進化がめざましいデジタルデバイスやスマートフォンなどで使える新サービス。最近は、健康をテーマにしたものが増えてきた。話題の健康ツールは、本当にストレスフリーで毎日使えるものなのか。健康改善に向け、自分の生活をどれほど変えてくれるものなのか。気鋭の人気ITライターが利用者目線で評価し、その実力を明らかにする。
前回に引き続き、メガネ型のウェアラブル端末「JINS MEME」についてレビューしていく。今回は、ランナーに役立つJINS MEME向けアプリの中の1つ、「JINS MEME RUN」をメインに取り上げる。
前回記事「メガネ型端末「JINS MEME」で姿勢の歪みを発見」では日常の活動状況、“カラダ年齢”と“ココロ年齢”を計測するアプリ「JINS MEME App」を紹介した。今回は、同じくJINS MEME用アプリの中から「JINS MEME RUN」を取り上げたい。その名の通り、ランニング用のトレーニングアプリだ。ランニング用のデジタル機器といえば、走った時間やラップタイムなどを計測するスポーツウオッチがおなじみ。近頃は、GPSを内蔵して走行距離を計測できたり、心拍数計を内蔵して負荷をコントロールできたりするなど、高機能な製品も登場している。そのようなランニング用機器と比べても、JINS MEMEは異色の製品と言える。
見所は、メガネのテンプル部に内蔵しているセンサーだ。前後左右のバランスや、動き(加速度)などを検知する。ランニング中、このセンサーが利用者のフォームを監視し、もしフォームが崩れると音声などで知らせてくれる。大げさかもしれないが、走っている間、自分の後ろからコーチが自転車などに乗って追いかけ、声をかけてくれるような機能だと思っていい。
走るペースだけなら、既存のランニング用機器でも分かる。だが、フォームまでチェックできるのはJINS MEMEだけだ。活動量や負荷ではなく、フォームに軸をおいて走りの質を可視化できる点がJINS MEME RUNアプリの魅力といえる。アプリを共同開発した慶應義塾大学スポーツ医学研究センター准教授の橋本健史氏は、JINS MEMEを利用して短距離走者のフォームを可視化する実験を行い、走者の左右の足にかかる駆動力などを改善できたという。
JINS MEME RUNアプリは、私生活でも使いやすい黒縁フレームの「JINS MEME ES」(税別3万9000円)と、スポーティーなデザインの「JINS MEME MT」(税別1万9000円)、どちらのメガネ型端末でも利用できる。この両者は搭載するセンサーに違いがある。JINS MEME ESは6軸センサーと独自開発の眼電位センサーを搭載するが、JINS MEME MTは6軸センサーのみとなる。JINS MEME RUNアプリは、6軸センサーしか使わないので、JINS MEME MTでも利用できるというわけだ。JINS MEME MTは価格が2万円安いうえに、フィット感もJINS MEME ESより上だ。テンプル部が頭を挟むようにしてフィットするため、激しく動いてもずれにくい。見た目もスポーティーなので、本格的に取り組んでいる人はこちらを選ぶといいだろう。
JINS MEME
提供:ジェイアイエヌ
価格:3万9000円(JINS MEME ES、税別)、1万9000円(JINS MEME MT、税別)