MOLLEについて
Condorのバッグについて書こうと思うのだが、その前に抑えておきたい点がいくつかあるので、こちらでチェック。
今回は「MOLLE(モール)」について。
詳細はウィキペディア(US)のMOLLE (military)に詳しいので英語が出来る人はこちらでチェックしてほしいが、面倒くさい人のために、とうブログでも簡単に解説したい。
「米軍のポーチや、デイパック、リュックに付いている、あの横縞、ナイロンベルトはいったい何だ??」という人の疑問に答えられたらうれしい。
この横縞が、MOLLE
MOLLEというのは「MOdular Lightweight Load-carrying Equipment」の略。訳せば、「可変型軽量荷物運搬用装備」?
なんか中国語みたいになっちゃったなー。
まあいいや。
古くから軍隊では、銃を扱うために「手がふさがらないようにしよう。」という概念がある。
たとえば、日本で使われる「ランドセル」も、もともと日本軍が使用する背嚢(リュックサック)が便利だから「子供の通学にも」という概念が始まりらしい。
もちろん、米軍でも古くから、装備は出来るだけ体に取り付け、「手をふさがないようにしたい。」という概念が発達している。
古くは二次大戦時の「ALICE(アリス)」( All-Purpose Lightweight Individual Carrying Equipmentの略)などがある。これは、ベルトとサスペンダー状の肩ベルトを鉄製のフックで接続。このベルトに色々なものを通したり、等間隔に空いた穴に装備をフックで引っかけて固定するシステム。
こういった、銃のマガジンや手榴弾、小物を入れるポーチなどを固定する装置の発展系がMOLLEというわけ。
MOLLEは規格がそろって入れさえすれば、デイパックにポーチを付けたり、ベストにマガジンやポーチを直接付けたり、とにかく、いろんなことが出来る。
これは、米軍の兵科や作戦内容によって装備がかなり異なるので、その装備の変化に柔軟に対応するように考えられたシステムだ。例えば前線で戦う兵士は、マガジンや手榴弾用のポーチをすぐ取り出せるよう、体に直接取り付けたいだろうし、救急兵は、デイパックの外にすぐに使える分類されたポーチがほしいかも知れない。
数日間移動しなければならない場合は大型のバッグにすぐ使えるポーチを固定した方が便利。
という感じ、これらに合わせた装備をいちいち開発するのは大変だから、バッグやポーチ類を取り外し可能にし、兵科/作戦に合わせて、自由に組み替えられた方がいい。というのが「MOLLE」システム。
ある意味、安上がりなシステムともいえる。
具体的に、MOLLEシステムは3つに分類できる。
まず、Fighting Load Carrier (FLC)といわれる。運搬装置。これはポーチなどを取り付ける「親」となるもので、リュックサックや、ベルト、ベストが含まれる。
バッグ内部に作られたMOLLE
次に、Hydration bladder。これはハイドレーションシステムってやつで水分補給装置。水筒の替わりになる大きな水を入れる袋(1L~3L)を、リュックサック内部や、ベストに直接取り付ける。
そして、Modular Pouches。水筒以外の取り付け装置。これは小型のポーチやマガジンケースなどなど。いわゆる「子」にあたる。
こちらのベルトが「子」
MOLLEはこれらがうまく接続されるための「規格」といえる。このMOLLE規格に沿っていいれば、A社のザックにB社のポーチを接続できるというわけ。接続方法は至って簡単だ。
合体中
バッグとポーチの取り付けは「横糸」「縦糸」で、布地を作るように編み込んでいくだけ。
MOLLEのナイロンバンドは大変しっかり取り付けられているので、全力で引っ張ってもポーチのその他の縫合部分が破れることはあっても、MOLLEの接合部がはがれることはほとんど無いだろう。
接合部(画像クリックで最大化)
合体完了
かなりしっかり張り付くのでこの程度のポーチなら相当重いものを入れても垂れ下がったりしないだろう。
実は、この「しっかり結合」の肝になるのは「強力なナイロンベルト生地」の存在と言えるかも知れない。
「簡単に編み込んで、簡単にスナップなどで止めるだけ」という、手軽さと、強固さは古いALICEベルトには無い。ある意味、CORDURAのような強靱なナイロン生地の存在と、縫製技術の進歩がこのMOLLEの大切な裏付けとも言えるだろう。
ハイドレーションは一度も使ったことがないので何とも言えないが、それ以外の親子関係にあるMOLLEシステムは、使ってみるとかなり面白い。また、くっつけなくても、横縞の強力なナイロンは、デザイン的にも、かなりインパクトがある。
子になるパーツを持っていなくても、うんちくを傾けてもらえるとうれしい。
ちなみに、子にあたるポーチはナイロンベルトの通し方によっては、普通にベルトに通るのでベルトポーチとしても使えます。
ちなみに、日本語ウィキペディアには無い「MOLLE」ですが、検索してみました。
「MOLLE」 楽天での検索結果
「MOLLE」 アマゾンでの検索結果
特に楽天ではMOLLEのカタログのようなものが出てきますね。気に入ったアイテムを探してみてください。
今回は「MOLLE(モール)」について。
詳細はウィキペディア(US)のMOLLE (military)に詳しいので英語が出来る人はこちらでチェックしてほしいが、面倒くさい人のために、とうブログでも簡単に解説したい。
「米軍のポーチや、デイパック、リュックに付いている、あの横縞、ナイロンベルトはいったい何だ??」という人の疑問に答えられたらうれしい。
この横縞が、MOLLE
MOLLEというのは「MOdular Lightweight Load-carrying Equipment」の略。訳せば、「可変型軽量荷物運搬用装備」?
