野村総合研究所は17日、2013年度までの国内IT主要市場の分析と規模予測を発表した。消費者向け電子商取引やインターネット広告などを含むネットビジネス市場の規模は、2008年度の約9兆円から2013年度には約16兆円へ拡大すると予測。PC向けに加え、携帯電話向けの市場が伸び、全体として順調な拡大が期待できるとしている。
ネットビジネス市場の中で最も大きな割合を占めるのは、BtoC EC(消費者向け電子商取引)市場で、2008年度の6兆2255億円から2013年度には11兆7153億円に達すると予測。市場拡大を牽引するのは「モバイル(携帯電話向け)EC」としており、BtoC EC全体に占める割合は、2008年度の20%から2013年度には25%程度にまで増え、金額では約2兆5000億円規模となる見込みだという。
ネットビジネス市場で年平均成長率が15.5%と最も高くなると予測されるのはオンライン決済市場で、EC市場の拡大に伴い2008年度の2220億円から2013年度には4562億円へ倍増すると予測。うち、携帯電話などのモバイル端末を利用したECの決済市場は、2008年度の約400億円から2013年度には約1000億円へと急拡大すると見ている。
インターネット広告市場は、年平均成長率が7.9%と成長速度を緩めつつも、2008年の5752億円から2013年には8413億円に拡大し、国内の総広告費の約12%強まで伸張すると予測。うち、携帯電話向けは2013年に約2000億円となり、ネット広告市場全体の2割以上を占めると見ている。
ネットオークション市場は、2008年度の1兆503億円から2013年で約1兆4928億円へ増加。野村総研によれば、BtoCオークションの増加や犯罪の減少などがネットオークションの信用を高めているほか、モバイル端末経由での利用が増えていることを成長の要因として挙げている。
情報セキュリティ市場は、情報漏えい対策や内部統制の強化に向けて、2008年度の3692億円から2013年度には5487億円に達すると予想している。また、音楽配信は2008年度の611億円から2013年度には998億円、オンラインゲームは2008年度の1150億円から2013年度には2030億円に増えると見込んでいる。
野村総研ではこのほか、モバイル市場やハード市場の市場規模も予測している。
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■URL
ニュースリリース
http://www.nri.co.jp/news/2008/081217.html
( 増田 覚 )
2008/12/17 12:46
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