
株式市場の未来を予測するのは簡単なことではない。ただ、確実に言い切れる未来というのも存在する。たとえば、異常に動く相場はいつか必ず終わりを迎えると—。今回も、予兆が浮かんで来た。
怯える投資家たち
マーケット関係者が不吉な前兆に気付き始めた。
「ブラックマンデー当時に似てきた」
そんな恐ろしい声が、あちこちから聞こえてくるようになってきたのである。
ブラックマンデーとは、'87年10月19日から始まった米国発の世界的株価暴落劇のこと。史上最大かつ最悪の金融事変で、この日が月曜日だったことから「暗黒の月曜日」としていまなお語り継がれる。
この日、ダウ平均は一日で20%以上も下落。パニックは瞬く間に世界中に伝播し、日本でも翌20日に日経平均株価が15%も急落する大惨事に発展した。
実は一部の市場関係者の間では、「次のブラックマンデー」の日付が具体的に指摘されている。いま再びのブラックマンデーがあるとすれば、今年3月16日の月曜日が危ないというのだ。あとわずかひと月余り先のことである。
そんな有事が繰り返されるとは想像もしたくないが、市場関係者は警戒モードに入っている。世界のマーケット事情に詳しいRPテック代表の倉都康行氏が言う。
「金(ゴールド)の価格が上がり始めています。世界中のマーケットにはジャブジャブとカネが溢れていて、いままでそれは米国株を中心としたリスク資産に流入していた。しかし、ここへきて投資家たちがなにかに怯えるように、『有事の金』へ資産を移し替えている。これからなにが起きるのかわからないというマーケットの不安を象徴しています」