以前書いた「ネットのカメラレビューは役にたたない」の続きです。
カメラ選びは恋人&配偶者選びに似ている。
「イケメンでスタイルが良くて、優しくて頭が良くてお金持ちで気が利いて、親族に変な人がおらず、紳士だけどベッドの中では野獣で、家事もバッチリで子供好きで育児にも積極的で手料理も美味しく、社交的で友人も多く(略)そんな男性と結婚したい」……そんな男性だったら、オレも結婚したいよ!
カメラ選びも同じ。「安くてカワイイデザインだけどオシャレで軽くてコンパクト、簡単に素敵な写真が撮影でき、マクロから望遠までこなし、オートフォーカスも速くキレイにボケが出て(略)そんなカメラを買いたい!」……オレもそんなカメラがあったら欲しいよ!
カメラの世界は「高級な機材ほどポテンシャルが高い」「写りが良い機材ほど重い」「高機能な製品はユーザーに知識が必要」と、何を得ると何かを失うアイテムなんですね。じゃあ、あなたにとって、何が大事なのか? 「カメラ欲しいけど、ハゲ子わかんない~」という人に捧げる、カメラ選びの要素を5つほど紹介したいと思います。このポイントで、どれがアナタにとって重要か……と選んでいけば、自ずと素敵なパートナーと出会えるはずです。ただ、恋人・配偶者と違って、「このカメラ飽きた」となっても、すぐにチェンジすることもできるし、複数の機材を使うことも問題ありません。ただ、複数の機材を相手にすると、時間とお金と体力が必要で、これは恋人・配偶者と同じですね!
●実は一番重要な「重さ&サイズ」
軽いは正義! コンパクトはジャスティス! あ、一緒の意味だ(笑)。カメラは持ち歩くアイテムなので、重量が大切。常に荷物を持ってくれる従者がいたり、50キロのダンベルを片手に軽々と持ち上げるスキルがあったりする人に関係ありません(笑)。お金に糸目をつけず、画質を求めるなら、各メーカーのフラグシップ機と最高級のレンズを買えばいい。だが、重いぞ!
ニコンのフラグシップ機「D4S」は約1350g(実売価格は46万)、で、ニコンの高級ズームレンズ群、通称「ナノクリ大三元」の重量を見ると、
「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」は約970g(定価29万3760円)
「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED」は約900g(定価28万800円)
「AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II」は、なんと約1540g(定価32万4000円)。
カメラ機+レンズ3本の重量は、なんと4760g! ボディ+標準ズームの状態だと2250g。いやー2.2キロの機材は持ち歩くのはなかなか大変だ。山で風景写真を撮影しようと思っても、体力のない人がこの機材を持っていったら、登山口でもう疲労度がMAXで遭難しちゃいそう。
ニコンのフラグシップ機とナノクリ大三元。ちなみに小三元というやつもあります
- 出版社/メーカー: ニコン
- 発売日: 2014/03/06
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログ (14件) を見る
Nikon 超広角ズームレンズ AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED フルサイズ対応
- 出版社/メーカー: ニコン
- 発売日: 2007/11/15
- メディア: Camera
- クリック: 31回
- この商品を含むブログを見る
Nikon 標準ズームレンズ AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED フルサイズ対応
- 出版社/メーカー: ニコン
- 発売日: 2007/11/15
- メディア: Camera
- 購入: 2人 クリック: 14回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
Nikon 望遠ズームレンズ AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II フルサイズ対応
- 出版社/メーカー: ニコン
- 発売日: 2009/11/27
- メディア: Camera
- クリック: 44回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
一眼レフ、ミラーレス、コンデジを買うにしろ、重さはとても重要。「いいカメラだけど重いカメラ」を買って、「持ち歩くのが辛いから、最近写真を撮ってない」という感想は山のようにある。使ってない良いカメラはオレにクレ!
