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2007.06.24

図書館員の「評価」って?

 図書館の人が「研究活動」を行うことについてのブログ2題を読ませていただきました。筆者自身は研究開発とかそういうのに携わったこともこれから関わる予定も今のところないのですが、あくまで外野の語りとして思うところがあったので少しだけ。

 図書館断想 - 事務職の憂鬱

 かたつむりは電子図書館の夢をみるか - "Library Engineer"

 最大の問題っていうのは、かつての事務官、所謂一般職、事務職である図書館員が何か研究活動的なことを行ったとしても、教員あるいは研究機関の研究員と違って、それを「業績」「キャリア」としてカウントする制度がないということだと考えます。
 また大学ばっかり引き合いに出して申し訳ないのだけど、大学図書館の場合はNII主催の技術スキルが高い人向けの研修というのがあって(軽井沢セミナーとか)、それで好成績を揚げた人はNIIへ異動してリポジトリ事業とか、システム開発事業なんかに関われるチャンスが与えられ、古巣に戻ってからフィードバックできたりするのでまだマシなように思います。ただ、旧帝大系のように開発予算を獲得しやすいとか、学園都市方面とか房総方面の某大学みたいに先進的な取り組みの歴史が長いところ以外では、そういう仕事は難しい面もあるんだろうな、とは推測していますが。
 で、非文科省系の研究機関でそうした先進的なことに取り組もうとするのは、もっと難しいです。そもそもが学術文化や教育の向上ではなく、産業への貢献とかそういう視点を中心に研究事業が動いてますし。研究部門での大学との連携というのはだいぶ進みつつありますが、あくまで組織は「研究職員による研究」が中心になって動いているので、まだまだ事務部門(含む図書館部門)でそういう連携をオフィシャルに行うなんて考えられないですし。そもそも図書館員はそういうことを考えるより、皆自分の組織を守ること、内部においていかに自分たちの存在価値を高めるかに精力注入することが求められる傾向にあるのが現状です(筆者もそっちに没頭せざるを得ない人間の1人)。
 もっとも、突き詰めれば結局、機関リポジトリなんかも「大学においていかにして図書館の存在価値を高めるか?」というところから始まっているわけなので、根っこは同じなのかも知れません。ただ、一応自分は日本人の筈なんだけど日本語が上手くないのであまり突っ込まないで欲しいのですが、大学とそうでないところでは組織の「息切れ度」が違うな、と思うのです。経費節減とか効率化とか、要求されることは大学でもどこでも一緒の筈です。でも、組織の規模が小さすぎて、つまり図書館部門も小さい上、図書館部門が活躍できるような事業面でのバックボーンもないと、ちょっと辛い物があったりします。
 また筆者の職場を引き合いに出してしまい恐縮ですが、数年前に法人化の嵐が訪れた時に、所謂かつての中央館だけ国の組織に残って、それ以外の図書館は法人の中の一組織として取り込まれ、以来中央館から他の館への直接指示とか、一斉に同じ事業に協力して取り組むということが基本的には出来なくなってしまいました。で、かつて中央館だったところが今は実質的に中央館として半端な役割しか果たせなくなってきて、現在予算削減の格好のターゲットにされてしまっているという現状があります。一方他の館においても、法人の組織の中で外国雑誌が目立つ「金食い虫」として見なされ、財政面でバッシングを受けるという、大学においては既に「終わった」問題のただ中に立たされているという問題が起きています。
 どうもここまで書いた文を読み返していると「人数とか情勢のせいにして何も出来ないと逃げてるだけ」と言われても仕方ない書きっぷりなので、この辺の空気を文章で伝えるのは難しいのですけれど。

 暴走してしまったので話を元に戻しますと、図書館員の仕事を普通の事務職とは異なるやり方で評価できるような制度というのは何らかの形で欲しい、と思います。ただ、非文科省系ではとてもそういう要求をできるような状況ではないので、まず大学さんに取り組んでもらいたいなー、と思うのですが。出来れば非文科省系の図書館の職員がお飾りになってアウトソーシングが今以上に進んでしまったりする前に是非是非、って感じです。
 以下は独り言。文科省系って労組があまり強くない(そもそもアテにしていない?)ような話も聞いているのですが、こういう要望ってどういう風に上げるんだろう?

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図書館」カテゴリの記事

コメント

> それを「業績」「キャリア」としてカウントする制度がない

転職や大学院入学のときの材料にはなりませんでしょうか? 漫然と勤めていてはこういうのって書けませんし。

>tanabeさん
>転職や大学院入学のときの材料にはなりませんでしょうか?
>漫然と勤めていてはこういうのって書けませんし。

「制度」ではないものの、恐らくなるんではないでしょうか。大学院の社会人入試でも業績一覧の提出は必須のようですし、外に出てステップアップするには重要な要素だと思います。
現実に組織の内部の制度として検討しようとすると、多分普通の事務屋さんの業績評価手法も並行して考えていかないと折り合いがつかないので、より一層時間がかかりそうな予感がいたします。

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図書館員のブログに匿名が多いことは惜しいという思いを書こうと思っていたのだが、自分の発言に端を発して、 ・katz3さん「事務職の憂鬱」(図書館断想、2007-06-21) http://d.hatena.ne.jp/katz3/20070621 ・min2-flyさん「”Library Engineer”」(かたつむりは電子図書館... [続きを読む]

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