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資金難のアニメ風3D東方二次創作ACT『東方幀友並』ファンからの出資を報告―傍らではイーロン・マスクへの遠回しなアピールも

もともと外部資金ありきだった可能性うかがえる開発事情も明らかになった東方二次創作、ガイドライン抵触の有無も気になる現状。

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資金難のアニメ風3D東方二次創作ACT『東方幀友並』ファンからの出資を報告―傍らではイーロン・マスクへの遠回しなアピールも
  • 資金難のアニメ風3D東方二次創作ACT『東方幀友並』ファンからの出資を報告―傍らではイーロン・マスクへの遠回しなアピールも

Sanson Productionsが開発中でありつつも、資金難が明らかとなった格闘アクションゲーム『東方幀友並 ~ GENSOKYO RAHEN(以下、東方幀友並)』について、公式SNSアカウントは東方ファンから少額の出資を得られるようになった旨を報告しました。

出資を得られるようになった東方二次創作、開発事情からうかがえる外部資金ありきの可能性

『東方幀友並』とは、2024年9月に発表された東方Projectを原作とした二次創作ゲームです。同年11月末に披露会の実施が予定されていたものの、24日時点で公式SNSは“残り資金が尽きてしまった”という旨を報告し、「身近の興味を持っている投資家に転送し、メールを通じて私たちに連絡してください!」と綴りました。

翌25日にはPatreonやKickstarterで支援を募らない理由として、“Patreonはチームに開発の給料を支払うには不十分”、“Kickstarterは(クラウドファンディングを)一度しか立ち上げられない都合上、メインであるプレイのデモを終えた後に立ち上げたい”などと説明したほか、開発の背景を明かしています。

開発の背景について、「『東方ダンマクカグラ』のクラウドファンディングが(約)2億円集めたのを見た時に実現可能と思った」、「アークシステムのようなきれいなアニメ3Dゲームを2億円で開発したら…と思わずにはいられなかった」といった話を語っているものの、「自身の全財産は2億の10%にも満たない」と告白。

また、現状に至るまでの説明で「自身にできるのは、全財産を燃やして、最初の実機デモがリリースされるまで頑張りぬくことだった(不幸にも、最後の最後で燃え尽きてしまった)」とし、既に100社以上の投資会社に断られている旨の説明もされているため、“もともと自己資金ではゲームを最後まで開発できなかったことを自覚しながら、クラウドファンディング等で補おうとしていた”可能性があります(当初は“クラウドファンディング計画の有無といった詳細は後日発表とされていた)。

そして数日後には、イーロン・マスクがAIを活用したゲームスタジオの立ち上げを宣言するSNS投稿に対し、リプライする形で『東方幀友並』公式SNSアカウントは「一握りのゲーム開発者が、すでに市場の圧力はあっても、あなたが望む目標に向かって努力しようとしていると信じている!」といい、「そういった人たちを見つけ、“ほんのちょっと”投資してみるのもいいかもしれない。外部の力を使って(巨大企業による)独占を打破すれば、ゲーム業界は本当に良くなるだろう」と送りました(添付されているイラストは六合ダイスケ氏のものと思われるが、許可の有無は不明)。


きっかけは過去、イーロン・マスクが「自分は実は猫娘だ」と添付されものと同じ東方Projectキャラクター「今泉影狼」のイラストを投稿した件と考えられるほか(「今泉影狼」は実際には狼女、イラストはわんどろいど氏のものと思われる)、本メッセージ自体は単体で見ればイーロン・マスクに対する提案にも見えますが、執筆時点で『東方幀友並』公式SNSアカウントの投稿頻度は低く、あまり他者にリプライを送らない傾向や、数日前に“アークシステムワークスに助けを求めてみては”との意見に呼応する形で米アークシステムワークスへメッセージを送っていたこと、そして上述の“投資家を募集するメッセージ”を考慮すると、遠回しな投資対象としての自己アピールと捉えられます。

公式SNSアカウントの動きからも資金周りでの苦戦が伺える『東方幀友並』の開発事情ですが、記事執筆時点の11月29日、同アカウントは“多くの熱意あるメールを貰った”ほか、「依然と今月の支出である1万ドルを補填するという目標までは5%しかない…」としつつも「幸い、来月(12月)に謎の東方ファンから少額の出資を得られるので、11月と12月の支出を補えるようになった。それまではスタッフを落ち着かせてみる」と報告しました。実機デモについては、ユーザーの質問に答える形で「まだ終わっていない」と明かしています。

投資についてガイドライン記載はないものの、明記されていない事例でトラブルになったことも

なお、東方Projectにおけるクラウドファンディングについて、過去には海外の開発者が『東方大乱闘』なるゲームの出資を募ろうとしたものの、原作者であるサークル・上海アリス幻樂団のZUN氏の許可を得ずにクラウドファンディングを強行した結果、海外コミュニティで数日にわたる議論が展開された事例が存在しました。当時、強行理由のひとつとして、“ガイドラインにクラウドファンディングの禁止が明記されていなかったから”という旨の発言がされており、後のガイドライン改定に影響したとも考えられています。

執筆時点での東方Projectの二次創作ガイドラインには、「クラウドファンディングについては、個人活動の範囲を超える資金集めに伴うトラブルに、版元として責任を負いかねる為、基本的に実施しないでください。どうしても実施したい場合は、無断では行わず、個別にお問い合わせください」と明記(執筆時点で日本語版ガイドラインのみ更新されており、英語版にクラウドファンディングに関する明記は無し)。

『東方幀友並』について、クラウドファンディング自体は「メインであるプレイのデモを終えた後に立ち上げたい」などと、意向を示すのみとなっていますが、それとは別として執筆時点で行っている出資を募る件は、ガイドラインに明記されていないものの、「個人活動の範囲を超える資金集め」に該当する可能性があります。企業が同人サークルによる東方二次創作ゲームのパブリッシングをするケースは存在しますが、現段階の本作開発チームについて、上海アリス幻樂団へ問い合わせを既に行っているのか、行っていなかったとしても、どの段階で行うつもりなのか、といった点にも注目されます。



ライター:ケシノ,編集:H.Laameche

ライター/ゆる~いゲーマーです。 ケシノ

主に午前のニュース記事を担当しているライター。国内外、様々なジャンルのゲームを分け隔てなくカバーしています。アメリカに留学経験があり、2022年1月よりGame*Sparkにてライター業を開始。一番思い出に残っているゲームは『キョロちゃんランド(GB版)』。

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