階層型マルチブログのモデルパターン
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モデルパターン
a-blog cmsは階層型マルチブログという特徴があります。この特徴については、2つの側面があります。
情報のまとまり : Webサイトにおける情報構造の中のひとつのまとまりがブログという単位です。他のブログ型CMSに見られるような、部分的な動的更新の単位ではありません。
権限の明示 : ユーザーとその権限は、ブログの中に作られます。そのブログのユーザーは、自分の所属より下位のブログの管理ページにはアクセスできますが、上位のブログの管理ページにはアクセスできません。
ブログという単位で、1つのサイトを構築できるだけの広がりがなければ、この構造は実現しません。ブログを主軸に据えた構造化のためには、単体のブログでWebサイトを構築できる必要がありますが、a-blog cmsは「ルール」と「モジュールID」によってそれを可能にしています。
そもそもWebサイトが単体のブログで構築できてしまうため、あまり注目されることはありませんが、今回は階層型マルチブログについてモデルパターンを通して見直してみたいと思います。
情報構造型モデル
グループ会社内の複数のWebサイトをa-blog cmsでまとめたモデルです。子会社のプレスリリースを親会社に移し替えるのは二度手間であるのはもちろん、コンテンツが複数の箇所に散在するという管理上のリスクを生みます。a-blog cmsでまとめて管理すれば、各子会社のプレスリリースは、そのまま親会社のWebサイトでまとめて取り扱う事が出来ます。
下位ブログのコンテンツを、上位ブログでまとめて管理するための構造です。情報構造として、複数の子会社の情報を親会社がまとめて取り扱うために利用されます。
権限管理型モデル
社内コミュニケーションのために、a-blog cmsをコミュニティシステムとして利用したモデルです。ルートブログから「部」の子ブログを派生させ、そこから更に「課」、そして「社員」と子ブログの階層を深めています。階層型の権限構造として、社内の組織構造をシステム上で再現しています。
マルチブログの運用においては、部署のようなグルーピングの意味をもつブログを適切に挟むこことにより、所属ユーザーのグルーピングが行えます。
複合型モデル
ひとつの企業サイトの中で、各コンテンツの管理部門が異なる場合のモデルです。コンテンツの情報構造としてのまとまりと、管理権限としてのまとまりを、ブログという単位が同時に表現しています。コンテンツと管理の両面から、Webサイトの一部分を独立可能なものとして運用しています。
運営体制やサイトの構造が複雑化した場合でも、システム内のブログやカテゴリーによる階層構造と、Webサイトとしての情報構造との整合性を保つことができます。
ってな感じです。
普通にそこそこの規模のサイトを作るときには、あまりに気にしなくても良いかもしれませんが、ある程度の規模になると構造面からa-blog cmsを設計する必要が出てきます。
システムの概念上は「ブログ」という名前になっていますが、構造上は「サイト」と言い切ったほうがいいケースもありそうです。実はチャキチャキの構造主義な開発思想から、ブログという単語を奪うと途端に難解になりそうな気もしますが。
そのような感じで以上、ブログやカテゴリーの取り回しに悩んでいた方のご参考になれば幸いです。
蛇足
- ブログ単位の取り回しが良くなるように機能を準備中だったり。
- 独立可能なコンテンツをブログとしてまとめるのが設計の基本なので。
- テーマは使い回せるけど、モジュールIDの取り回しだけは要工夫。
- URLコンテキストと情報構造の整合性もリンクしてるんです。
- 現状の仕様だと情報設計は、最初に詰めてやっておくほうが無難。
- 見切り発車なら単一のブログで完結させるほうがいいかもしれません。