読者のわがままを貫きとおしてくれる兄貴!!     望月三起也『バサラ戦車隊』 - 豚か狼か
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読者のわがままを貫きとおしてくれる兄貴!!     望月三起也『バサラ戦車隊』

マンガレビュー
12 /20 2010
 マンガ家というのは、時代に敏感でなくてはならない。そういうサービス業である。



 しかし、自分個人のわがままというのも確かに存在する。




 マンガをそれなりに読めば『あの頃のが良かった』というわがまま。もちろん、それを言ったら老化の始まりという気がしなくも無い。そうは思うのである。だがしかし……。





 
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(2010/12/13)
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 20歳のちょっと前、自分は『ワイルドセブン』という作品に出会った。その頃ですでに古典的名作ではあったし、正直絵もその頃のトレンドからはかけ離れていた……と感じる。




 だからどうしたっ!!



 
 とにかく、自分にとって『ワイルドセブン』は一生忘れられない作品になった。全てにおいて理想的な少年マンガ…と確信している。カッコいいアクション!!カッコいい絵!!カッコいいキャラクター!!カッコいいストーリー!!とにかくカッコいいマンガだ。この先どんなに時代が変わろうとも『ワイルドセブン』のカッコよさは変わらない。



 初期の『バイク騎士事件』編でのクライマックスシーン。主人公・飛葉はぐるりと包囲され、これ以上先に進むならば警視正(大規模な警察署の署長、警察本部の部長)の権利を剥奪すると言われる。その時の飛葉はなんのためらいもなく、階級章を投げ捨てる。その時の飛葉の誇り高い顔が最高である。




 『ヘボを助けるのは友情だ!!その友情が犯罪になるのなら……。結構!!俺は喜んで犯罪者になるぜっ!!』




 もうね、飛葉チャンは自分の永遠の憧れですもん。自分は飛葉にはなれない。だからこそ憧れるんですよ!!




 そして、さらに時は20年近く流れて、今の望月先生は『月刊アーマーモデリング』という雑誌で『バサラ戦車隊』というマンガを描いている。この雑誌は戦車模型というマニア誌だし、決して安くない。そんな雑誌の中で今の望月先生は変わってない。




 前号では屋内で奮闘する戦車の前に敵の手榴弾が置かれる…というピンチで終わる。今回はその手榴弾がカギになる。



 とにかくピンチの切り抜け方というのが素晴らしいアイディアである!!今時のマンガは『覚醒』とか『主人公の圧倒的性能』で切り抜けるのであるが、『とっさに反撃のアイディアがひらめいて逆転!!』やはりこの痛快さは別格だ……。そして、それを実行する勇気!!これこそマンガの快感だっ!!



 そして、「俺を見捨てて生き延びろ!!」という覚悟を決めた軍人に対して人の命を粗末にする戦争への皮肉を込めて戦う主人公!!熱い!!そして優しい!!望月マンガにあふれる男の優しさは今も変わらない!!



 ……すごくすごく嬉しい!!




 大好きなマンガ家が今も変わらず自分のそうあって欲しいというわがままをいまだに貫いて描いてくださる。どんなに時代が変わっても、カッコいいマンガを描き続けてくださる望月兄貴は最高にカッコいいぜっ!!




 今後もずっとカッコいいマンガを読ませてください!!


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宇都宮 勇

魔中年の書く、かなり結構ダメダメなブログです。週刊少年チャンピオンの感想記事をメインにやってます。

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