なんか中国語みたいになっちゃったなー。
まあいいや。
古くから軍隊では、銃を扱うために「手がふさがらないようにしよう。」という概念がある。
たとえば、日本で使われる「ランドセル」も、もともと日本軍が使用する背嚢(リュックサック)が便利だから「子供の通学にも」という概念が始まりらしい。
もちろん、米軍でも古くから、装備は出来るだけ体に取り付け、「手をふさがないようにしたい。」という概念が発達している。
古くは二次大戦時の「ALICE(アリス)」( All-Purpose Lightweight Individual Carrying Equipmentの略)などがある。これは、ベルトとサスペンダー状の肩ベルトを鉄製のフックで接続。このベルトに色々なものを通したり、等間隔に空いた穴に装備をフックで引っかけて固定するシステム。
こういった、銃のマガジンや手榴弾、小物を入れるポーチなどを固定する装置の発展系がMOLLEというわけ。
MOLLEは規格がそろって入れさえすれば、デイパックにポーチを付けたり、ベストにマガジンやポーチを直接付けたり、とにかく、いろんなことが出来る。
これは、米軍の兵科や作戦内容によって装備がかなり異なるので、その装備の変化に柔軟に対応するように考えられたシステムだ。例えば前線で戦う兵士は、マガジンや手榴弾用のポーチをすぐ取り出せるよう、体に直接取り付けたいだろうし、救急兵は、デイパックの外にすぐに使える分類されたポーチがほしいかも知れない。
数日間移動しなければならない場合は大型のバッグにすぐ使えるポーチを固定した方が便利。
という感じ、これらに合わせた装備をいちいち開発するのは大変だから、バッグやポーチ類を取り外し可能にし、兵科/作戦に合わせて、自由に組み替えられた方がいい。というのが「MOLLE」システム。
ある意味、安上がりなシステムともいえる。
具体的に、MOLLEシステムは3つに分類できる。
まず、Fighting Load Carrier (FLC)といわれる。運搬装置。これはポーチなどを取り付ける「親」となるもので、リュックサックや、ベルト、ベストが含まれる。
バッグ内部に作られたMOLLE
次に、Hydration bladder。これはハイドレーションシステムってやつで水分補給装置。水筒の替わりになる大きな水を入れる袋(1L~3L)を、リュックサック内部や、ベストに直接取り付ける。
そして、Modular Pouches。水筒以外の取り付け装置。これは小型のポーチやマガジンケースなどなど。いわゆる「子」にあたる。
こちらのベルトが「子」
MOLLEはこれらがうまく接続されるための「規格」といえる。このMOLLE規格に沿っていいれば、A社のザックにB社のポーチを接続できるというわけ。接続方法は至って簡単だ。
合体中
バッグとポーチの取り付けは「横糸」「縦糸」で、布地を作るように編み込んでいくだけ。
MOLLEのナイロンバンドは大変しっかり取り付けられているので、全力で引っ張ってもポーチのその他の縫合部分が破れることはあっても、MOLLEの接合部がはがれることはほとんど無いだろう。
接合部(画像クリックで最大化)
合体完了
かなりしっかり張り付くのでこの程度のポーチなら相当重いものを入れても垂れ下がったりしないだろう。
実は、この「しっかり結合」の肝になるのは「強力なナイロンベルト生地」の存在と言えるかも知れない。
「簡単に編み込んで、簡単にスナップなどで止めるだけ」という、手軽さと、強固さは古いALICEベルトには無い。ある意味、CORDURAのような強靱なナイロン生地の存在と、縫製技術の進歩がこのMOLLEの大切な裏付けとも言えるだろう。
ハイドレーションは一度も使ったことがないので何とも言えないが、それ以外の親子関係にあるMOLLEシステムは、使ってみるとかなり面白い。また、くっつけなくても、横縞の強力なナイロンは、デザイン的にも、かなりインパクトがある。
子になるパーツを持っていなくても、うんちくを傾けてもらえるとうれしい。
ちなみに、子にあたるポーチはナイロンベルトの通し方によっては、普通にベルトに通るのでベルトポーチとしても使えます。
ちなみに、日本語ウィキペディアには無い「MOLLE」ですが、検索してみました。
「MOLLE」 楽天での検索結果
「MOLLE」 アマゾンでの検索結果
特に楽天ではMOLLEのカタログのようなものが出てきますね。気に入ったアイテムを探してみてください。
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- ファスナーについて
- MOLLEについて
- ECWCS GEN x について
コメントの投稿
いつも
ミリタリな映像をみるたびに
ナイロンの縞々が、気になってました。
なにかが、取り付けられるんだろうなー。とは
思っていましたが、どういう風にするのか?
