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ゲーム音楽聴きたさにゲームの腕が上達していった思い出

いきなり昔話。

私がゲーセンに最も通っていた時期は1990年代中頃で、学校帰りに、時には学校に行かずに都市部のゲーセン(主に新宿)で数時間プレイをして、またそこから出たら自宅近くのゲーセンでちょっと遊んでから帰るようなゲーム漬けの日々を送っていました。

この時は最盛期をやや過ぎたけどまだ盛り上がっている2D格闘と、3D格闘ゲーム『バーチャファイター2』と『鉄拳2』がとてつもない盛り上がりを見せていて、ゲーセンが非常に賑わっていた時期。自分もそれら格ゲーをやりつつ、良作が豊富に出ていたシューティングをやるのがパターンとなっていました。

 

でも私は実は子供の頃からシューティングをずっと続けていたというわけではなく、高校受験を機に止めたゲーム熱がこの少し前に再燃した感じで、故に腕はどっちかというとヘボシューターの部類でありました(今も大して変わってないですが)。ただ、この頃たとえヘボであっても、何度も食らいついていた理由があります。それが「ゲーム音楽の聴きたさ」。

私のゲーム音楽熱が再燃したのは、この頃のZUNTATAから、とりわけ『ダライアス外伝』に衝撃を受けたからなのですが、その音楽を聴くために何度も何度もプレイした記憶があります。というのもこの頃、インターネットは殆ど普及しておらず、あったとしても回線は電話回線の56kbps。もうちょっと時代が進めばISDNの64kbpsにもなりますが、今のYouTubeのような動画どころか、かなりビットレートが低くて音質の悪い音楽をストリーミングで聞くのでさえなかなか重くて出来なかった時代です。しかもゲームサントラは売られるとは限らず、出たとしてもアーケードのリリースからしばらく時期を置いていました。つまりこういったゲーム音楽は手軽に聴けるような環境ではなかったのですね。故に音楽を聴くにはサントラか移植版が出るまではゲームをやるしかなかったのです。
しかし、とてつもなく良い音楽というのは、ゲームをだんだんと盛り上げていくという演出的な意味もあり、だいたい後ろの面が多いのですよね。多くは5面とか、言わずもがなラスボスとか。しかしシューティングは(ステージセレクトのもありますが)普通1面を超さないと2面に行けない。ということは5面の音楽を聴くためには1~4面をクリアしないといけないということです。これがヘボシューターにとっては難関でした。

でも今思うと、これが腕を上げるもとになったと思うのです。その面に行くために上達する、という気力で。あと、音楽の聴きたさがミスしてもあきらめないようになったというのも大きいですね。シューティングだと最初のほうでミスすると集中力が途切れてしまいがちです。とりわけ初心者を抜けたばかりの中級者くらいなら。しかし、ご存じの通りたいていのシューティングはミスしたらランクが下がって先に進みやすくなるのですね。それを知らなかった当時、「クリアは無理でもせめて○面の音楽までは……」とあきらめないでプレイし続けていたら(実際は少し難易度が下がっているので)先に進めるようになり、たどり着いたということもけっこうあります。そしてそれにより実際の経験値が増え、プレイが上達していたという感じ。

 

わかりやすように、自分の場合のゲームで例を出してみます。

※2014/12/25 追記 動画追加してみました。

 

『レイフォース』の5面&ボス曲

名STG&名曲として有名なレイフォースですが、5面「INTO DARKNESS」~「QUARTZ」の流れはとりわけすごい人気があります。これが聴きたいのと、もうひとつ5面のものすごい立体背景の美しさを見たくて、必死になった思い出があります。当時はオーディンの誘導弾の避け方がわからず苦労したような。

 

『レイストーム』の5面以降


レイフォースと来たらこっちも。5面の曲「LUMINESCENCE」もよいのですが、それに続く6面の「TOXOPLASMA」もものすごく印象に残るもので、これを一秒でも長く聴くために粘った思い出が。ちなみに6ボスの変形も見たかったし。
と思ったら偶然たどり着いた7面もすごくいい曲で、個々でも粘っていたらいつのまにかラスボス→クリアに、という感じでした。

