総務省の「ICT成長力懇談会」の第5回会合が3日に開催され、中間取りまとめ案が示された。ユビキタス特区の拡充や「サイバー特区(仮称)」の導入を検討することなどが盛り込まれている。
ICT成長力懇談会は、現行の「u-Japan政策」による2011年の“完全デジタル元年”が実現した以降に追求すべき社会の理想像などを検討することを目的として、2月から開催されている。「ICT成長力強化プラン(仮称)」を6月をめどに策定する予定となっており、「u-Japan政策II(仮称)」に反映される流れだ。
今回の中間取りまとめ案では、ICT成長力強化プラン(仮称)で盛り込む分野として、1)ICT産業の国際競争力強化、2)ICTのつながり力による産業改革、3)新たなデジタル市場の創出、4)官民をあげたデジタル適用力の向上──を挙げている。
このうち、2)の項目の1つとして、「民の取り組みを後押しするための『特区』の導入」を掲げている。ICTサービスの開発・実証のために周波数を柔軟に利用できる従来のユビキタス特区を拡充することや、コンテンツ流通などにおける新規事業創出を促すサイバー特区(仮称)を検討することを挙げている。サイバー特区(仮称)は、「サイバー上に実名参加によるクローズドなコミュニティを構築し、その中に限定したインセンティブ付与やサービス試験等が可能な仕組み」だという。
なお、ユビキタス特区の拡充については、総務省総合通信基盤局が「拡大版ユビキタス特区(仮称)」として資料を提出している。これによると、現在のユビキタス特区が、国際競争力強化に向けた開発・研究を後押しすることを目的としているのに対し、拡大版ユビキタス特区(仮称)では、「地域再生・産業創造」も目的とする。地域も全国各地に拡大し、使える周波数を追加的に用意するとしている。
関連情報
■URL
ICT成長力懇談会
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/vigor/index.html
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( 永沢 茂 )
2008/04/04 20:11
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