―などというタイトルだが実は当ブログもそうである(笑)。
そこで唐突に昨日のニュースから↓
文科省の再三指導も…漢検協、検定料値下げせず募集
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20090407-OYO1T00489.htm(一部抜粋引用)
漢字検定は年間志願者が約270万人(2007年度)。協会のホームページによると、今年度、一般向けの検定は、3回の予定。最初の6月21日の検定について、3月1日から受け付けを開始したが、検定料は1~10級で5000~1500円と、据え置いたまま。検定料は前払いで、原則、申し込み後は返還されないという。
協会は、1級の検定料を6000円から5000円に引き下げるなどした07年度でも利益が約6億6000万円に上った。文科省は08年6月、さらなる検定料引き下げを指導。一連の問題発覚後に立ち入り検査し、3月10日に改めて指導したが、見直されていない。
―検定料のことは正直言ってよく解らない。単に話のきっかけのためにニュースを引用したのみである(笑)。
それより漢字検定ブームである。テレビの雑学系番組などでも、漢字や四字熟語、慣用句等の問題に人気が集中しているように見える。
以前ならこの手の検定では”英検”が一番人気だったと思うが、今やその座が”漢検”に取って代わられたような感がある。『検定試験』というのに多少引っかかる部分はあるが、まあ何にしても学習がブームとなるのは結構なことだろう。何といっても当ブログは”学習ブログ”を謳っているのだ。
それにしてもこの漢検、2級までは一般的な問題であり悪くない内容だと思うのだが、1級の問題の多くについては(準1級は見ていない)正直言ってあまり意味があるようには思えない。ややもすると「普通そんな言葉(若しくは漢字)自体使わないだろう」という印象のものが散見され、難易度を上げるためにのみ問題が作られているような気もする。
この”漢字ブーム”の背景を探るのも面白いがそれは別の機会に譲るとして――漢字だけ覚えることにいかほどの意味があるのだろうか、ということは常々感じている。
もちろん、知らないより知っているに越したことはない。それは当然だ。ただ漢字若しくは熟語の読み方や書き方を覚えるのも結構だが、それをどのように使うか、その使い方がより重要ではないのかということだ。
ひらたく言えば、
文章が書けていない人が多いということである。そういうお前はどうなんだ、と問われると答えに窮してしまうが(笑)、名文は書けないにしても、とんでもない悪文は書かないという程度の自信は持っているつもりだ。
最近はブログなどで素人の書いた文を目にする機会が多くなった。この際率直に言う。個人ブロガーの大半は文章力が低いと思っている。多くはとても公開するようなレベルに達していない。掲示板の類は言うに及ばない。中には読むに堪えないものが少なくない。内容よりも主に文章力の話である。実に
偉そうでけしからんとは思うが(笑)本気でそう思うのだから仕方ないではないか。
そもそも小論文はおろか、作文あるいは手紙さえまともに書いてこなかったような人たちが平気でブログを書いているのだからそれは当然の帰結なのである。
よって、以前紹介した
二人が向かった先は地元で有名なスーパーに足を踏み入れた
この電車の停車駅は、○○、○○、○○に停車します ―のような
奇矯な文章がいたるところに見られることになる。また、このような奇天烈あるいは
稚拙な文を見て違和感を覚えないような人が増えてしまうのである。
だから、漢字の勉強も結構だが、それと並行してもっと読書して読解力を身につけるとともに、語彙や言葉の使い方、多様な表現や正しい
文法を覚えて、それから文章を書いてもらいたいのだ。つまり
文章の作法の習得ということである。
上に手紙と書いたが、最近は手紙の書き方さえ覚束ないような人が増えている。たとえば「拝啓」で始めると時候の挨拶をして本題を書いて最後は「敬具」、「前略」から入ると「草々」で終わるという基本を知らない人が多くなった。
手紙は完全に衰退期にあるためこれは仕方ないとしても、宛名の書き方、これも間違いが目立つ。
「株式会社○○御中 総務部 □□様」などと平気で書く人がいる。―宛先が個人名である場合はそれがたとえ組織の一員であっても、組織名には『御中』をつけてはいけないのだ。だからこの場合は「株式会社○○ 総務部 □□様」が正しい。「株式会社○○ 代表取締役 ◇◇様」とか。
宛先が組織である場合は、たとえば「株式会社○○ 総務部御中」が正解である。
あと思い出したので蛇足ながら付け加えると(笑)、『各位』には”様”をつけてはいけない。各位とは「皆々様」のような意味であるから、二重に敬称をつけることになってしまうのだ。
それから『様』と『殿』の違いは常識だと思うのだが、遺憾ながらこれも間違う人が少なくない。言うまでもなく『様』のほうが上位であるから、迷ったときは『様』としておけばまず失敗しない。
そんなわけで次はこんな検定試験が登場するそうだ↓
漢字力より読解力 「言語力検定」が今秋登場
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/090319/acd0903192115006-n1.htm ↑これがどのような内容になるのか不明であるが、漢字よりこちらのほうが良いのではなかろうか。―例によって”検定”と銘打たなければ権威が保てないというのが個人的には若干引っかかるにしても(笑)。
まあ、漢字ブームも決して悪いとは思わないのでそれ自体に特に文句はない。
それにしても相変わらず偉そうな物言いである。しかしながら”学習ブログ”を自称するという時点ですでに傲岸不遜なのでこれでいいのだ(笑)。
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2009/04/08
国語(日本語) ・
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