いつも、謎で、気になってたとでした。
疑問が、今日、解決できて
スッキリしました。
これから、他の記事も拝見させていただきます!。
藤田
ナイロンの縞々が、気になってました。
なにかが、取り付けられるんだろうなー。とは
思っていましたが、どういう風にするのか?
いつも、謎で、気になってたとでした。
疑問が、今日、解決できて
スッキリしました。
これから、他の記事も拝見させていただきます!。
藤田
Re: いつも
レスポンスが遅れて申し訳ありません。
そうですね!わたしもミリタリ好きをずいぶん休んでいたので解りませんでした。
また、あの縞模様の名前が分からないので、当初は検索にも苦労しましたね。
「なんだろうなー」と思ったことを気軽に手に入れられるのもインターネットの魅力です。
正直言って、藤田さんのように、純粋に調べたい人への情報提供を出来るブログにしたいと常に思っています。
ぜひ、また遊びに来て、気軽にコメントを書いてもらえたら嬉しいです。
そうですね!わたしもミリタリ好きをずいぶん休んでいたので解りませんでした。
また、あの縞模様の名前が分からないので、当初は検索にも苦労しましたね。
「なんだろうなー」と思ったことを気軽に手に入れられるのもインターネットの魅力です。
正直言って、藤田さんのように、純粋に調べたい人への情報提供を出来るブログにしたいと常に思っています。
ぜひ、また遊びに来て、気軽にコメントを書いてもらえたら嬉しいです。
とても参考になりました。
年輩の方がたまたまこのアリスバックをお持ちで、私たちのブログで紹介することになりました。詳しいことが分からなかったので、大変参考になりました。私の周りのミリタリー大好き女子のためにも、こちらの頁を紹介させて下さい。
Re: とても参考になりました。
「参考になった」と言われるのはとっても嬉しいですね。どうぞ気軽に紹介してください。ミリタリー系の様々なアイテムは、どれもアイディアが詰め込まれていますが、理解できないと「なんでこういうデザインなの?」「これは何のためのアイテム?」で思考が停止してしまいますよね。
今後もためになる情報を出せるように頑張ります。
今後もためになる情報を出せるように頑張ります。
がとう
ありがとうありがとうありがとうございます!謎が解決しました!
こんなんあるんですね
はじめまして。
このPALSの実用例のMOLLEについて数日前に知って便利さを知りました。
アウトドア目的でナイトコアとジェットビームのライトを持ってから防災とか防犯に興味持ち、ライトの備品を持ち出しやすいようにナイトコアNUP10のポーチを買ってMOLLEてなんだろうとここにたどり着きました。
ちなみに便利さと言うのは取り外し可能なMOLLEに付けるベルトがあるのですがこのベルトに薄手の上着とか突っ込めると言う事です。
色々バックを今日見てきましたがやっぱ買いやすいコールマンとかコーディラ製生地使ってるのが良いなと思いました。
このPALSの実用例のMOLLEについて数日前に知って便利さを知りました。
アウトドア目的でナイトコアとジェットビームのライトを持ってから防災とか防犯に興味持ち、ライトの備品を持ち出しやすいようにナイトコアNUP10のポーチを買ってMOLLEてなんだろうとここにたどり着きました。
ちなみに便利さと言うのは取り外し可能なMOLLEに付けるベルトがあるのですがこのベルトに薄手の上着とか突っ込めると言う事です。
色々バックを今日見てきましたがやっぱ買いやすいコールマンとかコーディラ製生地使ってるのが良いなと思いました。