「飼い主を守る猫」でも行使する「集団的自衛権」に反対するマスコミの国際感覚の欠如

安倍晋三首相は、15日に有識者懇談会(安保法制懇)から提出される報告書を踏まえて、会見を行い、政府としての検討の進め方の基本的方向性を示した。

ちょうど同じ日に、米CNNで「猫が猛犬に体当たり、飼い主の子ども救う」という面白いニュースが流れ、日本のテレビでも放映された。

You Tubeに投稿され、2000万回近く見られた「My Cat Saved My Son」がネタもとであるが、1分弱なのでまずはご覧いただきたい。幼い男の子を襲った犬に飼い猫が体当たりして撃退し、男の子を救ったのだ。

筆者にとって、安倍首相の会見と米CNNニュースは「同じ話」にみえたのだが、その後マスコミでの集団的自衛権の行使の是非を報じたマスコミは、両者の関連に気づかなかったようだ。

本コラムで書くことは、筆者が1998~2001年にかけて米プリンストン大学で学んだ国際法の観点からの見方だ。プリンストン大は、筆者がいたときには民主党のクリントン大統領が講演に来るなど、米国ではリベラルな大学である。

なお、筆者は、プリンストン大にいたバーナンキ・前FRB議長の著作を翻訳したり、ノーベル賞受賞者のクルーグマン・プリンストン大教授の私的な言動を紹介したりするので、経済学の研究で留学したといわれるが、主に勉強したのは国際法、国際関係論である。

国際政治の理論として民主主義国同士では戦争をしないという「民主的平和論」があるが、その構築に大きな貢献をしたマイケル・ドイル・プリンストン大教授(現コロンビア大教授)が所長をしていたプリンストン大国際研究センターに、筆者は所属していた。

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