ハッピーリタイア計算ツール(またの名を20歳からのリタ活支援ツール)を公表しましたが、このツールを使ってリタイア後の資金シミュレーションをするのに、全部で18個も変数の入力が必要になります。
これら変数を入力するに当たって考慮すべきことや、私の意見などをまとめて、ツールの使い方説明書の詳細版としたく。別にツールを使わなくても、一般的に資金のシミュレーションを見るときに必要になってくることだと思います。
リタイア・シミュレーションに最低限必要な2つ
まずはじめに、リタイアのシミュレーションをするためには、最低限次の2つの数字をある程度正確に把握しておく必要があります。
・現在の金融資産額
・現在の年間支出額
これがすべての計算の前提になるので、この数字がわからないという方は、適当な数字を使ってシミュレーションをするより、まずこの2つの数字を調べてみてください。支出額は、家計簿or小遣い帳を3ヶ月くらいつけるとだいたい把握できると思います。とりえあず1円単位での把握は必要なく、「だいたい1ヶ月にこれくらい使ってるんだな」というのがわかれば十分です。
1.現在の年齢
ツール上は20~100の間の数字にしないとうまく作動しません。
これを見てると、60歳なんてまだまだ若い感じがしてしまいますね。
2.現在の金融資産額
金融資産としていますが、流動性が十分あって値崩れしにくいという確信があるならば不動産も入れても良いと思います。この金融資産には、将来にしかもらえない公的年金資産、個人年金、401k、親の遺産などは含めないでください。これらの資産は、別途記入するところがあります。(→年金収入、一時所得などの項目)
3.年間支出額(リタイア前)
これは、現在の支出額を使えば良いでしょう。節約して確実に減る見込みなのであれば、減らした額でも構いません。10.の現在の家計収入(手取り)からこの数字を引いた額が、リタイア前までの期間の毎年貯蓄できる額という計算です。
この数字は人によってだいぶばらけていると思います。
年間30万円代から始まって上は天井知らず。いくらなのかわからない、という人はまず把握するようにしてみましょう。
なお、天引きされている年金保険料や所得税・住民税などを含める必要はありません。
4.年間支出額(リタイア後)
リタイア前の支出額と違って、これは完全に想定の数字です。リタイア前と同じような生活を維持したいのであれば同じ金額を設定すれば良いですし、時間が出来た分旅行にもっと行くなど余暇にお金をかけたい場合は、その分リタイア後の生活費は増えることになるでしょう。
節制型アーリーリタイアは、時間ができた分節約するようになる場合が多いかと思います。例えば、これまで外食で済ませてきたものを自炊に変えるなど。その場合は、リタイア後の支出は減りますよね。
アメリカの「
リタイアにはいくら必要か計算する方法」では、リタイア後の生活費は現在の支出の7割程度に減らせるとの目安は出ていますが、できれば現在の支出項目一つ一つを見ながら、どこが増えてどこが減るのか、この機会に詳細に検討してみてはいかがでしょうか。
なお、リタイア前の支出とは違って、こちらには年金保険料、所得税・住民税、健康保険料(税)を含める必要があります。私の想定は
こちら。
また、リタイア後から恒久的に毎年もらえるような物価調整されない収入がある場合は、この年間支出額から差し引く形で反映してください(60歳リタイアで、リタイア後すぐに終身の個人年金を貰う場合など)。配当や利息などは、資産額から計算して出しますのでここには含めませんが、割合ではなく絶対額で恒久的な配当を目指す、という場合は、利回りからその分を引いて、このリタイア後年間支出額から引き算をするというのもありかも。
5.リタイア開始年齢
ツール上は、現在の年齢もしくはそれ以上の数字を入力してください。
ここは特に説明いらないですよね(笑)リタイアしたい年齢を入れてください。多くの方は60~65でしょうし、早期退職したい方は30なり40なり50なり、ご自由に。
ただ、一番悩むところではあります。
6.年金受給開始年齢
ツール上は、リタイア開始年齢もしくはそれ以上の数字を入力してください。もらえない方や、もらえると思っていない方でも、ここの数字を入れないとツールが間違った計算をするので、入力をお願いします(その場合は15.年金受給金額をゼロとする)。
ここでいう年金は、物価調整がなされる公的年金のことです。
これは悩ましいところですね。もうすぐリタイアというかたは、60~65で決まっている数字を入れれば良いと思いますが、50以下の方は少なくとも70歳まで受給開始年齢が引き上げられるシナリオにした方が良いんじゃないかと思います。個人的には70歳としています。それ以上遅れたら年金という意味がなくなると思うので。
長くなったので、
(2)に続きます。