米ヤフーは今、どうなっているのか? ---明らかにされたマリッサ・メイヤーCEOの経営実態

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米国の大手ポータル・サイト「ヤフー(Yahoo!)」のCEO、マリッサ・メイヤー氏に対する風当たりが強くなっている。

●"What Happened When Marissa Mayer Tried to Be Steve Jobs" The New York Times, DEC. 17, 2014

上記NYT Magazine記事によれば、米ヤフーの業績が冴えないことに関してヘッジファンド・マネージャーなど、いわゆる「物言う株主」がメイヤー氏への圧力を強めているという。彼らはメイヤー氏に対して、ヤフーが保有しているアリババ株を売却した後、AOL(アメリカ・オンライン)と合併することを求めている。

経験不足を指摘する声も

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経営不振に喘ぐヤフーの救世主として、メイヤー氏が同社CEOに就任したのは2012年7月のこと。グーグル出身で年齢も30代後半と若いことなどから、非常な注目と期待を浴びての船出となった。人気ブログ・サイトのTumblerを始めとした大型買収を矢継ぎ早に行うなどして、一時は経営が上向きかけたが、その後、じり貧状態に陥り、2014年半ばの決算発表でも、この10年間で最悪の四半期業績となるなど、経営を立て直すことができなかったという。

冒頭の記事では、メイヤー氏周辺の関係者への取材を通じて、その理由を分析している。ただしメイヤー氏本人への取材は断られたため、その点では一方的な内容の記事とも言える。

いずれにせよ大きな理由の一つとして挙げられたのが、同氏の経営者としての経験不足だ。グーグル時代のメイヤー氏は、検索エンジンを中心とするユーザー・インタフェースの設計責任者、つまり技術職だった。もちろん、かなり多くの部下を抱えてはいたものの、そこからいきなり従業員1万人以上の巨大企業の経営者に就くのは、今から思えば若干無理があったと見られている。

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