「夫より子どもが欲しい」は私のエゴ? シングルマザーという選択
「夫より子どもが欲しいという気持ちは、エゴでしょうか?」。外資系企業で働く首都圏在住の真由美さん(39歳、仮名)は、付き合っていた彼氏との間に子どもができたものの、結婚に意味を見いだせず、シングルマザーとして子どもを育てる道を選択しました。経済的にも精神的にも自立し、自由に子育てしている現状に満足する一方で、感じている負い目があるといいます。【大沢瑞季】
本能? それともエゴ?
「子どもが欲しい」
30歳を過ぎた頃から、強烈にそう思うようになった。なぜそう思ったのか、うまく言語化できないけれど、その気持ちは揺らがなかった。
「本能に近いんでしょうね。その感情がどこから来たのか自分でも分からないんです。ただのエゴかもしれない、と思う時もあります」
結婚は何歳でもできるが、出産にはリミットがある。そのリミットを過ぎてしまった時、「きっと自分は後悔する」と思った。
「子どもが欲しい、だからパートナーを見つけなきゃ」。夫より、子どもが欲しいという気持ちが先立った。
結婚のメリットって?
婚活で知り合った男性と交際を始めた。彼の仕事は自営業で、収入は不安定。でも、外資系企業で高収入の真由美さんは、「私が働いているから大丈夫」と楽観的に考えていた。
30代後半という年齢から、「早く子どもを作らないと」と焦る気持ちがあった。結婚について深く考える前に、彼との間に子どもをもうけることを優先した。
妊娠が分かった時はうれしかった。だが次第に、男性の存在が負担になっていく。
母子手帳を受け取りに行った時、男性は携帯ばかり見ていて、ひとごとのようだった。教育にどれくらいお金をかけるのかといった金銭的な問題を話し合おうと思っても、話がかみ合わない。
妊娠前と全く変わらない男性を見て、子どもを育てることに真剣に向き合おうとしているようには思えなかった。
「結婚しても、私が生計を立てて、育児も一人でやることになるんだろうな。結婚してもしなくても、自分がやることは変わらないのでは? じゃあ、結婚のメリットって何だろう」
妊娠4カ月の時、男性と別れることを決めた。
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