重さも重要だけど、サイズも大切。デカいカメラは専用の鞄を用意したり、肩や首にかけて歩かないといけない。ハンドバッグやズボンのポッケに入る大きさだったら手軽に持ち歩ける。
サイズも重さも電気屋さんの店頭で確認できる。が、重さは気をつけないとイケナイ。よくテレビを買った時に「売り場で見ると小さく見えたけど、自宅に搬入するとデカすぎた」という悲劇があるが、カメラの重さも「売り場で持った時は軽く感じたけど、実際に持ちあるくと重い」という事が良くあるので注意。
●切実な要素「お値段」
カメラにどれだけお金を突っ込めるか、それは恋人&配偶者にどれだけ金をかけることができるのか? と同じです。あんまりお金をかけたくない人は、スマホのカメラでOK。しかし、いい写真を撮りたいなら、それなりの出費が必要。カメラ機材は「値段なり」の世界なので、お金をそれなりに使っても「撮影を続けていれば」後悔はしません。カメラは欲しいけど、選ぶのに悩んだり勉強するのは嫌! という人は「用途」とどれぐらい使えるかの予算を考えれば、製品は決まります。
一眼レフのレンズの世界は、1本100万円クラスも珍しくなく、高いレンズばかり見ていると、数万円クラスのレンズやカメラが、大変リーズナブルに思えてくるので不思議です。え、Canon EOS Mのレンズキットが3万円! PENTAX Q10がボディだけで1万円!? と100万円のレンズを見た後だと、すごい安く思えて、ついつい買ってしまうので、最初の購入時よりも、カメラを買った後の方が節制を求められる世界です。
このCanonレンズで車買えちゃうよな。
Canon 単焦点超望遠レンズ EF800mm F5.6L IS USM フルサイズ対応
- 出版社/メーカー: キヤノン
- 発売日: 2008/05/30
- メディア: 付属品
- この商品を含むブログを見る
Canon ミラーレス一眼カメラ EOS M ダブルレンズキット EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM/EF-M22mm F2 STM付属 ブラック EOSMBK-WLK
- 出版社/メーカー: キヤノン
- 発売日: 2012/09/29
- メディア: Camera
- クリック: 23回
- この商品を含むブログ (20件) を見る
PENTAX ミラーレス一眼 Q10 ボディ ブラック Q10 BODY BLACK 12118
- 出版社/メーカー: ペンタックス
- 発売日: 2012/10/26
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
●惚れ込み要素ナンバーワン「デザイン」
いい写真を撮るためには、シャッターチャンスを逃さないためにも、常に持ち歩く必要があります。そしていつも一緒の機材は、格好良かったりオシャレな方が気持ちがもりあがります。恋人&配偶者も、見た目が良いに越したことはないのと、同じ。
カメラ好きの人はあんまり言わないけど、初心者の人は「デザインで選ぶ」のがお勧めです。多少重かったり、操作性が悪くても、可愛ければ我慢できる。そう、良いデザインは機材に惚れてしまうのです。多少DVで借金持ち&彼母が毒でも、この人が好きだから耐えられる…… そう好きなというパワーは偉大です。
ただし、「惚れ要素が強く出る人」は、浮気性になりやすいので注意。Canonからオシャレコンパクトデジカメが出れば欲しくなるし、オリンパスからモダンなミラーレスが出れば手に入れたくなる。しかもゴツい一眼レフ機と違って、値段も手頃。新しい機種がでると旧機種は一気に下がる。レンズ沼ならぬ、ボディ餓鬼道に落ちて、気がつけば立派なコレクタ-。「愛する機材を持ち出して撮影すると、傷が付きそう」とコレクターにありがちな病に罹患し、写真を撮らなくなる…… まあ、楽しければそれでいいんだけど、カメラは撮影してなんぼだよな~ あ、保管用と撮影用で同じ機種を2台買えばいいんだ! やったね★
SIGMA デジタルカメラ dp2Quattro FoveonX3 有効画素数2,900万画素 930257
- 出版社/メーカー: シグマ
- 発売日: 2014/06/27
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログ (10件) を見る
●カメラは撮影する道具です「用途」
「島風タンのフィギュアを美しく撮影したい」「運動会で走る娘を撮りたい」「山登りが趣味で、紅く染まる山々を記録したい」と、撮りたい物がハッキリしている人はカメラ選びも楽。
運動会写真やらアイドルの腋を撮りたい人は「望遠機能」、花やフィギュアの撮影なら「マクロ機能」、夜の運動会なら「明るいレンズ(もしくは大きな撮像素子)」+「広角」と、必要な機能を持つカメラを選べばよろし。そう考えると、レンズ交換式のタイプの方が良いですね。ただ、レンズ交換式といっても、ミラーレスか一眼か。一眼でもAPS-Cサイズかフルサイズかと悩みます。
●これが重要だけどわかりにくい「画質」
デジタルカメラで画質を決める要素はいくつかあり、「撮像素子(イメージセンサ)のサイズ」「画素数」「レンズの性能」などが関わってくる。実は、よく見る「画素数」は、あんまり重要でなかったりする。その理由は「カメラの画素数と画質の関係とは」というページを見てください。だから、同じ画素数のカメラでも、写りがまったく変わってくる。
最近売っているデジタルカメラは、スマートフォンのデジカメですら、問題ない画素数を持っているので、気にする必要がありません。むしろ、高い数値の画素数だと「イイカメラ」っぽく思えてしまうので、積極的に無視しましょう。重要なのは「撮像素子のサイズ」と「レンズの性能」。
「撮像素子のサイズ」の大きさには、いくつかあり大きい順に並べると、「中判サイズ」>「35mmフルサイズ」>「APS-Cサイズ」>「フォーサーズ」>「1/2.3型」 となります。そして、この順番で写りが良く、値段が高い順でもあります。
一眼レフカメラでも「35mmフルサイズ」と「APS-Cサイズ」では写りもレンズも変わってくるし、高級コンデジでも「APS-Cサイズ」と「フォーサーズ」で写りは変わってきます。
メーカーもこのあたりを積極的に宣伝して区別すればいいのですが、初心者にはこの違いはわかりづらいですよね。だから、やたら画素数の大きさをアピールする宣伝に走っているのではないでしょうか。
お金があって画質を求めるのであれば、フルサイズの一眼を買えばよろし。お金をかけなくて軽い一眼レフならAPS-Cタイプ。高級コンデジも写真のクオリティを求めるならAPS-Cタイプを選択すればOK。
レンズに関しては、広角・標準・望遠、レンズの明るさをどこまで求めるか? が基準となりますが、これは「あなたは何を撮影したいか?」に直結します。これは先程述べたので省略。
以上、つらつらと書いた独断と偏見のカメラ選びに重要な5つのポイントでした。
ここに貼った写真は私が撮影したやつなんだけど、スマホのカメラじゃ撮影不可能なのよね。