについての話題を目にしたので
自分もここまでの経験を元に記してみようかと
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デジタルの利点といえば、
手作業でメカっぽいのを作ることがなかった人でも
手先の鍛錬なしにメカ(のデータ)を作れてしまうというのが大きいです
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うん、すごく大きい
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そういう人にこそ最大の恩恵があるというか
スジ彫りや段落ちモールドはこうあるべき!とかそういう
「メカのセンス」の話はまた別のとして・・・
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そして自分のように、ロボからフィギュアに浮気してしまって
ロボを造る技術を失ってしまった
=左右対称を前提として面を削りだしていくのが
面倒くさくて立ち戻れなくなってしまった人間にとっても、
またやり直せるいいきっかけを与えてくれました
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メカ出身からフィギュアに転向した人はこれが多いと思います
基本メカの手作業はストイックじゃないとできないのですw
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個人的に速水さんのスーパー3DSHOWが大好きだったけれど、
左右対称がちょっとでも崩れてると、どんなに形が良くても
駄目なモノ扱いされる環境だったので、
左右対称を前提として削り出ししていくということは、
理論的に面を組み立てていかなければならず
「その場のノリで面を出していくという直感的な造形」が出来ない
ということでもあり
趣味での息抜き造形も出来ず
そこらへん、昔からモヤモヤしていました
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そういう意味では
「直線的な連邦系MSを平面の組み合わせでフルスクラッチすること」
よりも
「曲面の多いジオン系MSをフルスクラッチすること」
のほうが工作難易度が高いとも言えます(ディティールを同密度とした場合)
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んなもん曲面をテキトーに削って目視で左右をすり合わせればいいじゃん
・・・とはならないのが厄介なところです
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木彫のように
図面を転写した塊から中心線を元に、少しづつ左右均等に平面の削りを入れていって
ローポリな見た目で左右対称を出した後、最後にカドを落として曲面にしていくことで
左右の曲率を合わせる努力をするなどの工程が必要になります
(人または流派?によってそこら辺の精度を出していくやり方は違いますが)
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旧キットの形状のザクのスネなどをスクラッチする場合は
一見笑っちゃうほど簡単な造形のように思えちゃいますが、上記のことを踏まえてみると
曲面と曲面が美しく融合した上で左右対称が成り立っていなければならず
結構難易度は高いといえるのであります
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アナログ作業は左右対称との戦いだと言っちゃってもいいと思ってます
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(画像はネット上からの拾い物)
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自分みたいに人間のようにスネの左右のボリュームを変えるべき
とか考えるなら尚更面倒になります(;^ω^)b
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別にそこまでしてやらんでもいいんでない?と自分でも思わなくもないですが
自分が良くても、歪んでることを理由に造形そのものを全否定してくれる優しい人
(=そのまま発表すると馬鹿にされるから注意を促してくれる人)
が存在するのだということを忘れてはいけないといいますか(;´∀`)b
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なので車のボディみたいな曲面の塊を一からパテ等で削りだすとか考えると
ちょっと目眩がしてきますw
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ゆるやかな曲面の塊ということは
手がかりにできる直線なり平面なりが少ないということであり、
実物との面の曲率の違いや左右対称、面の平滑さを突き詰めるほどに
ドツボにはまっていきそうで、その作業工程を考えると恐ろしいですw
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(画像はネット上の拾い物)
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ココらへんは最初から精度抜群なキットという土台に盛り削りしていく「改造」
だと気付かない部分だったりするところでもあります
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セミスクラッチ時代の自分がそうでしたw
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一から削り出すようになってはじめて、
アマチュア時代のプラモを改造してた時は
いかに元の製品の精度に助けられていたかということを思い知らされました
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アマチュアでコンテストに出してた頃
1/100νガンダムを改造して1/72のフルバーニアンを造ってました(92′)
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フルスクラッチしてた頃(97′)
この頃は結構平面とゆるやかな三次曲面を組み合わせるということをよくやってました
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その後、ロボから浮気してフィギュアばっかり造ってたら造ってたで、
今度は顔の左右対称、手首足首の左右のサイズを合わせるのが
すごく億劫になったりと
どんどん堕落していく一方でした(;´∀`)
それらをひっくるめて造形の楽しさを再度思い出させてくれたのが3Dでありました
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ルルーシュの顔周りの左右対称を整えるために何度も写真を撮って
中心線引いては修正を繰り返してました(07’)
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そんなことを踏まえてみると、3Dなら
(自分の場合は)メタセコでポリゴン貼ってくだけでも充分直感的にカタチを作れるし
Zbrushはもっと直感的だから形状の模索に凄く便利(13′)
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(当たり前だけど)どのソフトでも左右対称を自動でやってくれる!
コレは本当に感動なのです(`;ω;´)b
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ただ色々一周して思うことは、
フィギュアといえど最後の磨きの段階で(よりイイモノを目指すなら)
やっぱりメカを仕上げられる技術が必要だよな~ということを
色んなケースを見てきて実感することがしばしば
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平面を平面として磨く、エッジを丸めない、スジ彫りを自在に彫れる技術等々
一見フィギュアと関係無いようで
靴などの装身具、布の縁、パンツのモールド、分割面など
意外とメカやっててよかったと思う場面が結構有りました
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そして手作業のメカをやっていた人は細かいところまで目が行き届いてくれるので
安心して自分のデータの出力品の磨き仕上げをを任せられるということもあります
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ファミっ子世代として例えるなら
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ファミコン→スーファミ→PS・・・→スマホ&PS4 ときたように
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手作業でメカ→ポリパテでフィギュア→エポで→スカルピーで→デジタルで
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と、どんどん便利になってきてるのを実感してこれたと思うので
自分などは最初に一番面倒な「メカモノを手で造ること」をやっといて
よかったな~と思うわけです( ^ω^)
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ということはデジタルでやってきた人にそういうアナログ作業を教えるということは
PS4やスマホゲーをやってる人にファミコンの面白さを説く
ということに等しいのではないか なんてことを思ったり・・・
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意外と大変なことのような気がしてきた・・・(`・ω・´;)
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でも少なくとも今、出力して「立体としての作品」を発表したいとなったら
そんなアナログ作業は避けて通れないわけで
(CADとか金型とか言い出すとまた違ってくるのでアレですが)
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そういう人には逆に目新しい分野として
手作業で形を作れる喜びを知ってほしいなと思う次第であります
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・・・とこのように文章にしてみて気付いたのは、結局自分の場合、
手作業は左右対称にこだわればこだわるほど、そして楽な道を知るほど
造形作業が辛くなってきてたのだ ということでしょうか・・・
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すべて左右対称が悪いw
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細かく作りこんでいくこと自体は苦ではない。
むしろ楽しいのだ
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ただ同じことを繰り返さなければいけないことが苦だったのだ
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最初の半面には創造性があるからいい
けど、もう半面は創造性に任せて出せてしまったカタチの再現
という単なる反復作業になってしまうから・・・。
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少なくとも自分にとってはそうだった
(それが苦じゃない人もいるから極論すぎるかもですがw)
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でもそれをこなせてこそ職人だと言えるのだろうとも思ったり
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・・・自分はデジタルというツールで職人に対抗してみる方向で(;^ω^)b
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