2014.07.16

シニアビジネスの第一人者
村田裕之氏(村田アソシエイツ代表)が語る
「高齢化社会をビジネスチャンスにする発想」

シニアビジネスの第一人者、村田裕之・村田アソシエイツ代表            (筆者撮影)

ついに、国民の4分の1が高齢者という超高齢化社会に突入した。総務省が発表した2013年10月時点の人口推計によると、65歳以上の高齢者(老年人口)の割合は数値を公表し始めた1950年以降、初めて25%を超えた。

指摘されるように「稼いで支える人」が減り、「支えられる高齢者」が増えるのは事実だが、一方で日本の高齢者層が多くの資産を持ち、購買力を維持し続けている現実もある。

シニア層を経済の中にどう位置づけるべきか。「企業にとって高齢化はむしろチャンスだ」と語るシニアビジネスの第一人者、村田裕之・村田アソシエイツ代表に聞いた。

60歳以上の金融資産は482兆円

---日本社会の高齢化がいよいよ本番を迎えています。

村田 高齢化は問題点が常に指摘されます。医療や年金の制度がもたないという危機感が語られます。

それはもちろん事実なのですが、一方で、60歳以上のシニア層が日本の金融資産の大半を持っているというのも現実です。個人金融資産は1500兆円あるとしばしば指摘されますが、事業性資金が含まれているなどかならずしも実態を示していません。私の試算では60歳以上が持つ正味金融資産は482兆円です。それでも大きな金額です。

その482兆円の3割に相当する146兆円が消費に回ったらどうでしょう。国家予算はざっと100兆円ですから、それを上回るお金が市場に出て来るわけです。1割でも48兆円ですから、下手な公共事業よりもはるかに大きい。経済へのインパクトは大きいのです。

そうした可能性を持つシニア向けの商品やサービスを企業がいかに開発していくか。そうした企業の開発を行政がどうサポートしていくか。これが重要になってきます。

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