Firefox OS搭載スマートフォンの一般販売が2013年7月にスペインとポーランドで、8月1日から南米のコロンビアとベネズエラで開始された。同時にHTML5アプリのマーケットである「Firefox Marketplace」の提供も始まっている。米MozillaでアプリケーションやMarketplaceの責任者を務めるVice President、Apps and MarketplaceのRick Fant氏にMarketplaceやFirefox OSの現状と今後の展開、アプリ開発者支援などを聞いた。

(聞き手は大谷 晃司=ITpro

スペインやポーランドでFirefox OS搭載スマートフォンの一般販売が始まった。

米Mozilla Corporation Vice President、Apps and Marketplace Rick Fant氏
米Mozilla Vice President、Apps and Marketplace Rick Fant氏

 Firefox Marketplace(以下Marketplace)もFirefox OS搭載スマートフォンの一般販売に合わせて提供を開始している。評判は上々だ。導入して間もないのでどの程度Marketplaceが利用されているかといったデータは今のところ持ち合わせていない。Marketplaceの特徴はFacebookやTwitter、Wikipediaといったトップブランドのアプリを既にラインアップしていることだ。

 Marketplaceでアプリ開発者がアプリを配布する際、そこに付帯するビジネス上の条件がない点、自由な点が他のアプリマーケットとは異なるユニークな点だ。例えばMozillaが提供していない決済方法を採用したい開発者がいたら、Paypalなど他の決済手段を自由に選んでもらっていい。こういった自由裁量度を高くすることで、ユーザーの使い勝手がよくなり、イノベーションが加速すると考えている。

 アプリについてはトップブランドを充実させるだけでなく、各地域に根差したコンテンツのラインアップも意識している。ポーランドでは、提供前にビジネス開発チームが現地調査し、ポーランドで人気のアプリをマーケットプレイスに展開できるようにした。

 またFirefox OS搭載スマートフォンを販売する通信事業者が、自らプッシュしたいアプリをプロモーションしたり、ブランディングしたり、といった展開もMarketplaceで可能だ。

日本での展開は。

 今回の来日の目的の一つは、日本の市場ニーズを学び、将来のパートナー企業と話し合うことだ。KDDIとも今回会うことになっている(編集部注:インタビューは7月下旬)。

その成果がプロダクトとして出てくるのはいつ頃か。

 実際の端末の出荷時期は、通信事業者が決めることであり、我々が影響力を行使するものではない。ただ、KDDIの準備ができた段階で、Firefoxに付随するサービスの準備もできているようにする。