「利用規約=契約の意識なし」「規約は読まない」 ネットユーザーの耳が痛くなる調査結果が明らかに!

個人情報漏れは心配だけど利用規約を読むのはめんどうくさい――ネットマイルは、「インターネットサービスやスマートフォンの利用規約・プライバシーに関する調査」で、ネットサービスの利用規約の実情を明らかにしたデータを発表しました。ネットユーザーには“耳の痛い話”だからこそ、ガジェット通信で詳しくレポートしたいと思います。

ヘビーユーザーほど「めんどうだから利用規約を読まない

アプリをダウンロードするときに表示される利用規約を「はいはい」と「同意」ボタンを押していませんか?

インターネットサービスやスマートフォンアプリなど(以下、サービスに統一)を利用する前に、利用規約を読む人はたったの15%、読まない人は全体の32%にも上りました。理由は「めんどくさい」が88%、「時間がない」が26%、「理解できない」が17%。サービスを一日数回以上利用する人の88%が「めんどくさい」と回答しており、よく使う人ほど「利用規約を読まない」傾向が見られました。
 

利用規約が簡易化されても「読まない」?

2012年に入って『Google』が利用規約を簡易化したのはご存じでしょうか? 同調査では「知らない」と回答した人が83%と圧倒的でした。また、「利用規約が半分程度に改訂されたら読む?」という質問には、「読むと思う」と回答する人が約30%増えて45%になりました。

一方で、「半分になっても読まない」「わからない」と回答した人の合計は55%と過半数に上っています。年代別では40代が「読まない(33%)」、50代は「読むと思う(50%)」とやや読む率が高くなっています。
 

利用規約の簡易化は「かえって不安」

利用規約が簡易化されることについて、ユーザーは好意的に見ているのかというとむしろ「リスクが増える」と感じているようです。理由は「サービス提供側に有利に作られている(76%)」が多くを占めています。また「利用規約を読まないことによるリスク」を把握している人は全体の54%、利用頻度の高い人のほうがリスクに対して意識が高いこともわかりました。リスクを感じながらも「よく使っているからいちいち利用規約を読むのはめんどう」という矛盾した感覚がはびこっているようです。
 

サービス側の取得情報を「知っている」は全体の5%

利用しているサービスが「個人情報をどこまで取得しているのか?」を知っている人はどれほどいるのでしょうか。調査結果によると、「知っている」と回答したのは全体のわずか5%で、ほとんどの人が把握できていないようです。

また、一部のサービスで「ユーザーの行動履歴」が活用されていることへの認知度は65%、そのうち37%が「(活用を)許せる)」と回答。ライトユーザーのほうが、その受容度が高くなる傾向があります。また、個人情報の活用への認知度は48%で、33%が「(活用を)許せる)」と回答。女性は「個人情報活用を許せない」と回答した人が男性より13%高い48%に上りました。
 

若者ほど「電話番号や住所」の提供に抵抗感がある

サービスに提供したくない情報の第一位は「クレジットカード番号(85%)」。続いて、「住所」「電話番号」が70%、「写真」67%、「勤務先」65%の順になりました。年代別では、40~50代が「クレジット番号」提供に抵抗感を持つのに対して、若者層は「住所」「電話番号」「氏名」などの基本情報の提供を拒む意識が強いことが明らかになっています。

抵抗感を持つ理由としては、「何に使われるのか不明で怖い(79%)」「個人情報が漏れるのが怖い(71%)」が特に高く、いずれも女性の方が男性よりも個人情報提供を拒む傾向にあります。また、20~30代のほうが40代以上よりも個人情報漏れへの警戒感が強いこともわかりました。
 

「利用規約=契約」という意識がない

では、ユーザーは利用規約の重要度をどう捉とらえているのでしょう? 同調査では「重要だと思う」「サービスによっては重要だと思う」の合計は95%、「利用規約を読まないリスクを把握している」は55%でした。また、「トラブルが発生してから利用規約を読んだ」人は24%。「読まなければ」と思いながらも、必要に迫られるまでは放置している現状が見えてきます。

また、「利用規約は契約である」という認識については、26%が「ない」「わからない」と回答。また、若者ほど「契約だと思っていない」傾向が強いことも特徴的です。
 

めんどうだけど読むしかない!

つい先日、ある人気スマートフォンアプリの利用規約について、「アプリ利用者の個人情報だけでなくアドレス帳の情報を(アドレス帳に登録されている)本人の許諾なくサーバにあげてしまうことになるのでは?」とユーザーから指摘があったことを受けて、アプリ側が規約を修正するという事態が発生しました。

インターネットサービスやアプリを「今すぐ使いたい」と思って登録作業を進めているときに、小さな文字で書かれた利用規約を熟読するのはたしかに面倒です。でも、うっかりすると自分だけでなく周囲の人に迷惑が及んでしまうことだってあります。登録ステップの気軽さに流されず、「ひとつひとつが契約」と肝に銘じて利用規約を読むようにしたいものですね。

今回の調査は、全国ネットマイル会員(約256万人)のうちウェブ検索エンジン、SNS、スマホアプリ、ポータルサイト利用者を対象に実施。調査期間は2012年3月30日~31日、有効回答数1000サンプル(女性50%、男性50%、20代、30代、40代、50代それぞれ25%ずつ)、インターネット調査。
 

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Kyoko Sugimoto

京都在住の編集・ライター。ガジェット通信では、GoogleとSNS、新製品などを担当していましたが、今は「書店・ブックカフェが選ぶ一冊」京都編を取材執筆中。

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