ソニーの「ロケーションフリー」を利用して、インターネット経由でテレビ番組を視聴できるサービスを不特定多数に提供するのは著作権法に違反するとして、NHKと民放5社が永野商店が運営するサービス「まねきTV」のサービス停止を求めていた仮処分申請について、東京地方裁判所は5日、申し立てを却下した。
まねきTVは、ユーザーが購入したロケーションフリーのベースステーションを永野商店のデータセンター内に設置することで、インターネットを通じてテレビを視聴できるようにするサービス。これにより、放送波の届かない地域のテレビ番組を視聴することが可能となる。現在、約50人が利用しているという。
このサービスについてNHKと民放5社は、インターネットで著作物を自動的に公衆に送信し得る状態に置く「送信可能化権」を侵害すると主張していた。これに対して東京地方裁判所は、「1台のベースステーションから送信される放送データを受信できるのはそれに対応する1台の専用モニターもしくはPCのみで、不特定多数に放送データが送信される予定もない」などとして、テレビ局側の申し立てを退けた。
今回の決定について永野商店の永野修平代表は、「ほぼ全面的に当サービスの主張が認められました。これで法律的な問題も一先ず解決してより良いサービスを提供することに全力をつくすことができます」とコメントしている。
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■URL
まねきTVからのお知らせ
http://www.chronoworx.jp/maneki_tv/info/news.html
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( 増田 覚 )
2006/08/07 16:33
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