『ダライアス外伝』のラストステージ

さっきも書きましたが、かなりやり込んだシューティング。ラストの演出が音楽、画面共にすばらしく、これを聴くために必死になってプレイしました。まあ弊害は音楽を聴くのが中心になったせいで、しばらくフウセンウナギ(一番簡単なの)ばかりクリアしていたことですけど。

『Gダライアス』のラストステージ

もう全編が感動的なGダラの音楽ですが、特にラストステージの「KIMERAII」と「ADAM」を聴くために何度もプレイ(しかも当時通っていたタイトーのゲーセンの筐体が、巨大スクリーン&大スピーカーだったので尚更)。これも同じくしばらくはクリオネばかり行くことになりましたが。あとPS版は読み込みで音がフツブツ途切れたり消えたりするので、サターン版ダラ外の出来が良かっただけに相当不満を持った思い出が。

『バトルガレッガ』の5面

タイトーばかり続いたのでこちらも。難しいので有名なガレッガですが、この面もボスラッシュでわりと難しい(それに輪をかけて次のステージからの難易度上昇ですが)。でも5面の音楽「Subversive Awareness」にはかなり引き込まれ、ここでも一秒でも長く、という気持ちでプレイして最後までたどり着きました。
まあ自分だけじゃなく多くのプレイヤーはこの後のブラックハート様のワインダーで感動しつつ地獄を見るわけですが。

『極上パロディウス』のラストステージ

パロディウスシリーズはクラシックなどの非常に良く出来たパロディアレンジが全編で流れますが、これ聴きたさにやりまくりました。当時はゲーム音楽の知識はそこまでではなかったのですが、こういった耳慣れたクラシックの面白いアレンジというのはとても印象に残ったのですねですから次は何が出て来るか、と思いながらやりました。
とりわけ極パロラストステージの「新世界から」アレンジの「パロパロダンシング!」が聴きたくて、必死でやりましたね。
しかしセクシーパロディウスのほうは、あまりにも難しすぎて努力じゃ超えられない壁になってました(たぶんコンテナ面まではいったかな)。故に当時はスペシャルステージで流れる名メドレーの存在なんぞサントラ発売までは知らずに生きてました(いや、巣鴨キャロットでうまい人がプレイしていたのは見てたけど、音楽は聞こえなかったのですな)。

『ソウルエッジ』のラストステージ

シューティング以外からもひとつ。当時3D格闘としてソウルシリーズの初代『ソウルエッジ』が出たのですが、これの魅力のひとつはやはり音楽。まだ基板の感じが残る音源でクラシック風の美しさを演出した名曲が揃っています。
その中でラスボスのセルバンテスのテーマである「Bravely Folk Song」が美しいのですよ。だからこれを聴くためにひたすらプレイしました。
 

 
本当はもっともっとあるのですが、きりがないのでこのへんで。

そんなわけで、音楽の聴きたさが自分のゲームの腕を上げたのだろうなという思い出。もしかしたら、同じような経験をした方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、たとえ実力で辿り着けなくても今は動画はYouTubeなどにあったりしますし、サントラも昔よりは(発売されれば)入手しやすくなっています。それ以前に、音楽が磁力で辿り着くまで聴けない状況ってのはあまりなくなってきましたね。そういうゲームジャンルも少なくなったし、アーケード自体あまりなくなったし。
もちろん便利になったことで、音楽を手軽に聴けたりする楽しさなど、生まれたものも多いでしょう。しかしそういった反面、制約が多かったが故に、自分の腕を上げるという機会がなくなるというのも少し寂しいものはあったりします。つか、自分も当時から比べてトシとったから、今どれだけ難しいゲームに反応できるかわからないけど。

 

 

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