今回の大阪北部地震は、マグニチュードにすると6.1(気象庁発表、6月18日17時現在)。たとえば熊本地震(2016年、M7.3)や兵庫県南部地震(1995年、M7.3)にくらべると、地震の規模としては60分の1ほどで、それほど大きい地震ではありませんでした。しかし、起きた場所が良くない。最も揺れの大きかった地域は大阪のベッドタウンで人口も多い。耐震性のない古い建物が壊れたりして、被害が広がりました。
今回の地震は、これまでに知られている活断層の一部が地下で動いたのかもしれないし、まったくマークしていなかった断層が動いたのかもしれません。場所が1596年に起きた慶長伏見地震と似ていますが、当時はこの地域で活断層による地震が連続しました。
これをきっかけに周辺の活断層が刺激されて、さらに大きな地震が誘発される可能性があります。2016年4月の熊本地震では、最初の地震の28時間後に、さらに大きな地震が発生しました。今回も、今後数日〜1ヵ月は注意深く見ていかなくてはなりません。
1995年の阪神淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震以降、関西でも地震は起きる、という知識が一般にも浸透しました。23年経って再び大きな地震が発生し、関西地方の方々にとっては、あらためて地震への備えに対する意識が呼び起こされたと思います。
一般に活断層地震、直下型地震と呼ばれる非常に浅い地殻内地震は、関東より、本来、中部・近畿地方のほうが起きる可能性が高いと考えられています。とりわけ、京都から大阪にかけては、いくつもの断層帯が集中しています。今回の地震の発生原因が上町断層か有馬−高槻断層帯か、あるいは未知の断層なのかまだわかりませんが、今後、これが火種となって周辺に拡大しないことを願っています。
(2018年6月18日談)
活断層地震とは何か、今回の地震と比較される慶長伏見地震(1596年)について、遠田晋次著『活断層地震はどこまで予測できるか』から抜粋して掲載します。